「解説がないと訳がわかないけど、なぜか魅かれる世界・・・」
京都展では、開催終盤になって来ましたこの展に行って来ました。
ダリと云えば,誰しも学校の美術時間で、薄べったい時計がグニャっとなっている絵を思い浮かべる事でしょう。
「シュルレアリスム(超現実主義)」、現実世界を逸脱してしまっている世界観、ちょっと難問の絵のようで、心理分析に使う絵のような・・・「さて、あなたは、この絵がどう見えるでしょうか?」っと問われているみたいであります。
頭の悪い私は、こうゆうの苦手でありますが、しかしながら、現実にないとは思えないような写実絵画に、じーと見つめるくらい魅き込まれます。
そして、謎解きの絵がわかった時の快感が、なんか楽しいですね。
そんな不思議な絵を描くサルバドール・ダリ、1904年、スペインの田舎町に生まれ、父は公証人と裕福な家庭である。
真面目な父と違って、ダリは、空想癖が好きで父を困らせていたそうであります。
17歳でマドリードの美術学校に入り、22歳で退学、24歳の時にシュルレアリスム映画をブニュエルと製作、「アンダルシアの犬」という題名でけっこう人気の映画となる。
この映画、会場でも観られます。
YouTube「アンダルシアの犬」
女性の目を剃刀で引き裂いたり、掌に穴が開いており、そこから無数の蟻が出て来たり、千切れた手首を棒で突く女性など、今でいうホラー的な映像で、他も何が何だか訳がわからない映画であります。
学生の映研が造るアングラ映画であります。
しかしながら、女性の胸を両手でもんで空想にふけっている様子は、スケベ男の欲望はわかるような気がします。
白黒サイレント16分の映画でありますが、軽快な音楽がいいですね。
結末は、よくわからない悲惨な姿で終わってます。
そして、その後25歳、伴侶になるガラと出会い、1982年にガラが亡くなるまで、幸せに過ごしたそうであります。
ガラは、ダリにとって良きモデルでもあり、マネージャーでもあったんですね。
ガラは、ダリと出会う前は、詩人のエリュアールの妻で、夫婦でダリを訪れた時に、ダリとガラは恋に落ちたそうであります・・・これぞ、フォーリンラヴ・・・。
いいカンジの気に入ったカードを買いました。
聖母をガラがモデルになり、くり抜かれた所に幼いキリストがいて、そのキリストもくり抜かれパンがある。
宗教的で構図が幾何学的でもある不思議な絵で、パンを中心に統合されているそうであります。
これが一番わかりやすかったですね。
そう全ては朽ちくするっというテーマですね。
どんな美しい、命あるものでも、いづれは・・・・
青空の下に、向こう岸があり、川が有り、手前には、透明人間のような人が、椅子とベッドにいる不思議な絵であります。
日本に落とされた原爆の恐怖をダリなりに描いたんでしょうね。
エノラゲイやベースボールをする人など、アメリカを非難するようにも思える絵でありますが、この時原子に興味を持っていて、かなり勉強していたような事が解説にありました。
他にも、原子の絵がありましたね。
ダリにとって、衝撃的だったんでしょうね。
1982年にガラが亡くなって、ダリはひどく落ち込み、翌年から絵を描かなくなったそうであります。
そして、1989年85歳、心不全によりガラテアの塔にて亡くなったそうであります。
京都展は、まもなく9月4日で終わり、東京展が国立新美術館にて、9月14日から始まります。
9日間で、京都から東京へと移送、設置するんですね。
「ダリ展」HP
「安らぎを求めて、美術・博物館へ」 インデックス