後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

新しいもので生活を根底から変えたもの(3)冷凍コンテナ船の開発による食生活革命

2014年01月18日 | 日記・エッセイ・コラム

日本人の食生活は冷凍コンテナ船の開発によって革命的に変化しました。

Cf101af94bcb6ef035ef08dee4ee4ae31

(写真の出典は、http://blogs.yahoo.co.jp/ever_gifted/folder/1218959.htmlです。)

それでは冷凍コンテナの構造を見てみましょう。

Img_041  0705201533461

(写真の出典は、左は、http://www.used-container.jp/contents_01/ で右は、http://trynext.com/travel/070520-1300.phpです。)

上に示した冷凍コンテナは巨大なコンテナ船に積んで、船の三相交流電源につないで内臓した冷凍機を動かしながら海上を運搬します。

下の写真は船の電源とコンテナの冷凍機をつなぐ接続部分を示しています。日本の船では右の三相200ボルト交流を使っています。海外船では左の400ボルト交流を使うことがあります。

Power_image11

(写真出典は、http://www.container-ichiba.jp/power.phpです。)

この冷凍コンテナのおかげで、世界中から安くて新鮮な食材を日本へ運ぶことが出来るのです。

日本のスーパーに並んでいる新鮮食品の多くはこの冷凍コンテナで海外から運ばれたものなのです。

そしてファミリーレストランの食材もこの冷凍コンテナで輸入されています。

現在、日本人は気楽にファミレスを楽しめるのは冷凍コンテナの開発のおかげなのです。

その構造や性能については、http://www.motech.co.jp/container/pdf/container_reefer.pdf に詳細に書いてありますので、ここでは省略いたします。

冷凍輸送はコンテナ船のみではありません。飛行機による輸送や陸上輸送用の冷凍コンテナも開発されました。

そのおおかげで日本各地に新鮮な食材が流通するようになったのです。

例えば水揚げされた魚介類が新鮮なまま、都会はもちろん山奥の小さなスーパーにも並んでいるのです。下にそんな魚の写真を示します。

日本の山奥でも魚や貝のサシミが日常的に食べられるようになったのです。

戦中生まれ、戦後育ちの私は魚をよく食べました。もっと正確に言うと魚しか食べられませんでした。漁港の塩釜から少し内陸に入った仙台市に24歳まで住んでいました。

私が戦前に食べた魚は塩イワシ、塩タラ、イカ、塩ニシン、塩鮭、それに多量のクジラ肉でした。どれも塩釜の北にある三陸海岸の近海で多量に獲れる魚ばかりです。イカ以外はものすごく塩が強いものばかりでした。

戦前、戦後は氷が無いし、ましてや冷凍技術などほとんど無かったのです。

腐らないように塩漬けにして塩釜から仙台へ鉄道輸送しなければならなかったのです。

戦前、戦後の仙台の庶民は塩釜が遠方なので生の刺身は食べられません。

そんなことを思い出しながら写真を見ていると感動するのです。

下の写真は近くの角上魚類という大型の魚屋で撮った写真です。

輸送中も冷凍装置を動かし、魚類を完全に冷凍状態で南米沖やアフリカ沖や北大西洋から日本各地のスーパーへ直接送る流通システムが完備してあるのです。

冷凍も極低温にし、解凍技術も進歩したので地球の向う側の魚や貝でも刺身で食べられます。

こういう時代になると魚の食文化は山奥でも都会でも皆同じになってしまいます。

私がよく行く山梨県の山の中のスーパーの魚の売り場は東京と寸分変わらない刺身が並んでいるのです。その光景は昔の仙台の魚を思い出すと感慨無量です。

0181

(上はメバルです。)

0192

(上はシマアジ(左側)とキンメダイです。)

017_21

(上はキンメダイです。)

上に書いた鮮魚は一つの例です。

新鮮なアメリカの牛肉、スペインのイベリコ豚、フランスのツグミ、南米の果実や野菜類、そしてイタリーの養殖黒マグロ、そして中国の怖くて安い冷凍食品などなどが怒涛のように日本へ流れて来るのです。

戦前、戦後の食糧難を経験している私は有難い時代まで生き延びたことに感謝しています。幸せな毎日に感謝しています。

日本という国に生まれた幸運を考え、いまだに飢えに苦しんでいる国々の苦しさに思いを馳せています。

地球上から飢餓が無くなることを祈りつつこの稿を終わりに致します。(終わり)


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。