山形県手をつなぐ育成会 日々徒然なること

育成会の事、関係ないことも勝手につぶやきます

QOLノート~相談・支援のしおり~

2013年03月25日 | 生活支援ノート
 新潟県手をつなぐ育成会が作成した「QOL(キュー・オー・エル)ノート」~相談・支援のしおり~を紹介する。
 2010年(平成22年)3月に発行した。

 B6判、46ページの小冊子である。

 目次は次のようになっている。

 A:プロフィール
   1 自己紹介
   2 本人の緊急連絡先
   3 保護者   

 B:制度・手帳のしおり
   1 手帳
   2 福祉制度・各種保険

 C:医療・健康のしおり
   1 健康保険証・介護保険証
   2 予防接種の記録
   3 病気などの記録
   4 病院
   5 薬

 D:幼少期のしおり
   1 妊娠・出産時の記録
   2 乳幼児期の記録
   3 発達の記録(乳幼児期)
   4 療育と教育の記録

 E:学齢期のしおり
   1 発達の記録(小学校入学時)
   2 発達の記録(小学校卒業時)
   3 発達の記録(中学校卒業時)
   4 発達の記録(高等学校卒業時)
   5 福祉支援の内容・変更など
   6 就労・生活の記録

 F:成人期のしおり
   1 福祉サービス利用の記録
   2 福祉サービス利用の特記事項
   3 一般就労の記録

 G:権利擁護のしおり
   1 成年後見
   2 地域生活自立支援事業
   3 支援者

 H:防災・防犯のしおり
   1 災害時の対応・避難先(連絡先)
   2 防犯の対応・支援

 I:連絡先のしおり
   1 家族・親戚
   2 友人・知人

 J:市町村の行政窓口・関係機関
   1 市町村
   2 関係機関

 K:本人の願い

 L:自由記入欄

 さらに、表紙をひらくと、このノートの趣旨が次のように6項目記載されている。

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 「QOL(キュー・オー・エル)ノート」~相談・支援のしおり~

○ このノートは、障がいのある人の生育・教育・療育・健康・特性・生活実態などについての記録です。

○ “QOL”は“Quality Of Life”(クオリティ オブ ライフ)の省略です。「クオリティ」は「質」、「ライフ」は「生命・生活・生涯」のことで、全体で「生命・生活・生涯の質」を意味します。障がいのある本人とその家族が、社会システムとサービスを適切に利用し、“QOL”(生命・生活・生涯の質)の向上につながるようにとの思いをもって作成されたノートです。

○ このノートは、ご家族または支援者(関係者)の方が記入してください。内容の変更や新規の事柄はそのつど記入してください。

○ 新たに保健・医療・教育・福祉サービスなどを受ける際は、このノートを持参し、必要に応じて医師または教育関係者やサービス事業者などに見せてください。

○ 21世紀の時代的要請は、「ロハス」(健康で持続可能な生活様式)です。障がいのある本人が、親なき後も安心・安全・安定の日常生活を継続するためにも、このノートを活用してください。万一の災害や犯罪への対応等にも一助となります。

○ 新潟県内だけでなく、全国各地で、同じようなノート・記録帳が作成されています。国内の旅行や転居にも有効です。

2010年(平成22年)3月
社団法人 新潟県手をつなぐ育成会

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 本人にとってQOLの向上に役立つノートにしたいとの願いで作成されたことがわかる。
 本人の状況が把握できるので、支援者にとって親や本人に何かあった時に、参考になる。
 支援者が理解しやすい記入の仕方を工夫することも大事である。
 (ケー)

山形市育成会版「生活支援ノート」

2013年03月24日 | 生活支援ノート
山形市手をつなぐ育成会が発行した「生活支援ノート」がある。
 B6判、26ページの小冊子。
 いつでもハンドバッグに入れて持ち歩くことができる。
 医者の問診や公的機関の相談において、備忘録として活用できる。
 
 目次は次のようになっている。

 はじめに
 氏名・住所等
 保護者、兄弟姉妹・同配偶者
 出生時の状態
 予防接種の記録
 保険種別
 かかりつけの医院
 既往歴
 常用薬品の記録
 療育・教育の記録
 卒業後の記録
 発達の記録
 年金・手当等 預貯金・債券等
 生計
 保護者が死亡したときの対応について
 保護者が死亡したときのの遺産相続の考えかた
 保護者の訃報連絡先
 その他(記録し伝えたいこと)
 公的相談機関

 各項目に記入する内容は、抵抗なくできそうだ。
 記入する分量もそんなに多いわけでない。
 一気に書き上げようとしないで、気の向いたとき必要に応じて書き加えていけば、記入する項目をうめることは可能である。

 本ノートの「はじめに」7つのことが記されている。

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 ◎ この手帳は、障害のあるお子さんが、一生涯をより良く生きるためにつくられた手帳です。

 ◎ この手帳は、これまでのお子さんの健康や発達の状態を記録することにより、今後、大切な情報となります。

 ◎ この手帳は、今後あなたのお子さんへの願いを支援してくださる関係者に具体的に伝える情報になります。

 ◎ この手帳は、今日現在で記載し、状況が変わったときには新しい情報に書き換えておくようにしましょう。

 ◎ この手帳は、多くの方が使用して下さることを想定し作成されました。あなたにとってあてはまらない内容は空欄にし、足りない場合は別紙を添付したり、予備欄を利用してください。

 ◎ この手帳のことを最も身近な人に保管場所を知らせておきましょう。

 ◎ この手帳についてわからないことは、山形市手をつなぐ育成会事務局にお聞き下さい。

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 本ノートは障がいのある子どもが支援を受けるにあたって役立つ情報を提供することを強調している。
 自分の子どもがより良き支援が今も、これからも受けられるようにする手立てを明確にするツールでもある。
 (ケー)
 

オホーツク版「親心の記録」活用術

2013年03月23日 | 生活支援ノート
 山形版「親子をつなぐノート」(親亡き後に備えて)を作成しようとのきっかけは、オホーツク版「親心の記録」をみたからである。
 えがおときずな実行委員会(特定非営利活動法人 網走市手をつなぐ育成会)が編集した冊子である。
 タイトル ~大切な人のために残す~オホーツク版「親心の記録」。
 32頁構成になっている。
 30穴のプラスチックバインダー(白色)によって綴じてある。
 厚紙にカラー刷りの印刷だ。
 目次は次のとおり。

 1.基本事項
 2.健康管理・通院
 3.本人(障がい者)の特性・属性情報
 4.年金・手当・健康保険等
 5.福祉サービス利用
 6.財産と相続の考えかた(本人・親)
 7.「親なき後」の親の願い
 8.つながり・支援の輪
 9.思い出のページ

 写真をはる空白ページ、自分なりに記入できる空白ページも設けている。

 そして、オホーツク版の最大の特色は、「手引き」を付録としていることである。
 A5の15頁で構成されている。
 懇切ていねいに書き方の解説が記述されたものだ。
 さらに、このために要望に応じて各地域で「研修会」を開催している。
 オホーツク版「親心の記録」ツールを徹底的に活用する手立ての実施である。
 「手引き」を付けるだけでなく、さらにみんなで書いてみようと「研修会」を開催しているのだ。
 ここまですれば、100%活用できないが、60%ぐらいは活用できるようになるのでないか。
 ツールを配布して了とするのでなく、最低限項目に記入するところまで責任持って実施している。
 記入しなければ宝の持ち腐れになってしまう。
 作成委員はそうならないように、記入してもらうところまでお手伝いをしている。
 せっかく作った「親心の記録」にみんなが記入して、今の福祉サービスの問題に気付き、子どもの将来に真剣に向き合うことができるに違いない。
 そして、地域の育成会運動がより一層盛り上がる力になるはずだ。
 (ケー)
 

名古屋育成会版「エンディングノート」

2013年03月22日 | 生活支援ノート
 社会福祉法人 名古屋手をつなぐ育成会 くらす・まもる部会編集「エンディングノート」は、30頁だてのものだ。
 各記入項目がクリアファイルに入って綴じられている。
 目次は次の20項目で構成されている。

 ○ 私のこと
 ○ 私の歴史
 ○ 私の家族
 ○ 私の健康について
 ○ 将来の健康のこと/もしもの時
 ○ 私の家系図
 ○ 親族の連絡先
 ○ 友人・知人の連絡先
 ○ 財産のこと
 ○ 保険・負債のこと
 ○ 葬儀について
 ○ お墓・法事について
 ○ ペットについての希望
 ○ 携帯電話・パソコンなどの処理

 ○ 知的障害を持った子どもについて
 ○ 子どもの特性
 ○ 子どもの履歴書
 ○ 子どもの生計・財産について
 ○ 親亡き後の親の願い
 ○ お気に入りの写真

 親としての過去と現在が一望できるようになっている。
 次に託す事柄を過不足なく伝えられる項目が網羅されている。
 山形版「親子をつなぐノート」(親亡き後に備えて)を作成する際は、上記の内容を参考にする必要がある。
 (ケー)

山形版「親子をつなぐノート」で育成会運動に活を

2013年03月21日 | 生活支援ノート
 育成会会員の親たちの5割以上が60歳以上と高齢化している。
 県内の支部によっては8~9割以上のところもある。
 その子どもたちも40歳以上となっている。
 そうした実情により、子どもたちの「親亡き後」の心配はつきない。

 親が元気なうちに子どもが安心して生活できるプランをねっておくことである。
 今の状況で可能な福祉サービスを活用しておくことも大事である。
 親として、明確な視点をもって今後どうできるのか、あるいはどうすべきか検討する。
 その手助けになるものとして、山形版「親子をつなぐノート」(親亡き後に備えて)を作成する。
 今どんな心配事があるのか。
 それを記入しておくノートである。
 記入した内容について、どのような福祉サービスが今使えるのか。
 まだ、そうしたサービスがなければ、サービスが可能になるよう各方面にお願いする。
 みんなと相談してサービス実現に向けて運動する。
 ムリ・ムリと考えていることでも、協力してくれるサービス機関もある。
 さらに、そうしたサービスも必要なんだと、行政や福祉機関を動かすこともできる。
 そういう意味でも、山形版「親子をつなぐノート」(親亡き後に備えて)は、育成会運動にあらたな息吹きをふきこむ手立てにならないものだろうか。
 (ケー)

 

育成会版エンディングノート企画中

2013年03月20日 | 生活支援ノート
 「親子をつなぐノート」(親亡き後に備えて)という山形市手をつなぐ育成会版のエンディングノートを企画中である。

 当育成会においては「生活支援ノート」を平成21年に作成している。
 子どもの生活暦等が記入できるようにしたものである。
 子どもの育ちをふりかえり、医療・福祉・教育機関等とのかかわりにおいて、対応してきた内容の確認には、役立つ資料となっている。
 どちらかというと、過去の出来事を中心に記入する項目が多くなる。
 親と子の関係がどうであったか、社会のどんな人や施設とかかわりもってきたかがわかる。
 その備忘録として活用されている。
 ただ、一度書いてしまうと新たに書き足したり、書き直して訂正するなどあまり行われていない。

 常に見直して子どもの生活に今後必要なことがあきらになるようにしておけば親としても安心である。
 親亡き後を想定して、子どもの生活がこうあって欲しいと、信頼すべき人たちにお願いするものである。
 そうしたことをふまえた改訂版を作成する予定である。
 平成21年版「生活支援ノート」がどのように活用されてきたかを把握する。
 それをふまえて、改訂版をつくるとなれば、どこをどのようにすれば、もっと活用しやすいものになるか。
 さらに、親亡き後を託す内容はどんなものがいいか。
 どのような人に対して託すノートにすべきかといったを検討する必要がある。
 (ケー)
 

親子をつなぐノートづくり(親亡き後に備えて)

2013年03月19日 | 生活支援ノート
 山形市手をつなぐ育成会と、県育成会事務局が協力して、「親子をつなぐノートづくり」(親亡き後に備えて)を計画中である。
 要は、親が子どもに残すためのエンディングノートである。

 県レベル、市レベルの各育成会において、その地域特性に応じたものを作成しているところもある。
 そして、評判になってマスコミにもとりあげられている。
 例えば、オホーツク版「親心の記録」(特定非営利活動法人 網走市手をつなぐ育成会)は代表例である。
 手引きも付録として付いている。
 さらに、活用するために書き方研修も各地で実施している。
 作って終わりでなく、実際に書いて活用してもらうことで、親自身の生き方までも支援する意味合いも目指している。
 育成会運動を活性化する一つの手立てにもなりそうだ。
 網走市育成会は、若い会員が多いとのこと。
 山形県内の育成会からみると、うらやましい限りだ。

 さて、そうした先進地域に見習って、山形版「親子をつなぐノートづくり」(親亡き後に備えて)を作成するための資金を得る手立てを考えた。
 そこで、山形県がNPO法人等に対する支援をしている「平成25年度やまがた社会貢献基金協働助成事業」に応募し助成基金を得ようとしている。
 昨日、平成25年3月18日(月)、「平成25年度やまがた社会貢献基金協働助成事業」公開プレゼンテーション審査が行われた。
 場所は、山形県産業創造支援センター(山形市松栄1-3-8)において。
 32件の事業提案があった。
 育成会が企画提案した「親子をつなぐノートづくり」(親亡き後に備えて)は、18番目のプレゼンであった。
 4分間の説明、質問も1つあった。
 その質問は、「ノートを一般にも広げるにはどうするか?」ということだった。
 もちろん、原則会員を主とすること。ただし、未加入の若い会員にもノートを理解してもらい、それをきっかけに会員となるきっかけにしたいと、答えた。

 さて、審査結果は今月中にわかる。
 採択されるのは3分の1ぐらいだろう。
 うまくいくといいのだが。
 (ケー)


◆生活支援ノート(青森県育成会)

2011年11月08日 | 生活支援ノート
秋も深まってきました

事務局の前の公園も落ち葉で彩られています


いつもお世話になっております青森県育成会さん
から出来たての生活支援ノートを送っていただきました

この生活支援ノートは、障害のあるご本人の
健康・育ち・生活実態・特性等を記録し、
ご本人が現在から将来にわたり、
住み慣れた地域で、より適正な支援を受け、
安全で安心な生活を送ることができるように、
引き継ぎの手助けに
役立てていただくものです。


全国でも生活支援ノートを作成している所が増えてきました。
山形県では、山形市手をつなぐ育成会が2年前に「生活支援ノート」を作成しています。
他の支部育成会で、もしこのような計画や動きがありましたらご連絡をお願いいたします。

◆わたしの記録(神奈川県)

2011年08月22日 | 生活支援ノート
神奈川県手をつなぐ育成会さんが、生活支援ノート『わたしの記録』を作成いたしました。



このノートは・・・
いろいろな状況の人が利用することを想定しています

全体を通して年齢を追った構成になっています

20歳で法律上の親権が切れることを意識して作っています

このノートは2穴のファイル形式で、必要なものを挟み込んだり取り出したり出来るようになっています。

事務局に一冊送っていただいておりますので、興味のある方はご連絡ください。

一般社団法人 山形県手をつなぐ育成会
TEL:023-623-6572 FAX:023-623-6571

八百長と携帯と生活支援ノート

2011年02月21日 | 生活支援ノート
 一見関係のなさそうな
 三題噺http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E9%A1%8C%E5%99%BA
をする。

 立命館大学、望月昭氏ブログ「対人援助学のすすめ(別名:日々是新鮮)」
 http://d.hatena.ne.jp/marumo55/
に次のような記述がある。

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【引用始め】

1 八百長の証拠になった携帯メイル

 大相撲の八百長が問題になってますけど、今回ついに本場所中止にまでなった文字通りの「決め手」は、携帯メイルという証拠ですよね。
 
 これまでも八百長の問題は何度も何度も取りざたされてきたのに、いつもうやむやで終わってしまったのは、結局、八百長の「交渉」が、生身の人が走り回って耳打ちしていたという「揮発モード」だったのに対して、今回は「残存性」こそが命の、メイルという不揮発なモードでそのプロセスが残っていたからですよね。

2 情報の可視化・保存の重要性

 「不揮発な何かに残す」ということの重大な意味は、相撲の八百長の当事者にはさぞかし「残すんじゃなかった」という後悔先に立たずの話ですが、「個別の支援教育プラン」などに代表されるような、生徒の「できる」記録も、なぜにそれを他の人にも読める・見えるかたちで保存するのが重要なのか、ということも、今回の事件の表現モードの特質からも知れようというものです。

 八百長という例えは悪いのですが、「暗黙知からナレッジ(知識)に」という情報を公共的に可視化・保存することの重要性が、事の重大性という点では全く共通の問題です。

 厚労省に依頼されて、「連携」や「情報移行」の現状やシステムの実例を全国調査しているのですが、「ケース会議を開いてます」「随時、先生が集まって相談します」っていうやりかたの連携や情報共有では、揮発モードで終わっちゃう場合があるんですよね。その人たちが一生連携していけばよいかも知れませんが、異動しちゃったら、もうそこで揮発(消滅)しちゃうわけです。

3 記録保存されないと、当事者のキャリアアップできない

 なるほどそれじゃ次の担当者や移行先の支援者は困るよね、だから記録が大切だな、ってそのあたりで納得しちゃうこともあるんですが、それだけじゃないんですよね。

 もうちょっと本質的なことは、不揮発なもの(記録)として残されないと、障がい者という当事者がその時点でも将来的にもキャリアアップのためにそれに自身が関わりハンドル(自発的利用が)できる「ポートフォリオ」(記録集)として使えない、ということがもっとも問題なわけすよね。

 今回の大相撲では不揮発モードで八百長の「てだて」まで残っちゃった力士は、キャリアアップどころか廃業でしょうけどね。ま、それほどまでに不揮発モードは個人のキャリアに大きく影響を及ぼすというお話ですね。

【引用終わり】

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 以上、大相撲の八百長が携帯メイルに残っていたため大騒ぎになっている。
 記録を残すことは事ほどさように大変なことである。
 障がい者の事業所では、個別の支援計画を作成することが義務化されている。
 それは、一人一人の障がい者が「最善の利益を得る」ため、その記録を積み上げていくというねらいがある。
 学校においては、個別の指導計画の作成が義務付けられていて、かなり緻密な内容のものが毎学期、毎年度、本人により適合するように修整しながら作成されている。
 また、中長期的な個別の教育支援計画も同様に作成されている。
 そして、各地域の育成会では、保護者の手によって「生活支援ノート」〈山形市手をつなぐ育成会でも独自のものを作成〉のフォーマットが作成されている。
 知的障がい者の生育歴はじめ、地域生活を送る上で必要とする関連情報を書き込めるようになっている。
 しかし、こうしたノートの活用は十分広まっていない。
 必要性を感じても実行するまで面倒で、続かないのが実情である。
 ある程度の時間と分量が蓄積されないと、役立っている実感が生じないからである。
 「生活支援ノート」に保護者が少しずつ書きためていくことで、時間の経過と共にかつての子どもの様子を振り返ると、確実に子どもの変化が見えてくる。
 それがまた「生活支援ノート」の活用を一層促すといったことにつながってくる。
 障がいのある本人にとって、日常生活で必要とすることが見えるようにするためにも、「生活支援ノート」に記録していくことは重要である。
 携帯メイルといった不揮発性の機能によって、消去(揮発性)できない記録を残すことの現代的意義を上記の望月昭氏は評価している。
 そう考えると、障がいのある本人たちが「最善の利益を得る」生活ができるようにするには、一つの手立てとして「生活支援ノート」の普及・活用を、もっと訴えていく必要がある。(ケー)