本人活動をどのようすればうまくいくか。
それをまとめた冊子を連続して紹介している。
さくら会編集・発行「ひとりじゃない 今から本人活動をはじめよう」(2009年)
この冊子には本人活動をする上で、参考になることがたくさん書いてある。
このとおりやってみると、うまくできるのでないかと思う。
以下、紹介する。
その第22回目。
24ページ 「神奈川県本人の会 希望」(6役員~9その他)の規約から。
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【引用始め】
規約(24ページ)
6 役 員
(1)役員の種類と人数
会長(会をまとめる人)2人
副会長(会長を助ける人)3人
会計(会費や予算を扱う人、半年ごとに報告する)2人
書記(会の活動を記録する人)3人
なお、会計と書記は必要なところを支援者に手伝ってもらう。
(2)役員の決め方
10人の役員は、立候補や推薦によってみんなから出され、話し合いや
選挙によって決める。
(3)役員の任期
役員の任期は2年とする。
7 支援者の役割
(1)周囲の態度について
私たちは、特別な目で見られたり、特別な扱いを受けたくないと思っている。
しかし、現実には見下ろされたり、特別に親切にされたり、子どもあつかい
されることが多い。
そういう態度に取り囲まれていると、大人としての経験ができないし、自分に
自信が持てない。私たちが成長するためには、親や職員の態度が変わる必要が
あると思う。
(2)支援者が必要
私たちは親から自立し、支援者がボランティアの人たちとの関係でさまざまな
活動ができるようにしたい。そのためには自分のことを認め、困ったときに
助ける支援者が必要である。
(3)支援者の役割
私たちの求める支援は、困ったことを少なくする支援ではない。
困ったことを私たちが解決するときの助言や手助けである。
「困ったとき」や「支援の内容」を支援者が勝手に決めてはいけない。
それは、私たちが決めることである。
8 この規約を変えたいとき
(1)規約を変えたいときは、次の方法で話しあって変えることができる。
① 規約の見直しは、会員が出席する年1回の総会で行う。
② 会員数の2/3以上人が賛成した場合に、変更できる。
9 その他
(1)この会に入会したいが周囲の人から反対されるようなことがあるとき、
その人が求めた場合は、相談にのる活動も行う。
(2)この会の「事務局」は、県手をつなぐ育成会の理解と協力により、同会
(横浜市神奈川区沢渡4-2県社会福祉会館)に置く。
付 則
この規約は平成11年11月14日から始まる。
【引用終わり】
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「7-(1)周囲の態度について」は、社会に対するパンチ力のある発信である。
特別扱いに対するメッセージとして真摯に受けとめる必要がある。
「見下ろされたり、特別に親切にされたり、子どもあつかいされる。」ことへの忌避の態度だ。
その結果、「大人としての経験ができないし、自分に自信が持てない」と主張する。
本人たちの成長や自立のためには、「親や職員の態度」を変えてほしいと言うのだ。
問題なのは、一人前の人として認めてくれない身近な人たちがいることである。
悪気があってやっているわけでない。
親切心で行っているからなお問題である。
こうしたことに身近な人たちが気づいていないことが、本人たちの自立を妨げる。
適切な支援が必要なことは確かだ。
しかし、必要以上に支援を行いがちである。
そうした方が身近な人たちは楽だからである。
本人たちの都合より、身近な人たちの都合が優先している。
そこを変えない限り、本人たちの自立や成長を望めない。
本人ペースに合わせた支援のあり方を追求してゆくことである。
急ぐことはない。
あくまでも、本人の会はそうした趣旨の会なのである。
(ケー)