山形県手をつなぐ育成会 日々徒然なること

育成会の事、関係ないことも勝手につぶやきます

◆自己肯定感・・・

2012年09月08日 | 日記
最近ニュースでは、いじめによる自殺や自分の子を殺害してしまう
という心が痛くなるような話題が多いように感じます。

障がいのある人たちもいじめにあっている人は多いようで
今回開かれた「知的しょうがい者福祉大会」の本人分科会でも
いじめられた経験を語っていた人もおりました。

どうして人間というものは、自分より弱い人間がいることで安心するのでしょう。
弱い人間を痛めつける事で、自分という存在を確認できるということなのでしょうか。

最近の暗いニュースを聞いていたら、毎日新聞論説員の野沢和弘さんが
書かれた本の内容を思い出しました。

          

要約して書き出します。

ある中学生が電信柱にロープを掛け、首をくくって死んでいるのが見つかった。
勉強はできて、とてもやさしく弟思いのしっかりした子だったそうだ。
しかし、小学生のころからよく忘れ物をしたり、洗濯していない洋服を
何日も着ていたりしていたそうだ。
そのうちに他の子どもたちから
「くさい」「きたない」「びんぼう」といじめられるようになった。
どうして自分だけがいじめられるのか、その子は判らなかった。

だんだん成長してくると、その理由が判ってきた。
だいすきなお母さんとお父さんに軽い知的障がいがあったのだ。
その障がいのせいで、世の中の人々が、お母さんやお父さんをばかにしたり
あざ笑ったり、相手にしなかったりしていることに気づいた時
その子はどんな思いだったのだろう。
障がいのあるお父さんとお母さんから生まれてきた自分はいったい何者なのか
どうして自分は生まれてきたのか。
そのために自分がみんなからいじめられているのだとわかった日、
どこで何をすごしたのだろう。

遺書には「お父さんお母さん、ぼくをうんでくれてありがとう。
ぼくはお父さんとお母さんの子どもに生まれてきて幸せでした」
と書いてあったそうです。

世間の凍りつくような視線の前に自分の身体をなけだして
生んでくれたお父さんとお母さんを守りたかったに違いない。
そのお父さんとお母さんから生まれた自分という存在を
認めて欲しかったのかもしれない。



          


と野沢さんは書いていました。

悲しすぎる事件でした。
この中学生は、理不尽な世の中で自分の存在価値を見つける事が難しかったのかもしれません。

今のいじめの問題にしても、いじめている加害者側も自分の存在価値
というものをきちんと持てていないのではないのかな・・・
と思う事があります。
自分にも存在価値があると思え、ちゃんとした自己肯定感がある人は
人に対しても、寛容な気持ちをもてるような気がします。

中学生くらいの一番感受性が強い時代に、どうすれば自分の存在価値や
自己肯定感を感じてもらえるような指導ができるのかは、私などは解らないけれど
心が満たされていないから、自分より弱い人間を痛めつける事で
自分の存在価値を見つけようとしたり、自分の子育てに対し自信が持てなくなり
子どもの存在自体を疎ましく思うようになってしまうのではないでしょうか。

「人にやさしく」の前に、「自分を好きになる(自分に甘くでは無い)」ような教えがあれば
もう少し気持ちに余裕のある子に育つのではないのかな・・・
など、柄にもなく考えているこの頃です(F)


「ひとりじゃない 今から本人活動をはじめよう」の紹介21回目

2012年09月08日 | 本人活動
  
 本人活動をどのようすればうまくいくか。
 それをまとめた冊子を連続して紹介している。

 さくら会編集・発行「ひとりじゃない 今から本人活動をはじめよう」(2009年)

 この冊子には本人活動をする上で、参考になることがたくさん書いてある。
 このとおりやってみると、うまくできるのでないかと思う。
 以下、紹介する。
 まず、その第21回目
 24ページ 「神奈川県本人の会 希望」(1会の名前~5会費)の規約から。

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【引用始め】

 規約(24ページ)

 1 会の名前
  神奈川県本人の会 希望とする。

 
 2 会 員
  (1)会員は県内の地域の青年学級、本人の会の代表2~3人。
  (2)個人会員は、役員会(希望)で話し合って決める。
  (3)自分の意見をしっかり言えて、他の人の意見も聞ける人。
  (4)18歳以上の人。

 3 目 的
  (1)話し合いながら、友だちをつくり、みんなと協力して勉強、スポーツ、
     遊びをする。
  (2)全国の人たちと交流したり、また会のことを社会の人たちに知ってもらう
     活動をする。

 4 活動内容
  (1)活動内容は、地域の会からの要望をもとに当会の会議で決める。
  (2)たとえば、次のようなものが活動内容である。
    ① 友だちを作ったり、また趣味を広げる活動
     ※ハイキング  ※カラオケ  ※料理教室
     ※コーラス   ※ボーリング大会  ※花見会
     ※忘年会  ※新年会  ※スポーツ大会  ※工作教室
    ② 悩みを話し合う活動
     ※悩み事の相談  ※シンポジウム  ※交流会(他の地域の本人の会)
    ③ 社会に働きかける活動
     ※困った問題について社会に伝えて解決する活動
  (3)その結果は、毎年度、年間計画を立てて実施する。

 5 会 費
  活動していくための資金に会員が自分でお金を出すことにする。
  (1)会費 一ヶ月200円(年間2400円)
  (2)支払方法 1年分をまとめて払うか、半年ごとに払うかのどちらかにする。
  (3)会費の保管  銀行預金で管理する。

 以下、「6役員」~「9その他」は次に続く。
       
【引用終わり】

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 以上、「神奈川県本人の会 希望」は、「青年学級」で活動していた人たちなどを集めている。今まで、そうした集まりが活発に行われていた地域なのだろう。
 しかし、現在、全国的に「青年学級」として活動しているところは、あまり残っていない。学級そのものが自然消滅しているところが多いというのが実態。
 というのも、地域に通所できる事業所ができてきているので、あえて「青年学級」の意義が見失われてしまったのも一因である。
 しかし、今日あらたな見直しのもとに、「青年学級」の良いところを残して、「本人の会」を立ち上げるのは重要である。
 本人が中心になって「本人の会」を運営し、地域社会での積極的な主張や社会貢献を行うことは意義深い。
 (ケー)