乗りたい！と思ったが

　無性にバイクに乗りたいっ！地平線まで走らせたいっ！なんてアホなセリフ言ったところで目の前にマシンがないんだからしょうがない。

　と思ったんだが、ふと、俺は身勝手なことをしているんじゃないか、と感じ始めた。

　日本にいるときの趣味として、バイクのレストアがあった。
乗られていない放置されているバイクを見ていると、かわいそうに感じた。
それらを譲り受け、動くようにして、乗ることにより、それらにまた命を吹き込むことに喜びを感じていた。

　なのに今自分がしていることは、ひょっとしたら身勝手すぎないか？

　今も実家には2台のバイクが眠っている。エンジンかけられることもなく、同然乗られることもなく、見る人によっちゃ放置されているのと同じ。

　ずっと主人の帰りを待っている、なんて言うと、何となく忠犬ならぬ忠バイク？なんて言えなくもないが、それって持ち主の勝手な思い上がりだったりして・・。

　あいつらだって、きっと動きたいはず。走りたいはず。バイクを見ると、そう感じて、動くようにして、乗って喜んできたはずじゃなかったか？

　しかし、手放したくない。手放したら、また巡り会えるとは限らない。
というのも、俺の身勝手であって、あいつらはそんなふうに思ってなかったりして。
今、俺が無性に乗りたくなっているのと同じで、あいつらは無性に走りたかったりして。

　ここで結論は出そうもない。このことを思い出すと、しばらく悩むだろう。

まずい展開・・・。