埼玉県立近代美術館「彫刻ボランティア」の定例会、今回は特別研修。
美術館エントランス前にあるフェルナンド・ボテロ作、「横たわる人物」にひっかき傷のようなものが見つかったために、
ブロンズ補修の第一人者、武蔵野美術大学教授・黒川弘毅さんに来館いただいた。
ひっかき傷は作品の人体部分。(下記写真中央左上から中央下にかけて)
ボテロの作品はブロンズ本体の表面に酸化銅系の科学的着色がなされており、その上にWAXを塗布して表面を保護している。
この傷は、ブロンズ本体までは達していなかったので、硫化物系の薬品を塗布することで表面を補修。部分的にはソフトペンシルによるレタッチで修復していく。
全体的にはまず水と自然系洗剤で洗浄し、靴墨を使用して色味の補正。靴墨は顔料と油脂によるものを使用すると、表面を損なわずなじんでいく。
WAXを用意し、色調補正の済んだ作品をコーティング。
WAXがけまで済むとマット調な感じに落ち着いている。
今度は全員で布を使って磨き上げていく。
磨き上げた作品は、色調もなじみ、傷も補修されてすっかり綺麗な姿を取り戻した。
単に洗浄、修復するのではなく、全員の手で作品の息吹をよみがえらせた感触が強く残せたと思える。
来館者のみなに愛される、美術館の看板のひとつとも言える作品。しっかりと守りながら共に生きていきたい。
美術館エントランス前にあるフェルナンド・ボテロ作、「横たわる人物」にひっかき傷のようなものが見つかったために、
ブロンズ補修の第一人者、武蔵野美術大学教授・黒川弘毅さんに来館いただいた。
ひっかき傷は作品の人体部分。(下記写真中央左上から中央下にかけて)
ボテロの作品はブロンズ本体の表面に酸化銅系の科学的着色がなされており、その上にWAXを塗布して表面を保護している。
この傷は、ブロンズ本体までは達していなかったので、硫化物系の薬品を塗布することで表面を補修。部分的にはソフトペンシルによるレタッチで修復していく。
全体的にはまず水と自然系洗剤で洗浄し、靴墨を使用して色味の補正。靴墨は顔料と油脂によるものを使用すると、表面を損なわずなじんでいく。
WAXを用意し、色調補正の済んだ作品をコーティング。
WAXがけまで済むとマット調な感じに落ち着いている。
今度は全員で布を使って磨き上げていく。
磨き上げた作品は、色調もなじみ、傷も補修されてすっかり綺麗な姿を取り戻した。
単に洗浄、修復するのではなく、全員の手で作品の息吹をよみがえらせた感触が強く残せたと思える。
来館者のみなに愛される、美術館の看板のひとつとも言える作品。しっかりと守りながら共に生きていきたい。