私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

携帯電話

2009-02-24 21:57:50 | 映画鑑賞
ある芸能プロダクションの社長スンミン(演オム・テウン)
洒落たスーツを着てはいるが、実は金の工面に困っているのだ。
しかし希望の光もないわけではない。
育てている新人女優の仕事も順調に行っているのだ。化粧品のコマーシャルも決まりそうだ。
芸能界は一発当たれば大きい世界。
これでなんとかなるだろうと思っていたスンミンの携帯に、あってはならないものが送られてきた。
女優のあられもない姿を映した画像が送られてきたのだ。
知らないうちに流出したのではない。新人女優の恋人であるモデルの男が金欲しさに送ってきたのだ。

金の匂いがするところにゆすりあり。
金を渡し、男を痛めつけ、秘密裏に物事を解決できたはずだったのに・・・・
カフェのテーブルの上に無造作に置いた携帯を忘れてしまったのだ。

自分の携帯に電話をし、「携帯を返せ!」と息巻くスンミン。
普通ならそれで解決するはずだった。
何事も力で押し切るスンミンは多分そうやって芸能界を生き抜いて来たに違いない。

しかし電話を拾った相手は違ったのだ。
「丁寧に電話に出ろ。丁寧な言葉で俺に対応しろ。。。。。」

そして、どうしても携帯を返して欲しいスンミンが「何でもするから、あなたが望むことを何でもするから」と懇願すると、電話の相手はとんでもないことを要求し始めるのだ。

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「携帯電話一つでそんなことが起こるのか?」
終盤、刑事がこんな台詞を言うのだが、物語の大半はその携帯一つを返してもらいたいがために、スンミンが次々と理不尽な要求をこなしていくことに焦点が当てられる。
たった一つの携帯のせいで・・・という思いと、あの画像が流れたら、金も返せずおしまいだというスンミンの状況が見ている方にストレートに伝わってくる。
なんとかしたいと、興奮し声を荒げて走り回るスンミン。
そんなスンミンをあざ笑うかのように、理不尽な要求を次々と持ち出す男。
それだけでもスピード感が感じられる映画なのに、携帯スリラーだと思っていた映画が、まるでオセロゲームのように白黒が入れ替わるようになると益々スピード感が増してくる。

ゆすっている男の日常。
いつも怒鳴り散らし声を荒げている男の家庭生活。

黒だと思っていたものが、白。
白だと思っていたものが、黒。

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携帯電話スリラーだと思っていた映画が、スンミンの愛の物語だと分かった時の衝撃は大きい。
芸能プロダクションの社長スンミン。いつも怒鳴り散らしているスンミンの心の闇。求める愛情。

スリラーなので、これ以上上手く書けないのが歯がゆいが、オム・テウンファンとしては、満足度高し。
勿論ゆする男を演じたパク・ヨンウも凄い。
イエスマンだった男が超えてしまう一線。その悲しみも見ている方に痛いほど伝わってくるのだ。

スンミンが愛情を注ぐ妻を演じているのは、パク・ソルミ。
映画を見るまでキャスティングをされていることも知らなかった。


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