羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

5→9~坊さん~ 6

2015-12-16 20:13:50 | 日記
一人で止まっていると、ひばりが現れた。ひばりは手紙を読んだことを告げ「断りも無く、読んでしまったので、わたくしもあなたに恥ずかしい話をします。あなたに会うのが嫌でした。あなたが、高嶺の母親によおく、似ているから」高嶺の母は寺に馴染まず、ある時、寺を飛び出し、高嶺の父がそれを追い「その帰り道、そのまま二人は。どんなに力を尽くしても、できないことはあるんです」涙ぐむひばり。「けど、潤子さんと、高嶺の母親とは違う人間です。そのことはよおく、承知しているんです。高嶺は、寺におります」「え?」「だから、高嶺は寺におります!」「あ、それ」「頭の悪い子ねっ! 寺の嫁としては認めないけど、高嶺の嫁として認めると言ってるの!」呆然とする潤子。「早く! 行きなさいっ!」「はい、はいっ、はい!」潤子はコートを取ってELAを飛び出して行った。潤子が去ってから笑顔を見せるひばり。
その頃、アーサーは公園で「悪魔への生け贄に、お前を差し出してやるっ!」「キャーっ、ルシファー様!!」山淵相手にキャラになりきって喜ばせていた。「ミス百絵、これからもあなたと楽しく過ごしたい」アーサーは微笑みかけた。蜂屋は自分の名前等を書き入れた婚姻届けを毛利に渡していた。「何これ?」「形で示せ、って言ったでしょ?」嬉しそうに笑う毛利、年齢は気にしなーい。三嶋も吹っ切れた顔で去って行った。由希は女装をやめて寧々や父、母、商店街の人々とクリスマスイブを祝いに来て「ウチの娘はイケメンばっかり連れてくる」と母に言われたりしていた。
天音はサンタ帽を被った三休を連れて寺田達が開いたクリスマスイブ会に参加して、寺田が「最初はグーっ、じゃんけんポイっ!」と音頭取って盛り上げたりするに、やや不慣れだが満更でもない様子だった。やはり日本を離れる
     7に続く

5→9~坊さん~ 7

2015-12-16 20:13:38 | 日記
清宮も身の回りの整理をしながら亡くなった妻の写真を見て笑みを浮かべていた。
寺まで駆けてきた潤子。境内に入ると明かりが灯り、大きなクリスマスツリーが飾られていたのが見えるようになった。周囲ライトアップされる。ツリーの向こうから、洋装に、髪も整えた高嶺が現れた。「クリスマス、ですので。ティラノサウルスレックス」恐竜の名を列挙し始める高嶺。「あの日あなたが、足を止めた化石の名前です。忘れられなかった。あの日あなたが着ていた服のように、展示を見るフリをして、泣いている後ろ姿も。あなたが作って下さったお弁当のおかずがなんだったのか」「食べててくれたんですか?」驚く潤子。
「あなたに関することは、全て、全て覚えています。ただ一つ、お伝えし忘れていたことがあります。なぜあなたのことが好きなのか? あなたでないとダメなのか? 答えてないままでした。あなたが、桜庭潤子さんだから、あなたがあなただから、僕はあなたからどうしても目が離せない。ホッとするのに胸が苦しくて、あなたと離れると、胸が痛くなる。あなたに出会うまで、どうやって生きてきたんだろうって、自分でもわからない。あなたがいないと、僕はもうダメで、いつからあなたが好きなのか、自分でもわからない。きっと出会った時からあなたが好きだ。あなたがあなただから、出会ってしまったから」「星川さん」抱き締める高嶺。
「あなたを愛しています。泣かせてごめんなさい」「許さないよ。だから一生かけて謝って」「一生怒っててもいい」膝をついて結婚指輪を差し出す高嶺。 「潤子さん、結婚して下さい!」差し出した高嶺の指を見る潤子。「いいですよ、結婚して差上げます。あなたの妻になって差上げます」潤子が笑うと、高嶺も笑った。高嶺は潤子の左手の薬指に指輪をはめた。二人が身を寄せてキスしようとすると雪が降り始めた。
     8に続く

5→9~坊さん~ 8 完

2015-12-16 20:13:29 | 日記
二人は雪に驚いてキスを一旦やめ「雪に邪魔されちゃったね」と潤子は笑ったが、すぐに二人はキスをした。雪の中、ツリーの前で何度もキスをする潤子と高嶺。勢い余って潤子を持ち上げてキスし出す高嶺。笑ってしまう潤子。それでも二人はキスを続けていた。
翌日の25日、クリスマス。潤子と高嶺は慌てて歩いていた。潤子のキャリーバックを引いている高嶺。「区役所はこちらであってるんですか?」「そうです! 急がないと飛行機出ちゃいますからっ。私がニューヨークに行く前に、婚姻届け出したいって言ったの、あなたですからね!」家宝の印鑑が中々見付からず、高嶺が手間取ったらしく軽く揉め出す二人。「Don't speak!」ラチが明かないので高嶺にキスして黙らせる潤子。「置いてくよ、高嶺さん!」先へ歩いてゆく潤子。「潤子さん、もう1度お願いしますっ」「いいから、早くっ!」二人そんなことを言い合いながら、速足で、区役所へと歩いて行った。
・・・圧縮展開気味だがハッピーエンド。香織はほろ苦い決着だったね。さて、問題は次の月9だ。どうなることやら。今は取り敢えず胃が痛い。お粥食べたし!