大納会
昨日(2006年12月30日)は大納会であった。シカゴ日経平均先物が大幅に上昇していたにもかかわらず、二日続いて、極小幅の上昇で終わった。日本株の再生力が全く見られない大納会になった。それでも、一応、それでも年初よりも6%程の上昇の結果となった。しかし、成長程度が違うBric‘sは別にして、今年の我が国の株価パフォーマンスは他の国に比較して、余り良くなかった。実際、「さいら」が持っている日本株をベースとする「投信」では、昨年末に比較して基準価格は約9%も下落している。原因は、ライブドアー事件を発端にして、その後の景気減速感で、新興市場の「行け行けドンドン劇場」が終演したのであろう。来年は果たしてどうなるのか?
アナリスト達はいつもの通りそこそこの予想をしている。多くの仮説を置いて、来年末には現状よりは少なくとも少しは上回ると予想している。昨年の予想はどうだったのか?来年と言わないが、アナリストは予想をする時には、まずその前の予想の的中程度とその原因を明らかにする必要があるであろう。「会社等格付け機関」があるが、「アナリスト格付け機関」が必要であると思う様になったこの一年であった。
口座管理料
口座を開設すると、口座管理料が必要とか。「??」。何故証券会社では「管理料」が必要であるか?考えてみた。証券会社には種々の業務があるが、個人に対してはこれも結局の所、「仲介業」であるためのように思う。証券会社が扱っている「投信」・「債券」・「株券」も、会社が直接運用しているのではない。「さいら」の様に例えば一度株を購入しても、数年間、そのままで、インカムゲインは期待するが、キャピタルゲインは余り期待しない。しかし、証券会社は収益が上がらない商品・個人に対しても諸々の事務が生じる。だから当然「管理料」が必要となる。銀行の預金は、まさか「さいら」の預金額で運用もないが、「ゴミも積もれば何とやら」である。預金が収益の元である。とは言え、銀行の決済用(大袈裟な物言いであるが)に使用する普通預金口座では「口座管理料」がその内に必要になるとか。
預金残高が殆どないにもかかわらず、ATM機からの「出金」が多い「さいら」の「決済用口座」はそうなっても仕方がない。ただ、口座管理料もご多分に漏れず消費税込みの価格であることは不思議に思った。管理料を払って、税金が引かれる。どうも我が社会は旨くできている。税金を取るための管理料ではないかと穿った見方をしてしまう。
とここまで書いてきて、今まで口座管理料」が引かれていないことに気が付いた。その理由は「証券総合口座」・「電子交付サービス」にしているためらしい。もっとも、口座残高によって、管理費が要らないサービスもあるが、「さいら」の場合は決して「評価資産額」のためではない。その域には全く届かない。念のため。
MRF
証券総合口座を開設すると、投信等の購入費用を証券会社に振り込む。今の世の中まさか現金でと言う訳にも行かない。或いは、後ほど金融商品を購入するために事前に某かの金を振り込む。金融商品購入時のタイムラグを防止するための、「一時預け金」のつもりである。振り込む時の単位は当然ながら通常は「円」である。「さいら」の場合に限るが、決して、百万とか千万とかの単位ではない。(勿論$とかでも振り込みは可能であるが)その振り込んだ金は「一時預け金」のつもりなので、どのような会計処理例えば「仮受け」処理かなあと思いながら残高報告を見た。仮受け処理なら、残高報告に記載されていないかも知れないと思った。
よく見ると、それらしい数字が記載されていた。しかしである。実に不思議なことに、いつの間にか、と言うか振り込み日付けで「口」という単位に変わっている。通貨の単位である「円」から通貨と全く関係がない単位の「口」へ移行しているのである。???証券会社はお金のことを「円」と言わないで、「口」というのかと思った。「口」は「円」の業界用語だと思った。恥ずかしい話であるが、何も知らない「さいら」は証券業界では有り得る話だと思った。
しかし、少し、調べてみると、振り込むと直ちに「MRF」なる「投資信託」を購入することになり、そのために「円」から「口」に変わっているのだ。急に不安感が走った。単に預け金であるはずなのに?投信は基準価格の変動がある?さてと言う時に、換金すると足らなくなる恐れがある?しかし、更にもう少し調べると、「証券総合口座」の根本に関わることであること、そして非常に便利で安全であることも分かった。と言うことで、次回のこの項は、素人が理解したMRFの話になる。
証券総合口座とMRF
今日の話題は少し真面目に上っ面だけを「お勉強」したことである。基本的なことは全く理解していないことを了解願いたい。証券会社と取引することは「今では」、そして、「通常は」であるが、「総合取引」を行うことになる。総合取引とは有価証券の「保護預かり」・「株式ミニ投資」・「債券取引」等々を組み合わせて一つの口座で行うことである。丁度、銀行の一つの総合口座通帳で普通預金と各種定期預金とを行うのと同じ様なものである。これは、管理上からは個人にとっても金融機関にとっても、更に嫌なことではあるが、税務当局にとっても一つの口座で事足りるメリットがある。特に税務当局にあっては名寄せすら不要になる。
しかし、総合取引を了解したとしても「証券総合口座」を開くことにならない。取引をすることは、額は別にして、顧客とその証券会社との間で「金が移動」ことになる。出金・入金が頻繁になる可能性がある。お互いの決済口座が必要になる。預かり金の様なあやふやでない仕組みが証券会社にも求められる。銀行で言う「普通預金口座」・「当座預金口座」の決済口座が証券界にも必要になる。その受け皿として、証券会社では「MRF」が積極的に設けられた。従って「証券総合口座」を開設するためには、「MRF」の口座を開設することが条件となる。証券会社から見ると決裁口座と同じ(普通預金口座と同じ)様な機能を果たすために、従来の投資信託とは相当異なった機能が必要とされた。それについては次回の話になる。
実はこの「証券総合口座」の歴史はそんなに古くはない。今から10年前から始まった金融改革の賜物である。我が国では、個人の金融資産は間接投資である預貯金に偏っていた。欧米諸国と同じ様な金融資産の活発化・多様化が必要とされた。一方、企業等においても、社債発行や株式市場からの資金調達の直接金融が必要とされた。その様なことを勘案して(「さいら」は別にして)有り余っているらしい個人資産を直接投資へ導入し、活発化する目的で行われた「金融システム改革」(日本版金融ビッグバン)の最初の解禁であった。そう言う意味では、証券総合口座・MRFは歴史の賜物であると言える。
再びMRF
今日の話題は前回に引き続き、少し真面目に上っ面だけを「お勉強」したことである。かなり長いですが・・・。投資信託「MRF」の特徴を一般的な投信・普通預金と比較しながら書いてみよう。MRFは普通預金と同様な扱いを可能にする趣旨から言って、具備しなければならない点が幾つかある。
リスク:まず最初に、リスクの逓減である。普通預金等は完全ではないが、元本が保証されている。一方、投資信託は日々基準価格が変動し、そのために受益者は儲けたり、損をしたりする。リスクが付きものの商品で、自己責任の世界である。しかし、MRFはそうであってはならない。MRFの単位は一口一円であるが、評価額が一円より上がれば、その分、配当を直ちにすればよいのでことは簡単である。しかし、ある時に、一口98銭になっては、非常に具合が悪い。ただ、ずっと、一口一円でないとややこしくなるのである。その点でMRFは一般的な投信でない工夫が必要となる。顧客がそれで儲けようとしているのではない。儲けるにはそう言うファンドとかを利用する。かといって、塵も積もれば山となり、証券会社としては、集まったお金を運用しない手はない。そのために、幾つかの特徴有る運用が行われている。
まず日々変動が激しい株や為替リスクのある外債等は当然運用の対象外である。専ら、利回りが確定している国債・政府保証付き債券・公社債・CPが中心となり、投資信託の現在の分類では、「追加型公社債投資信託」になる。民間の債券等は格付けが高いものに限定されている。さらにリスクを軽減するために同一会社の有価証券等への投資は一社に偏らないように上限が設けられ、分散されている。それらにより、リスクを大幅に低減しようとしている。とは言っても、投信に変わりはないので、当然リスクはある。銀行預金と違う点はそのリスクに対し、預金保険機構の対象外であることである。我が国経済に万が一の不慮の出来事が突然襲った阿時には、対処できない。これが最大のリスクであろう。
流動性:普通預金は、営業日ならば何時でも、直ちに、カードとか窓口とか色んな方法で、入出金出来る。そうでないといざというときに間に合わない。そうでないと決済には向かない。所謂「流動性の確保」である。しかし、通常の投資信託では、運用成果を出すには、ある程度の期間が必要である。さらに、高額の売却や解約があると、投資対象の株とか債券を売却しなければならないので、換金に数日掛かる。これでは、決済用としては不向きである。
そのために、MRFは運用技術面から見ると、公社債などでも、残存期間が短いもので運用することになる。例えば、所有債券等の「平均残存期間」が90日以内とかである。そして、毎日決算をしている。その結果、普通預金に比較して、最大数時間のタイムラグがあるが、一応普通預金程度の流動性は確保されている。又、カードやオンラインでの入出金も利用できる数は未だ限定されているが、可能である。他の証券会社では分からないが、カード決済・公共料金振り込み、給与等の振り込みは出来ないか、制限がある。その辺りの若干の不便さを補うサービスとして、何処の証券会社も同じであろうと思うが、入金手数料は証券会社持ちである。
コスト:何時まで続くは分からないが、現在の銀行等の普通預金は(その内、口座管理料が必要になるのは間違いないが、)「預金すること(口座を開設すること)」にコストはかからない。しかし、一般的な投信では購入手数料等のコストがかかる。その都度のMRF購入手数料や換金手数料・信託財産留保などがあれば、普通預金的に利用する人はいないだろう。その点でも、証券総合口座として全体としての口座管理料は必要であるが、MRFだけを見ると普通預金と同様に諸々の手数料等はない。コストがかからないのである。信託報酬は慈善事業でないので、取らざるを得ないが、それは通常1%以内と極端に安く設定されている。その分、口座管理料を取られることになる。
その他:この三つで、MRFは概ね決済口座に馴染むのである。「概ね」と言ったのは、未だ未だ普通預金に比較して、利便性は劣るためであるが、相当程度近づいてきた。とは言っても、MRFはマネー リザーブ ファンドの略で有るとおり、どうしても、「予備的」な扱いにならざるを得ない。予備的というのは、例えばこの2月に世界の株価が暴落した。その様な時が「買い時」と思っている方は、早速MRFから株を買うことが出来る。中心は顧客と証券会社との間の決済口座である。
預貯金と一番違う点は前もって金利というか配当金を保証した「固定金利」でないことである。そのために、入出金が度々あるので、毎日決算・毎日分配せざるを得ない(分配は通常それを一ヶ月単位で再投資される)。このことは、普通預金の利上げが或る期間の平均残高*利率という様な単純なものでないためである。事務上は煩雑になろうと思われる。最初、残高報告書を見た時に、単なる預け金のつもりであったMRFに配当金が振り込まれていることに驚いた。ちなみに、現在或る証券会社の利回りは0.3%強である。これは概ね現在の定期預金と同じ程度である。
投信全体に言えることであるが、銀行よりも透明性は確保されていると言える。「目論見書」「運用報告書」等々である。銀行がどの企業にどれ位貸しているか?短期金融市場でどのような運用をしているのか?の報告は預金者には全くない。また、MRFの金融市場への貢献を考えるならば、MRFが解禁されて、多分短期金融市場ば多少なりとも厚みが出てきたことへのの貢献も考えられる。
昨日(2006年12月30日)は大納会であった。シカゴ日経平均先物が大幅に上昇していたにもかかわらず、二日続いて、極小幅の上昇で終わった。日本株の再生力が全く見られない大納会になった。それでも、一応、それでも年初よりも6%程の上昇の結果となった。しかし、成長程度が違うBric‘sは別にして、今年の我が国の株価パフォーマンスは他の国に比較して、余り良くなかった。実際、「さいら」が持っている日本株をベースとする「投信」では、昨年末に比較して基準価格は約9%も下落している。原因は、ライブドアー事件を発端にして、その後の景気減速感で、新興市場の「行け行けドンドン劇場」が終演したのであろう。来年は果たしてどうなるのか?
アナリスト達はいつもの通りそこそこの予想をしている。多くの仮説を置いて、来年末には現状よりは少なくとも少しは上回ると予想している。昨年の予想はどうだったのか?来年と言わないが、アナリストは予想をする時には、まずその前の予想の的中程度とその原因を明らかにする必要があるであろう。「会社等格付け機関」があるが、「アナリスト格付け機関」が必要であると思う様になったこの一年であった。
口座管理料
口座を開設すると、口座管理料が必要とか。「??」。何故証券会社では「管理料」が必要であるか?考えてみた。証券会社には種々の業務があるが、個人に対してはこれも結局の所、「仲介業」であるためのように思う。証券会社が扱っている「投信」・「債券」・「株券」も、会社が直接運用しているのではない。「さいら」の様に例えば一度株を購入しても、数年間、そのままで、インカムゲインは期待するが、キャピタルゲインは余り期待しない。しかし、証券会社は収益が上がらない商品・個人に対しても諸々の事務が生じる。だから当然「管理料」が必要となる。銀行の預金は、まさか「さいら」の預金額で運用もないが、「ゴミも積もれば何とやら」である。預金が収益の元である。とは言え、銀行の決済用(大袈裟な物言いであるが)に使用する普通預金口座では「口座管理料」がその内に必要になるとか。
預金残高が殆どないにもかかわらず、ATM機からの「出金」が多い「さいら」の「決済用口座」はそうなっても仕方がない。ただ、口座管理料もご多分に漏れず消費税込みの価格であることは不思議に思った。管理料を払って、税金が引かれる。どうも我が社会は旨くできている。税金を取るための管理料ではないかと穿った見方をしてしまう。
とここまで書いてきて、今まで口座管理料」が引かれていないことに気が付いた。その理由は「証券総合口座」・「電子交付サービス」にしているためらしい。もっとも、口座残高によって、管理費が要らないサービスもあるが、「さいら」の場合は決して「評価資産額」のためではない。その域には全く届かない。念のため。
MRF
証券総合口座を開設すると、投信等の購入費用を証券会社に振り込む。今の世の中まさか現金でと言う訳にも行かない。或いは、後ほど金融商品を購入するために事前に某かの金を振り込む。金融商品購入時のタイムラグを防止するための、「一時預け金」のつもりである。振り込む時の単位は当然ながら通常は「円」である。「さいら」の場合に限るが、決して、百万とか千万とかの単位ではない。(勿論$とかでも振り込みは可能であるが)その振り込んだ金は「一時預け金」のつもりなので、どのような会計処理例えば「仮受け」処理かなあと思いながら残高報告を見た。仮受け処理なら、残高報告に記載されていないかも知れないと思った。
よく見ると、それらしい数字が記載されていた。しかしである。実に不思議なことに、いつの間にか、と言うか振り込み日付けで「口」という単位に変わっている。通貨の単位である「円」から通貨と全く関係がない単位の「口」へ移行しているのである。???証券会社はお金のことを「円」と言わないで、「口」というのかと思った。「口」は「円」の業界用語だと思った。恥ずかしい話であるが、何も知らない「さいら」は証券業界では有り得る話だと思った。
しかし、少し、調べてみると、振り込むと直ちに「MRF」なる「投資信託」を購入することになり、そのために「円」から「口」に変わっているのだ。急に不安感が走った。単に預け金であるはずなのに?投信は基準価格の変動がある?さてと言う時に、換金すると足らなくなる恐れがある?しかし、更にもう少し調べると、「証券総合口座」の根本に関わることであること、そして非常に便利で安全であることも分かった。と言うことで、次回のこの項は、素人が理解したMRFの話になる。
証券総合口座とMRF
今日の話題は少し真面目に上っ面だけを「お勉強」したことである。基本的なことは全く理解していないことを了解願いたい。証券会社と取引することは「今では」、そして、「通常は」であるが、「総合取引」を行うことになる。総合取引とは有価証券の「保護預かり」・「株式ミニ投資」・「債券取引」等々を組み合わせて一つの口座で行うことである。丁度、銀行の一つの総合口座通帳で普通預金と各種定期預金とを行うのと同じ様なものである。これは、管理上からは個人にとっても金融機関にとっても、更に嫌なことではあるが、税務当局にとっても一つの口座で事足りるメリットがある。特に税務当局にあっては名寄せすら不要になる。
しかし、総合取引を了解したとしても「証券総合口座」を開くことにならない。取引をすることは、額は別にして、顧客とその証券会社との間で「金が移動」ことになる。出金・入金が頻繁になる可能性がある。お互いの決済口座が必要になる。預かり金の様なあやふやでない仕組みが証券会社にも求められる。銀行で言う「普通預金口座」・「当座預金口座」の決済口座が証券界にも必要になる。その受け皿として、証券会社では「MRF」が積極的に設けられた。従って「証券総合口座」を開設するためには、「MRF」の口座を開設することが条件となる。証券会社から見ると決裁口座と同じ(普通預金口座と同じ)様な機能を果たすために、従来の投資信託とは相当異なった機能が必要とされた。それについては次回の話になる。
実はこの「証券総合口座」の歴史はそんなに古くはない。今から10年前から始まった金融改革の賜物である。我が国では、個人の金融資産は間接投資である預貯金に偏っていた。欧米諸国と同じ様な金融資産の活発化・多様化が必要とされた。一方、企業等においても、社債発行や株式市場からの資金調達の直接金融が必要とされた。その様なことを勘案して(「さいら」は別にして)有り余っているらしい個人資産を直接投資へ導入し、活発化する目的で行われた「金融システム改革」(日本版金融ビッグバン)の最初の解禁であった。そう言う意味では、証券総合口座・MRFは歴史の賜物であると言える。
再びMRF
今日の話題は前回に引き続き、少し真面目に上っ面だけを「お勉強」したことである。かなり長いですが・・・。投資信託「MRF」の特徴を一般的な投信・普通預金と比較しながら書いてみよう。MRFは普通預金と同様な扱いを可能にする趣旨から言って、具備しなければならない点が幾つかある。
リスク:まず最初に、リスクの逓減である。普通預金等は完全ではないが、元本が保証されている。一方、投資信託は日々基準価格が変動し、そのために受益者は儲けたり、損をしたりする。リスクが付きものの商品で、自己責任の世界である。しかし、MRFはそうであってはならない。MRFの単位は一口一円であるが、評価額が一円より上がれば、その分、配当を直ちにすればよいのでことは簡単である。しかし、ある時に、一口98銭になっては、非常に具合が悪い。ただ、ずっと、一口一円でないとややこしくなるのである。その点でMRFは一般的な投信でない工夫が必要となる。顧客がそれで儲けようとしているのではない。儲けるにはそう言うファンドとかを利用する。かといって、塵も積もれば山となり、証券会社としては、集まったお金を運用しない手はない。そのために、幾つかの特徴有る運用が行われている。
まず日々変動が激しい株や為替リスクのある外債等は当然運用の対象外である。専ら、利回りが確定している国債・政府保証付き債券・公社債・CPが中心となり、投資信託の現在の分類では、「追加型公社債投資信託」になる。民間の債券等は格付けが高いものに限定されている。さらにリスクを軽減するために同一会社の有価証券等への投資は一社に偏らないように上限が設けられ、分散されている。それらにより、リスクを大幅に低減しようとしている。とは言っても、投信に変わりはないので、当然リスクはある。銀行預金と違う点はそのリスクに対し、預金保険機構の対象外であることである。我が国経済に万が一の不慮の出来事が突然襲った阿時には、対処できない。これが最大のリスクであろう。
流動性:普通預金は、営業日ならば何時でも、直ちに、カードとか窓口とか色んな方法で、入出金出来る。そうでないといざというときに間に合わない。そうでないと決済には向かない。所謂「流動性の確保」である。しかし、通常の投資信託では、運用成果を出すには、ある程度の期間が必要である。さらに、高額の売却や解約があると、投資対象の株とか債券を売却しなければならないので、換金に数日掛かる。これでは、決済用としては不向きである。
そのために、MRFは運用技術面から見ると、公社債などでも、残存期間が短いもので運用することになる。例えば、所有債券等の「平均残存期間」が90日以内とかである。そして、毎日決算をしている。その結果、普通預金に比較して、最大数時間のタイムラグがあるが、一応普通預金程度の流動性は確保されている。又、カードやオンラインでの入出金も利用できる数は未だ限定されているが、可能である。他の証券会社では分からないが、カード決済・公共料金振り込み、給与等の振り込みは出来ないか、制限がある。その辺りの若干の不便さを補うサービスとして、何処の証券会社も同じであろうと思うが、入金手数料は証券会社持ちである。
コスト:何時まで続くは分からないが、現在の銀行等の普通預金は(その内、口座管理料が必要になるのは間違いないが、)「預金すること(口座を開設すること)」にコストはかからない。しかし、一般的な投信では購入手数料等のコストがかかる。その都度のMRF購入手数料や換金手数料・信託財産留保などがあれば、普通預金的に利用する人はいないだろう。その点でも、証券総合口座として全体としての口座管理料は必要であるが、MRFだけを見ると普通預金と同様に諸々の手数料等はない。コストがかからないのである。信託報酬は慈善事業でないので、取らざるを得ないが、それは通常1%以内と極端に安く設定されている。その分、口座管理料を取られることになる。
その他:この三つで、MRFは概ね決済口座に馴染むのである。「概ね」と言ったのは、未だ未だ普通預金に比較して、利便性は劣るためであるが、相当程度近づいてきた。とは言っても、MRFはマネー リザーブ ファンドの略で有るとおり、どうしても、「予備的」な扱いにならざるを得ない。予備的というのは、例えばこの2月に世界の株価が暴落した。その様な時が「買い時」と思っている方は、早速MRFから株を買うことが出来る。中心は顧客と証券会社との間の決済口座である。
預貯金と一番違う点は前もって金利というか配当金を保証した「固定金利」でないことである。そのために、入出金が度々あるので、毎日決算・毎日分配せざるを得ない(分配は通常それを一ヶ月単位で再投資される)。このことは、普通預金の利上げが或る期間の平均残高*利率という様な単純なものでないためである。事務上は煩雑になろうと思われる。最初、残高報告書を見た時に、単なる預け金のつもりであったMRFに配当金が振り込まれていることに驚いた。ちなみに、現在或る証券会社の利回りは0.3%強である。これは概ね現在の定期預金と同じ程度である。
投信全体に言えることであるが、銀行よりも透明性は確保されていると言える。「目論見書」「運用報告書」等々である。銀行がどの企業にどれ位貸しているか?短期金融市場でどのような運用をしているのか?の報告は預金者には全くない。また、MRFの金融市場への貢献を考えるならば、MRFが解禁されて、多分短期金融市場ば多少なりとも厚みが出てきたことへのの貢献も考えられる。