後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

アウシュビッツのオーケストラと神の沈黙

2011年02月28日 | インポート

テレビや新聞を見てすぐに感情的な文章を書かないようにしています。しかしこの文章だけはお許し下さい。

昨夜、あるBSテレビでアウシュビッツでオーケストラの団員としてヴァイオリンを弾いていた95歳のお婆さんの長い話を聞きました。

当時彼女は20歳前後のユダヤ人のうら若い娘でした。

ナチスは大量虐殺するユダヤ人が怖がって騒動を起こさないように、同じ囚人のユダヤ人で編成したオーケストラにモーツァルトの曲の演奏を聞かせながらガス室へ送り込んでいたのです。

ヴァイオリンを弾いていた彼女の目の前を幽霊のように、人々がガス室へ進んんで行きます。自分は楽器が弾けるだけの理由でこちら側に坐って、死んで行く同じユダヤ人を見ているだけです。モーツアルトの美しい曲を弾きながら。

彼女は現在も叫びます、「何故、神様は沈黙しているのですか!」と。

彼女の神様はユダヤ教の神様です。しかしカトリックの私も全くこのお婆さんと同じ叫びを上げてしまいました。テレビの前でです。

アウシュビッツのナチスドイツの想像を絶する罪悪は同じ人類として私も罪悪感を感じます。ましてや欧米人はもっと強く感じているに違いありません。

何故、このように決定的な時に神様は沈黙しているのでしょうか?何故、お釈迦様がこの世の地獄から人々を助けに行かないのでしょうか?

神や仏を信じたくなくなります。

このように迷いながら神を信じるのが私の信仰の道なのです。そんな感想を持った、昨夜のテレビ番組でした。

どうぞ神様、この世で、これ以上、地獄を見せないようにして下さい。アーメン


暗い雨の日なので気分が爽快になる写真をお送り致します

2011年02月28日 | 写真

2月26日、小田原海岸からと、熱海から初島へ渡る船から家内が撮った写真をお送りします。

憂鬱な天気ですが、写真をご覧になり明るい気分になって下さい。いつも明るい気分の方は別ですが。

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短篇小説、yoko著、「初島での出会い」、その一

2011年02月28日 | インポート

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昨日、春の小島、初島への小さな旅 という記事を掲載しましたところ、yokoさんという友人からコメントを頂きました。ご自分も初島へ旅した事、そして短い小説を書いた事などをお知らせ下さいました。早速読みましたら素晴らしい短篇です。離れ島で偶然出会った男女の心の揺れ動きが情感豊かに描いてあります。早速転載許可のお願いを致しました。ご承諾頂きましたので3回に分けて連載致します。
=====yoko著、「初島での出会い」=========

恵子は大学生最後のクリスマスを、親友の緑と一緒に初島で過ごすことにした。
お互いに特定の相手もいない淋しいクリスマスを、都心で過ごすのはやめ、どこか静かなところで過ごそうということになったのである。
幸い緑の父親がエクシブ初島クラブの会員なので、利用させてくれるというので迷うことなく初島行きを決めた。
以前からいいクラブであるとは聴いていたが、なかなか行く機会がなく、大学生最後のクリスマスを過ごすにはふさわしいかもしれないと、何時しか楽しみに変わっていた。
 
 初島は熱海から船で25分のところにあり、直ぐ近くに見えるが、やはり島は島なので船で渡るのは自然と心がウキウキとしてくる。
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日は少し早めに出て、夜はゆっくりと過ごしたいと思う恵子だったが、緑は夕食に間に合うように着けばいいと言ってきかなかった。
たった一泊の旅なので、恵子はなるべく有意義に過ごしたいと思い、一人で早めに行くことに決めた。 
 
 いよいよクリスマスイヴである。
緑と会うまでは恵子の一人旅のようなものなのでそれなりに楽しもうと考え、新幹線に乗ってもいいのだが、品川から東海道線に乗りのんびりと行くことにした。
 東海道線の車窓からは沿線の景色を十分に楽しむことが出来た。
電車に乗っていても車に乗っていても、海が見えた途端に思わず気持ちが解放されるのは何とも不思議である。
今日の天気はあいにく曇りで夕方には雨が降るとの予報である。
それを裏付けるようにあつい雲に覆われているものの、時折射す日の光が海を照らし、恵子は行く手に幸せが待っているような気がした。
 
 熱海で降りると、雑誌に載っていた安くておいしい海の幸のお店でマグロ丼を食べた。評判通り満足できる味であった。
熱海港までは商店街をぶらぶらと歩いた。
昔立ち寄ったお店の前を通ったり、山の上の方には何年か前に家族で来たホテルが見えたりして、急に懐かしさがこみ上げてきた。
熱海港に着いて船の時間まで近くを散策した。
どんよりとした暗さの中に山々が静かに輝いていた。
直ぐそばの公園の桜の葉はもうすっかり散り冬の到来を物語っていた。
そして目の前の冬の海をながめながら恵子は思わず心の中で
「今年は海に囲まれた島でのクリスマス!楽しまなくっちゃ!」と思った。
  しばらくすると白地にハイビスカスの花が描かれた鮮やかな船が入ってきた。
「さあ、行くわよ!」と恵子は自分自身に号令をかけ、船に乗り込んだ。

お風呂から上がり、脱衣所で涼んでいると、後から入ってきた人が「夕方の船が欠航になったそうよ。」と話す声が聞こえた。
恵子は自分の耳を疑ったが、後から来る緑のことが気になり、あわててフロントに行き欠航が事実であるか確かめてみた。
やはり欠航は間違いなかった。
すぐに緑の携帯にかけた。(続く)


富士山は781年以降、9回も噴火しています

2011年02月28日 | インポート

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先日、富士山は3つの火山が重なっていますという記事を掲載しました。古富士火山は約8万年前~約1万年前.新富士火山は約1万年前以降に出来た山です。

しかしそれでは大雑把過ぎると思い、少し詳しく調べて見ました。

経済産業省の産業技術総合研究所の一部門の地質調査総合センターが「数値地質図」という題目でCDシリーズを販売しています。そのG-9は富士火山地質図です。

その中にはいろいろな写真や図表や研究論文が収録されています。主な研究者は津屋博士で、その他にいろいろな資料が入っています。

それによると富士山は781年以来、下に示すように9回も爆発しているのです。

781年 7月 噴火:降灰
800-802年 割れ目噴火:北山腹, スコリア降下, 溶岩流
864-866年 割れ目噴火:北西山腹, スコリア降下, 溶岩流(青木ヶ原溶岩),「せの海」を二分して精進湖と西湖を形成
937年 12月 18日 割れ目噴火:北山腹, スコリア降下, 溶岩流
1033年 1月 19日 割れ目噴火:北山腹, スコリア降下, 溶岩流
1083年 4月 17日 噴火
1435年 割れ目噴火:北山腹, スコリア降下, 溶岩流
1511年 8月 噴火
1707年 12月 16日から月末まで プリニー式噴火:南東山腹(宝永火口), 軽石 & スコリア降下。

以上の爆発を見ると全てが主火口からの爆発ではなく山腹からの割れ目噴火である事が分かります。

下に宝永火口が写っている写真と、上に風景写真を転載させて頂きました。

素人の私が調べた結果ですので間違いも多いと思います。しかし専門的な学問を少し勉強するのも興味深いと思っています。お付き合い頂きまして有難う御座いました。

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いろいろな外国体験から得た3つの結論(3)世界の宗教を知っておくと外国生活が楽しくなる

2011年02月28日 | 日記・エッセイ・コラム

日本では宗教を信じていない人々が多いです。しかし外国に住んでみると意外に宗教が信じられている国が多いものです。

私がアメリカやドイツに住んで居た時、よく日本の宗教は何ですかと聞かれたものです。即座に佛教ですと答えられなくて困ったことは再三でした。無宗教国ですとうっかり答えて大変な議論になった事もあります。最後はそれで日本は共産国家と通じているのですねと変な皮肉を言われて不愉快な気分になった事さえあります。

それ以来、仏教の教義や宗派の違いを簡単に勉強しました。日本にはお寺の数が7万以上ある事や、お釈迦さもの教えも2、3行で言えるようになりました。法然や道元をキリスト教の聖者に例えながら何を教えたかも説明出来るようになりました。

佛教の内容をキリスト教と比べながら分かり易く説明するのです。すると何故かアメリカ人やドイツ人が急に親しくなります。外国人を安心させ、外国生活を幸多いものにするには宗教のことを、浅くても広く知っていることが大変重要と理解出来ました。

もしイスラム教の国に住めば、イスラム教の事を知って置く事が重要になります。

宗教の事を理解し、住んで居る所にの人々の宗教に関心を持ち、敬意を表するのです。

それは外国の人々と深い信頼関係を築けます。その結果、生活が楽しく、幸多いものになります。したがって外国生活で重要な条件に宗教の事を広く知っておくことが重要なのです。

しかしそれは個人的な問題にとどまるものではありません。国家間の平和維持の為に大きな力になるのです。宗教の違いが理由で勃発する不幸な戦争の防止になるのです。誰でも戦争は厭です。宗教が戦争の火だねにならないような効果が期待できるのです。少なくとも私はそのように信じています。

そんな理由でこのブログでは佛教やキリスト教、そしてイスラム教に関する記事を数多く掲載して来ました。その中から佛教とキリスト教に関する5つの記事の題目を下に示します。クリックするとその記事が読めますので、ご参照下さい。

日本が世界に誇れるのは仏教文化

仏教の常識(3)お釈迦様の教え・・・色即是空・空即是色

法然と親鸞の名前は知っているが教えは知らない

教養としてのキリスト教(1)旧教と新教の違い

教養としてのキリスト教(18)あまりにも人間的なイエスのこと

今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。藤山杜人

(下の写真は挿絵代わりによくある佛教的風景をお送りしましたものです)

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