山形県手をつなぐ育成会 日々徒然なること

育成会の事、関係ないことも勝手につぶやきます

本人に対して謙虚であり続けることの意義

2012年09月23日 | 本人活動
 知的しょうがい者の本人活動を美作大学の学生支援者が、試行錯誤を繰り返してより良い方向付けに努力してきた。
 学生支援者が本人活動を支援することで見えてきたありようについて紹介する。
 
以下は、美作大学紀要論文からの引用(2010, Vol. 55,p.98)である。
 その第12回目。

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【引用始め】

 5.まとめと課題及び今後の展望

1)まとめと課題

 知的障害者の本人活動を当事者である参加メンバーと学生支援者が共に活動し、参加メンバーの本人活動への想いや希望を表出することができた。
 活動に参加したいという希望もあるが、「本人の会」の活動内容についての話し合いの際に、意見や希望が徐々に出てくるようになった。
 また、さまざまな状況にある参加メンバーが一同に会することで、自分以外のメンバー
の生活状況や、就労の状況等も知ることになり、そのことが、自分自身を振り返る機会にもなったようである。
 また、学生による本人活動支援は、支援者側の考えや思いを押し付けることが少なく、参加メンバーの意見が表出するまで、待ち、意見を出すまでの支援、意見の汲み取りが上手にできているようであった。
 支援経験者とは異なり、当事者とより対等な立場で支援を開始することができたようである。
 しかし、これまでの活動から、いくつかの課題が明らかになった。
 (p.98)

http://www.mimasaka.ac.jp/intro/bulletin/2010/pdf/435510091G.pdf

美作大学・美作大学短期大学部紀要 2010, Vol. 55. 91 ~ 100
知的障害者における本人活動への支援~「本人の会」立ち上げに向けて~
Supporting self-advocacy for people with intellectual disabilities:a report of establishing a self-advocacy group
薬師寺明子、杉谷 理絵*、竹内  瞳*、富澤 真菜*、新延 優子*、真壁かおる*、山本 詠美*、吉元めぐみ*
美作大学生活科学部福祉環境デザイン学科

【引用終わり】

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 学生による本人活動支援は、本人の意に沿うように努力したことが評価できる。
 本人の意見を先取りせず、本人が意見を言うまで根気強く待つ姿勢があったということである。
 支援経験者の場合は、相手を知りすぎていて本人が言うべきこと先に代弁してしまったりする。
 本人主体でなく、支援者がリードしすぎる弊害といったことも目立つ。
 ある種、学生たちは本人に対して謙虚であり続けた。
 そうしたことが効を奏した部分はある。
 (ケー)