山形県手をつなぐ育成会 日々徒然なること

育成会の事、関係ないことも勝手につぶやきます

107歳で大往生、障害児教育学者の昇地三郎氏

2013年12月04日 | リーダーシップ
 107歳という長寿を生きぬいた教育学者がいた。障害児教育に一生を捧げた福岡教育大学名誉教授だった人である。
 養護学校のさきがけと言える「しいのみ学園」(福岡市)の創立者である。
 昇地三郎氏をご存じだろうか。昇地氏には脳性マヒの子息が二人いた。

 以下、コラム【産経抄】より引用する。

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【引用始め】

【産経抄】なすべきことはすべてした 12月2日(2013.12.2 03:43)

 兄弟は毎朝、障子の穴から通学する子供たちをうらやましそうに眺めていた。
 2人はともに、脳性小児まひだった。兄の有道さんは、学校でひどいいじめに遭い、中学2年で退学を余儀なくされる。
 弟の照彦さんは、小学校に入学すらできなかった。

 ▼当時、福岡学芸大学(現・福岡教育大)で心理学を教えていた父親の昇地(しょうち)三郎さんは、2人の姿を見ていて決意する。
 「自分で学校を作るしかない」。昭和29年、私財を投じて福岡市内に設立したのが、福祉施設「しいのみ学園」だ。

 ▼照彦さんを含めた12人が、最初の入園者となった。有道さんは、職員を志願する。小学校に通っていたとき、有道さんを抱いて鐘をたたかせてくれた、「小使さん」が念頭にあった。開園式で有道さんは、「小使」の肩書の入った名刺を、来賓の県知事らに堂々と差し出していた。
 妻の露子さんは、わが子の成長ぶりを涙を拭きながら見守っていたという。

 ▼「父ちゃんありがとう」という言葉を残して、有道さんは39歳で亡くなった。
 平成9年には露子さん、14年には照彦さん、翌年には兄や弟の面倒を見てくれ、いずれ園長を任せるつもりだった長女の邦子さんにも先立たれる。
 昇地さんは、96歳で家族のすべてを失った。

 ▼「『なすべきことはすべてした』という気持ちで、彼ら、彼女らを見送ってきた」と著書に書いている。
 昇地さんは悲しみに浸る間もなく、障害児教育について、講演に力を注ぎ、世界中を飛び回った。

 ▼100歳を超えてからは、長寿がテーマになることも多くなった。
 昇地さんの訃報が先週届いた。107歳の大往生である。
 3年後に横浜で開かれる「国際心理学会」で、「黒田節」を披露するのを楽しみにしていたそうだ。

【引用終わり】

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 100歳超えてから世界一周の講演して歩く学者として、ギネスにまで登録されているのだという。
 最後まで情熱が衰えず、教材教具を5000種も作成してきたというから感服するばかりだ。
 そして、昇地氏はいくつもの名言を残している。体験から出た言葉である。以下、引用する。

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【引用始め】

” 昇地三郎 ” の名言一覧(5件)

○ つらい出来事を通してしか知り得ないこと、感じ得ない幸福が必ずあります。

○ 暗闇の中でそっと輝く、その「小さな光」に目を向けられる、心の強さをぜひとも持ってほしい。

○ 科学に限界はあるが、愛情には限界はない。

○ オシャレをしなくなった日から老いが始まる。

○ 降りかかってきた禍を『困った、困った』と逃げ回っていると、どこまでも追い掛けてくる。それを、試練と捉えて「来るなら来い」と立ち向かっていけば、禍が逆に幸福の種になるのです。

http://kotovasky.com/maxim-tag/%E6%98%87%E5%9C%B0%E4%B8%89”

コトバダイスキKOTOVASKYコトバスキー

【引用終わり】

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 障害児教育のパイオニアとして、幾多の困難をくぐり抜けたからこそ発する言葉である。

◆リーダーシップセミナー

2012年02月22日 | リーダーシップ
全日本手をつなぐ育成会主催
リーダーシップセミナーに参加してきました



会場は雪のない仙台市
昨年東北ブロックの事務局員会議で行った同じビルでしたので
今回は余裕で会場までいけました


今回は東日本が対象になっているセミナーで
参加は13県からあったと報告がありました
山形からは私だけかと思っていましたら、
鶴岡親の会の橋本会長も参加されていました。

宮城県は開催県ですので、一般の会員の方の参加も
あったようですが、他の県からは会長さんや役員
の方が多かったような感じがしました。


田中正博常務理事

北原理事長と宮武事務局長は、急きょ他の用事ができ
全日本の本部に戻られたという事で、田中常務理事が
司会進行と基調報告を担当されておりました。


久保厚子副理事長


昨年の事務局員会議の時に講師としておいでくださいました
とっても穏やかで優しいかたです。
この方が地元で理事長をしていらっしゃる施設の職員さんを、
昨年被災地支援で宮城県に派遣していただいたそうですが、
本当によく教育されていた職員さんたちだったそうで、こんなに
素晴らしい職員さんは、おそらく宮城県内にはいないのではないか
と評判だったそうです。


内容はあまりにも盛りだくさんで、ブログには書ききれません
ざっくりという事で・・・
それでも、かなりの量になるかな~

未だに(仮称)総合福祉法と、仮称となっていますが
結局は、改正、改正でやって来た自立支援法を全て廃止にする
事はできない。との事で、名前も決定出来ないようでした。

中身に関しても現在問題になっている部分を、どこがどう問題なのかを
洗い出し、改良していくような方向で行くしかないという事で、
結局のところ自立支援法がベースにはなるようでした。


午後からの(写真がない)講演は、一昨年に山形県の
知的障害者相談員研修の時においでいただきました
埼玉県相談支援専門員の菊本 圭一氏でした。

菊本さんは、被災地支援のために何度も石巻などに
足を運ばれていたようですが、とうとう仙台市にアパートを
借り、週4日は仙台市から石巻に通い、相談支援事業所をつくり
障がいのある方の支援をするという事で、2年間は単身赴任生活
をすることにしたという事でした。

菊本さんの紹介が長くなりました・・・

相談支援専門員の立場からの発言として
施設の旅行で食べたジンギスカン料理をたとえ話にしながら
わかりやすく話して下さいました。

来年度から、サービス利用計画を立てる事になるが、
同じ道具、同じ材料を使っても、作る人(専門員)によって
違う計画になってしまうことが考えられる。
専門員の質も上げていかなければならない。
とおっしゃっていたことが印象に残っています。

長くなってきましたので、今回はこのくらいで(F)

育成会活動の中でのリーダーとは20回目(最終回)~育成会運動永遠なり

2010年12月31日 | リーダーシップ
 次のようなリーダーシップセミナー「育成会活動の中でのリーダーとは」20回目の報告です。
 本講演の最終報告です。

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○ 第4回全日本手をつなぐ育成会リーダーシップセミナー
○ 日時=2010年11月16日(火)
○ 会場=日本財団(東京都港区赤坂)2階会議室
○ 主催=社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会
○ テーマ「ステップアップする育成会」
○ 第1部 基調講演「育成会活動の中でのリーダーとは」(13:35~14:35)
○ 副島宏克氏(全日本手をつなぐ育成会理事長)
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【講演内容】

 「育成活動の職務をやり抜く」

 副島宏克全日本手をつなぐ育成会理事長は、「育成会運動をもり立てリーダーの職務を全うするこそ、目的実現を図ることになる」として、次のように述べる。

1 「『知的障害のある人とその家族の幸せ』を願うこの育成会運動は、永遠に続いていくものです。」  

2 「その中にあって理事は名誉職ではありません。」

3 「三役執行部もそのとおりです。」 

4 「皆と共に汗を流し、動き、それぞれがリーダーとなり、目的実現のため与えられた期間全力を尽くすことです。」  

5 「それがリーダーであることを理解していただき、一緒になって育成会活動をやり抜いていただきたいと思います。」  


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 以上、知的障害者本人と家族の福祉向上を図り、共生社会づくりを目指す育成会運動にとって、会員一堂の意思をまとめ、課題解決に果敢に取り組むリーダーがいてこそ、育成会はステップアップする。
 それは、リーダーがはじめからすばらしい人でなくてもいい。
 会員の中で相互交流を積極的に行い、切磋琢磨することで、自分たちの求めるリーダーが育ってくる。
 まず前向きに肯定的に物事をとらえ、フットワークのいい人、そして発信力のある人こそ育成会のリーダーとして望ましい。

 副島理事長による講演の概要を、セミナーで配布された資料に基づいて20回にわたって述べてきました。
 今までの話を参考にして、育成会活動が各地域でもっともっと活発化するヒントにして下さい。
 そのためには、今できることから1つずつ進めるしかありません。
 明確な課題をもって取り組むことです。
 一人で愚痴っても物事の解決につながりません。
 考えたり、思っているだけでは現実は変わりません。
 一歩前に自ら歩を進めることです。

 事務局で年始明け直ぐに取り組むのは、「平成22年度手をつなぐ育成会東北ブロック協議会」(2/24木~25金、山形国際ホテル)の開催に向けて、各東北地区育成会へ通知を発送することです。
 本協議会では、来年度、山形市で開催する「第51回手をつなぐ育成会東北ブロック大会・(併催)第23回山形県知的障がい者福祉大会」(平成23年10月15日~16日、山形国際ホテル)の検討を行います。
 来年は、本大会開催で多忙な1年になりそうです。
 皆さん、来年(平成23年、西暦2011年、卯年)もよい年でありますように。 

 (ケー)

 本シリーズは、本日で最終報告となります。

 

育成会活動の中でのリーダーとは19回目~因島であいの家の地域貢献

2010年12月30日 | リーダーシップ
 次のようなリーダーシップセミナー「育成会活動の中でのリーダーとは」19回目の報告です。

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○ 第4回全日本手をつなぐ育成会リーダーシップセミナー
○ 日時=2010年11月16日(火)
○ 会場=日本財団(東京都港区赤坂)2階会議室
○ 主催=社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会
○ テーマ「ステップアップする育成会」
○ 第1部 基調講演「育成会活動の中でのリーダーとは」(13:35~14:35)
○ 副島宏克氏(全日本手をつなぐ育成会理事長)
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【講演内容】

 「因島であいの家における地域貢献」

 副島宏克全日本手をつなぐ育成会理事長は、「因島であいの家で知的障害者が作業を通じて地域貢献活動」について、次のように述べる。

1 「因島であいの家では、地域の中に仕事場を持ち、作業で地域貢献する姿を通して、地域の方に理解していただく取り組みをしている。」  

2 「因島であいの家で取り組んでいる仕事は、全部が外作業、すなわち地域の中で仕事をします。」

3 「本人たちが堂々と地域の中で仕事をする姿を見てもらい、知的障害者は何もできない人、無能な人という今までの間違った見方を改めていただく取り組みです。」 

4 「仕事は、公園・港・公衆便所・公民館等の清掃委託業務です。」  

5 「地域住民がいつも使用する場所がいつもきれいになっている。」  

6 「誰が掃除しているのか聞いてみると障害のある人たちです。」

7 「今まで役に立たないと思っていたのに、こんなに地域のために役に立っている。」

8 「この仕事をすることで『ありがとう』『ご苦労さん』という言葉が返ってきて、本人たちは地域の1人として認められているという実感を味わっています。」

9 「さらに、地域で問題になっているゴミ問題にも取り組んでいます。」 

10 「特に、家庭・特養・老健・ホテル等から出てくる『生ゴミ』を肥料に再生し、資源の有効活用を仕事に取り入れました。」

11 「これも地域での社会貢献の仕事です。」 

12 「私たちの、この取り組みは生ゴミを小さな粒状の乾燥した肥料に作り替えてしまいます。」

13 「今ではこの取り組みは、市民を巻き込んだ地域での取り組みへと広がっていっています。」

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 以上、因島であいの家では、清掃委託業務は競争入札でとったものだという。
 地域のゴミ問題に対しても、生ゴミを乾燥肥料に変えるといった試みによって、地域環境問題に一石を投じている。
 地域に根づき、地域の信頼を得て、地域の協力も得ながら、地域貢献をすることが大切である。
 それには、知的障害者の特性を十分理解し、地域とのつながりを深められるようにしたい。イベント的なつながりだけでなく、恒常的にどうつながりをつけていくかが課題とも言える。
 (ケー)

 (20回目に続く)

育成会活動の中でのリーダーとは18回目~こだわりの強さに慣れる~

2010年12月28日 | リーダーシップ
 次のようなリーダーシップセミナー「育成会活動の中でのリーダーとは」18回目の報告です。

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○ 第4回全日本手をつなぐ育成会リーダーシップセミナー
○ 日時=2010年11月16日(火)
○ 会場=日本財団(東京都港区赤坂)2階会議室
○ 主催=社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会
○ テーマ「ステップアップする育成会」
○ 第1部 基調講演「育成会活動の中でのリーダーとは」(13:35~14:35)
○ 副島宏克氏(全日本手をつなぐ育成会理事長)
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【講演内容】

 「地域の理解を得る実践」

 副島宏克全日本手をつなぐ育成会理事長は、「バス利用している本人たちのトラブル解決に、地域の理解を得るのにどのようにしてきたか」、次のように述べる。

1 「障害のある人、特に自閉的傾向のある人など、こだわりの強い人はバスの中でいろいろトラブルを発生させます。」  

2 「まず、乗車すると自分の席を決めている人の場合は、その席に他人が座っていると、その人をどけて自分が座ります。どかされた人は腹を立て、バス会社まで怒鳴り込んで行きます。」

3 「バス会社からわれわれの所へバス利用を止めてくれるよう苦情が入っているのです。」 

4 「私たちはその度にバス会社に行って謝り、この人たちのこだわりを説明します。」  

5 「時にはそのときの苦情を言われた方の所まで出向き、謝り説明をします。」  

6 「そして、本人の行為はわざとではなく、こだわりなのだということを説明します。」

7 「このようにして、この人たちと一緒にバスに乗ることに慣れていただくのです。」

8 「その結果、気持ちよく席を譲ってもらったり、本人の大きな朝の挨拶に気持ちよく答えていただけるようになったのです。」

9 「それ以上に、乗務員の方が、ひきつけ・ケイレンを起こす本人たちに慣れてくださるようになりました。」 

10 「いつも降りるバス停で本人が降りないので、気になり後部座席をみると、本人がケイレンを起こし気を失っている、すぐさま乗務員は救急車を呼び、本人を病院へ運ぶ手配をした後、バス会社から私どもの施設にその旨の連絡が入る、そんな気持ち良い対応をして下さるようになりました。」

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 以上、自閉症の特性「こだわり」をいくら言葉で説明しても、簡単には理解してもらえない。ケイレン発作だって、実際場面をみて本当の怖さを実感できる。
 一つ一つ障がい特性を地域において包み隠していては、地域の人たちの理解は進まない。
 できるだけ問題が生じない事前の対策は必要である。
 しかし、予期しないトラブルが生じないとも限らない。
 そんな場合、事後対策としてそうしたトラブルが生じたことの本質を、地域の人たちにていねいに説明することで、誤解を解くことができる。
 そして、もし再びトラブルが生じたときには、地域の人たちの協力も得やすくなる。
 障がい者理解をもっともっと進めるには、地域と障がい者のつながりを広げる機会を、時間をかけて積み上げていくことだろう。
 (ケー)

 (19回目に続く)

育成会活動の中でのリーダーとは17回目~地域の人が障害者の名前を知っている~

2010年12月25日 | リーダーシップ
 次のようなリーダーシップセミナー「育成会活動の中でのリーダーとは」17回目の報告です。

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○ 第4回全日本手をつなぐ育成会リーダーシップセミナー
○ 日時=2010年11月16日(火)
○ 会場=日本財団(東京都港区赤坂)2階会議室
○ 主催=社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会
○ テーマ「ステップアップする育成会」
○ 第1部 基調講演「育成会活動の中でのリーダーとは」(13:35~14:35)
○ 副島宏克氏(全日本手をつなぐ育成会理事長)
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【講演内容】

 「地域の人が本人の固有名詞をどれだけ知っているか」

 副島宏克全日本手をつなぐ育成会理事長は、「障害者の1%しか社会に巣立っていない問題を打ち破るには、地域の中で地域の人たちからの理解を得ることだ」と、次のように述べる。

1 「地域の人々が障害者と共に生活する社会に慣れてもらうことが大切であり、さらにその本人を知る人が地域にどれだけいるかが大切な要素となります。」  

2 「これまでは、障害のある人が地域社会の生活に慣れるために、施設等で社会適応訓練等を受け、厳しいトレーニングをさせられました。」

3 「しかし、その結果ほんのわずかの人たち、約1%の人しか社会へ巣立つことができていません。」 

4 「この約1%という割合はここ数年少しも変わっていません。」  

5 「ということは、このやり方は間違っていたと言わざるを得ません。」  

6 「限られた場所で、限られた人との対応で、しかも高いハードルを越えなければ地域社会へ出て行けないという訓練の仕方は間違っているのではないでしょうか。」

7 「そうではなく、障害のある人がそのままの姿で地域で生活する、すなわち障害のある人と共に生活する社会こそが本当の社会であり、自然な社会であることに気づいていただく、そして、その社会に地域の人に慣れていただくという取り組みが真の取り組みであると思います。」

8 「だから、障害のある本人を知る人がたくさんいることが大切で、それも本人を固有名詞で知ることが重要です。」

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 以上、共生社会をめざすといっても、特別なことをやる必要がない。
 地域の中で、障害者が地域の人たちと共にありのままに生活できるようにすることだ。
 りっぱな施設がなければならないとか、そこで特別な指導を受けなければならないとかということでない。
 家族と共に、必要に応じて適切なサービスや援助を受けられるような、地域社会があって地域の人たちも障害者本人のことを、氏名も含めてよく理解してくれていることである。
 地域内の障害者受容には、育成会活動を活発にし、その存在を積極的にアッピールすることも求められる。
 また、地域内にある障害者施設を開かれたものにしていくことは、現在いろいろなところで実施されている。
 施設側も地域に貢献するには、積極的に出かけていき協力することも大切であろう。
 地域の人たちから、障害者本人たちを名前で呼んでもらえるくらいになれば、共生関係が相当のレベルになった証拠と言える。
 (ケー)

 (18回目に続く)

育成会活動の中でのリーダーとは16回目~生活への援助~

2010年12月23日 | リーダーシップ
 次のようなリーダーシップセミナー「育成会活動の中でのリーダーとは」16回目の報告です。

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○ 第4回全日本手をつなぐ育成会リーダーシップセミナー
○ 日時=2010年11月16日(火)
○ 会場=日本財団(東京都港区赤坂)2階会議室
○ 主催=社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会
○ テーマ「ステップアップする育成会」
○ 第1部 基調講演「育成会活動の中でのリーダーとは」(13:35~14:35)
○ 副島宏克氏(全日本手をつなぐ育成会理事長)
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【講演内容】

 「できない部分への援助」

 副島宏克全日本手をつなぐ育成会理事長は、「本人ペースによる援助のあり方に関する重要性について」次のように述べる。

1 「援助は、できない部分への援助でよく、時にはちょっとした支えで充分です。」  

2 「本人のペースで物事をやってもらうことです。」

3 「しかし、入所施設や家庭では、本人とゆっくり付き合い、本人が自分でやり満足することよりも、早く終えて次に進みたいために、本人ができることもできないことも関係なく、周りの人がやってしまうというのが現状で、まわりのペースに本人を乗せてしまっています。」 

4 「だから本人は何もさせてもらえません。」  

5 「これでは何もできない人間になってしまいます。」  

6 「この姿は、生きるというより生かされている人生を送っていると言わざるを得ません。」

7 「自分が生きていることを実感できる人生を味わうためには、できない部分だけの援助でよいのです。」

8 「これが生活への援助で大切なことです。」

9 「そしてその上に本人の周りに地域の人の支えがあることが大切です。」

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 以上、本人に対する援助は充分に配慮すべきである。周囲の人たちが本人のやるべきことを全てやってしまっていることが多い。
 それでいて、本人がやれないから、できないからと言い訳している。
 結局、周囲の都合が優先されている。
 時間がかかるかもしれないが、本人がやるように仕向ける必要があるのだ。
 援助の量や質は、個人によってそれぞれ異なる。
 本人の実情に即して援助の量と質は変わってくる。
 援助の量と質は、過小でもなく、過大でもなく適切にといったことを忘れてはならない。
 本人にとって、ちょうど案配いい援助の量と質である。
 これがなかなか難しい。
 それには、生活全般にわたって、本人のことをよく知っていなければならない。
 家族や支援者の援助が本人にとって適切であれば、地域の人だって、それを見よう見まねで適切なつながりや支えをしてくれるようになる可能性が高い。
 (ケー)

 (17回目に続く)

育成会活動の中でのリーダーとは15回目~適切な支援による豊かな体験~

2010年12月21日 | リーダーシップ
 先日受講した、次のようなリーダーシップセミナー「育成会活動の中でのリーダーとは」15回目の報告です。

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○ 第4回全日本手をつなぐ育成会リーダーシップセミナー
○ 日時=2010年11月16日(火)
○ 会場=日本財団(東京都港区赤坂)2階会議室
○ 主催=社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会
○ テーマ「ステップアップする育成会」
○ 第1部 基調講演「育成会活動の中でのリーダーとは」(13:35~14:35)
○ 副島宏克氏(全日本手をつなぐ育成会理事長)
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【講演内容】

 「豊かな体験によって本人の力を育てる」

 副島宏克全日本手をつなぐ育成会理事長は、「豊富で適切な体験が本人の生きる力を育てる」と、次のように述べる。

1 「指導・訓練ではなく、体験・支援が大切であり、自分のやりたいことをやる体験の豊富さが生きる力をつけ、自信につながります。」  

2 「健常な人は幼児期から危ないことも含め、いろいろな体験をしながら育ちます。」

3 「その結果、社会の中で生きる力が自然についてきます。」 

4 「障害のある人もこの体験が必要です。」  

5 「それが意欲へもつながってきます。」  

6 「これが生きる力、すなわち本人の力です。」

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 以上、本人の実情に即した豊かな体験、適切な支援が、本人の生きる力を育てる。
 本人の自発的で適切な行動に対して、周囲の人々が即座に認める姿勢こそ求められる。 関係者の放任的な態度や過干渉な態度では、本人の育ちは望めない。
 本人の実情をふまえての対応こそ、本人の成長を促進する。
 本人にとって無理のない、成長に役立つ体験ができる環境をつくることである。
 (ケー)

 (16回目に続く)

育成会活動の中でのリーダーとは14回目~障害者も要介護高齢者も一緒に住める地域生活の見直し~

2010年12月19日 | リーダーシップ
 先日受講した、次のようなリーダーシップセミナー「育成会活動の中でのリーダーとは」14回目の報告です。

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○ 第4回全日本手をつなぐ育成会リーダーシップセミナー
○ 日時=2010年11月16日(火)
○ 会場=日本財団(東京都港区赤坂)2階会議室
○ 主催=社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会
○ テーマ「ステップアップする育成会」
○ 第1部 基調講演「育成会活動の中でのリーダーとは」(13:35~14:35)
○ 副島宏克氏(全日本手をつなぐ育成会理事長)
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【講演内容】

 「障害者も高齢者も一緒に住める地域づくり」

 副島宏克全日本手をつなぐ育成会理事長は、「障害者も高齢者も一緒に住める地域づくりに今こそ手を付けるべきである」と、次のように述べる。

1 「地域とは、障害者も要介護高齢者も一緒に住める所でないとおかしい。」  

2 「これまでは、そのことに気が付いても手を付けるのが難しかった。」

3 「でも今は、そのことに手を付ける時です。」 

4 「しかも、地域で生活するための大切な三つの要素の見直しが必要です。」  

5 「第一の見直しとは、本人の生きる力(体験・支援)のあり方。」  

6 「第二の見直しとは、生活への援助(役割・刺激)のあり方。」

7 「第三の見直しとは、地域の理解(慣れる)のあり方」

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 以上、今こそ、障害者も要介護高齢者も一緒に住める地域づくりに、積極的に育成会として行動しなければという言葉である。
 そのために、今の地域生活でどんな見直しが必要か、実情把握に努める。
 その視点として、「本人の生きる力」、「本人に適合した援助」、「地域の人々との関係づくり」の見直しをとことん図る。
 そして、その見直しにとって必要となる解決策に、育成会会員一人一人が一緒に取り組むことだ。
 (ケー)

 (15回目に続く)

育成会活動の中でのリーダーとは13回目~地域で支えあう~

2010年12月15日 | リーダーシップ
先日受講した、次のようなリーダーシップセミナー「育成会活動の中でのリーダーとは」13回目の報告です。

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○ 第4回全日本手をつなぐ育成会リーダーシップセミナー
○ 日時=2010年11月16日(火)
○ 会場=日本財団(東京都港区赤坂)2階会議室
○ 主催=社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会
○ テーマ「ステップアップする育成会」
○ 第1部 基調講演「育成会活動の中でのリーダーとは」(13:35~14:35)
○ 副島宏克氏(全日本手をつなぐ育成会理事長)
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【講演内容】

 「地域で支えるネットワークづくり」

 副島宏克全日本手をつなぐ育成会理事長は、「知的障害者と生活する家族にとって、地域の支えあいの必要性」について、次のように述べる。

1 「全国で知的障害者の数は約55万と言われていますが、その中で約3/4の人が地域で生活しています。」  

2 「その中の9割以上の人が家族と一緒に生活しています。」

3 「だから、日本の知的障害者の大半が、家族によって支えられていると言っていい。」 

4 「障害のある人の家族を支えるためには、障害のある人本人やその家族について、広く一般の人々が正しい理解を持つような働きかけと地域の支えあいが必要です。」  

5 「ですから、地域での生活支援を考えるときに、地域の人との関わりを忘れてはいけません。」  

6 「これが、『地域で支えるネットワークづくり』のスタートです。」

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 以上、家族支援は、地域の理解と支えあいを積極的に求めていくことだ。
 そのためには、地域との関わりを広め、さらに深めてゆくことを、いろんな機会を通じて行っていくことが大事。
 自ら求めることで、相互交流の機会も増え、理解も進む。
 地域共同体の交流が薄れている現状では難しい面もある。
 育成会活動をとおして、地域のつながりが新しい展開になるようにしていくことも可能である。
 育成会が突破口になって、地域交流の活性化を図っていける実力を持ちたいものだ。  
 (ケー)

 (14回目に続く)

育成会活動の中でのリーダーとは12回目~社会保障費と国民負担率~

2010年12月14日 | リーダーシップ
 先日受講した、次のようなリーダーシップセミナー「育成会活動の中でのリーダーとは」12回目の報告です。

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○ 第4回全日本手をつなぐ育成会リーダーシップセミナー
○ 日時=2010年11月16日(火)
○ 会場=日本財団(東京都港区赤坂)2階会議室
○ 主催=社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会
○ テーマ「ステップアップする育成会」
○ 第1部 基調講演「育成会活動の中でのリーダーとは」(13:35~14:35)
○ 副島宏克氏(全日本手をつなぐ育成会理事長)
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【講演内容】

 「社会保障費と国民負担率」

 副島宏克全日本手をつなぐ育成会理事長は、「先進国と比較して日本の社会保障費が、国民負担率からみて低いこと」を次のようなデータで示す。

国民負担率=租税負担率+社会保障負担率

1 日本(2010年度)国民負担率39.0%(GDP比27.6%)=租税負担率21.5%+社会保障負担率17.5% 

2 アメリカ(2007年度)国民負担率34.9%(GDP比28.7%)=租税負担率26.4%+社会保障負担率8.5%

3 イギリス(2007年度)国民負担率48.3%(GDP比37.7%)=租税負担率37.8%+社会保障負担率10.6%
 

4 ドイツ(2007年度)国民負担率52.4%(GDP比39.4%)=租税負担率30.4%+社会保障負担率21.9%
 

5 フランス(2007年度)国民負担率61.2%(GDP比45.5%)=租税負担率37.0%+社会保障負担率24.2%
 

6 スウェーデン(2007年度)国民負担率64.8%(GDP比48.6%)=租税負担率47.7%+社会保障負担率17.1%

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 以上、社会保障に関する国民負担率は、他の先進国に比較して、アメリカを除くと、明らかに1~2割低いことが分かる。
 これをイギリスなみにすると、1割増が必要だ。
 思い切った財政の組み替えをしないと実現しない。
 ただ、利害が錯綜し、政争を繰り返している今の政治状況において、社会保障費だけが優遇されるとは考えにくい。
 一方で非効率な部分については経費節減しながら、新たなニーズについては積極的に財源を確保してもらう策しかない。
 そして、徐々に社会保障費の増額を図ってゆく。
 社会保障の充実は、国民全体にとって安定と安心をもたらし、将来にも希望をもたらすことを理解してもらうことが大事である。  
 (ケー)

 (13回目に続く)

育成会活動の中でのリーダーとは11回目~国の予算くみかえ=自民から民主へ~

2010年12月12日 | リーダーシップ
 先日受講した、次のようなリーダーシップセミナー「育成会活動の中でのリーダーとは」11回目の報告です。

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○ 第4回全日本手をつなぐ育成会リーダーシップセミナー
○ 日時=2010年11月16日(火)
○ 会場=日本財団(東京都港区赤坂)2階会議室
○ 主催=社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会
○ テーマ「ステップアップする育成会」
○ 第1部 基調講演「育成会活動の中でのリーダーとは」(13:35~14:35)
○ 副島宏克氏(全日本手をつなぐ育成会理事長)
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【講演内容】

 「2010年度国の予算の内訳」(2009年12月26日朝日新聞)

 副島宏克全日本手をつなぐ育成会理事長は、「国の予算が自民党から民主党に政権交代した結果」が次のように変わってきているとデータで示す。

一般会計当初予算、過去最大の92.3兆円に

1 歳出

(1)麻生予算(09年度当初)88.5兆円

① 一般歳出51.7兆円
② 地方交付税など16.5兆円
③ 国債費20.2兆円
 (一次補正分13.9兆円)

(2)鳩山予算(10年度当初)92.3兆円

① 一般歳出53.5兆円
② 地方交付税など17.5兆円
③ 国債費20.6兆円
 (決算調整0.7兆円)

(3)地方・家計簿重視で膨張

① 一般歳出
 ァ 事業仕分け導入も削減は1兆円どまり
 ィ 公共事業は18%(1.3兆円)削減
 ゥ 子ども手当ほかマニフェスト予算で3兆円を追加
 ェ 高齢化で社会保障費が10%増加

② 地方交付税など 地方への配慮で交付税は1兆円増

2 歳入

(1)麻生予算(09年度当初)

① 税収46.1
② 国債33.3
③ 税外収入9.1
 (1次補正分13.9)

(2)鳩山予算(10年度当初)

① 税収37.4
② 国債44.3
③ 税外収入10.6

(3)税収と国債の発行額が戦後初の逆転

① 税収 ガソリン税率を維持し、税収減を抑制
② 国債 麻生政権の1次補正後も2000億円上回る
③ 税外収入 「埋蔵金」の活用でつなぐ

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 以上、民主党政権に代わって、国の政策が大きく変わったという実感はない。
 なんか失望感ばかりが増大してゆく。
 しかし、国民の多くは民主党政権に委任したわけだから、目先の問題に右往左往し批判するだけではますます混乱するばかりである。
 私たち育成会の立場としては、障がい者福祉政策を推進するための政策を優先すべく働きかけてゆく。
 国は現在障がい者福祉に対して1兆円を使っている。それを倍の2兆円にすることで、相当の福祉向上につながるはずだ。
 今までできなかったことも大きく改善ができる可能性を探ってゆく必要がある。
 ところで、「障害者自立支援法改正案」が、平成22年12月4日に参議院で可決、成立することができた。
 待ちに待った法案の成立である。
 今まで、2度も成立寸前で法案不成立なっていた。政局といった政治側の内部事情で先送りされてきた。今回もぎりぎりセーフでなんとか成立となった。
 育成会としては、こうした障害者福祉政策が停滞しないように、積極的に提言していくことが必要だ。
 以下は、京都新聞社説からの引用だが、我々に対する応援メッセージである。

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【引用始め】

「自立支援法改正 抜本改革に手を抜くな」京都新聞(2010年11月26日)社説より
 
 障害者自立支援法の改正案が民主、自民、公明3党などの賛成で衆院を通過し参院で委員会付託されている。閣僚への問責決議案提出の影響など流動的な面もあるが順調にいけば今国会で成立する。
 この法案に対し、障害者家族や団体の間で賛否が分かれている。抜本改正にほど遠いとして廃案を求める声も強い。国や各政党は、今回の法改正はあくまでつなぎに過ぎないことを肝に銘じ、全体の制度改革を急ぐ責任がある。
 自立支援法をめぐっては、施行された2006年度以来、福祉サービス利用の原則1割負担という「応益負担」の導入が障害者や支援団体の強い反発を呼び、廃止を求める違憲訴訟も相次いだ。国も制度の手直しに追われ、実質的には1割負担は崩れている。
 昨年の衆院選で支援法廃止を訴えた民主党が政権与党となり、厚生労働省はことし1月に違憲訴訟原告団・弁護団と基本合意文書を交わした。速やかに応益負担制度を廃止し、13年8月までに「新たな総合的な福祉法制」を実施することや、障害者も加わった組織で制度の抜本改革議論を行うことなどで合意した。
 これを受け一連の違憲訴訟は4月に和解が成立した。閣議決定もされた制度改革の論議は厚労省の総合福祉部会などで進んでいる。
 これらの動きに対し今回の改正案は、新たな福祉法制ができるまでの「つなぎ法案」として議員立法で出されたものだ。福祉サービスへの負担は、当事者の負担能力に応じた「応能負担」とすることを明記し、発達障害者や高次脳機能障害者も障害者の範囲に含むことなどもうたった。
 こうした面を評価する声がある一方、反発が出ているのは改正案が現在の制度の骨格を変える形とはなっていないことだ。さらに言えば、今回の法改正で国も政党も抜本改革を先送りしかねないとの不安もあるのではないか。
 障害者福祉制度が曲折を重ね、国会の議論や法改正より、省庁が決める政省令で現場が揺れ動いてきた過去の福祉行政への不信感も感じられてならない。
 厚労省の政務三役は国会や厚労省の部会でも13年8月までに新制度の施行をめざす閣議決定の方針は変わらないと述べている。そのためには、12年に障害者総合福祉法案を国会提出する必要がある。議論の経緯も含め、国民に広く知らせることが不可欠だ。
 「完全参加と平等」を実現するためには、理念の共有から、予算面を含む具体的な制度設計まで、多大な労力を必要とする。福祉国家のあり方をどうするかという国民議論が要る。国会も政争に明け暮れるより、こうした議論をこそしっかりやるべきではないか。

[京都新聞 2010年11月26日掲載]

【引用終わり】

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 今の非生産的な政争では、障がい者福祉政策が進まなくなる。
 しかし、育成会団体としては、知的しょうがい者問題を少しでも解決する具体的な策を、積極的に提案できる力量をつけていかなければならない。 
 (ケー)

 (12回目に続く)

育成会活動の中でのリーダーとは10回目~日本の年齢層別人口推移~

2010年12月10日 | リーダーシップ
 先日受講した、次のようなリーダーシップセミナー「育成会活動の中でのリーダーとは」10回目の報告です。

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○ 第4回全日本手をつなぐ育成会リーダーシップセミナー
○ 日時=2010年11月16日(火)
○ 会場=日本財団(東京都港区赤坂)2階会議室
○ 主催=社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会
○ テーマ「ステップアップする育成会」
○ 第1部 基調講演「育成会活動の中でのリーダーとは」(13:35~14:35)
○ 副島宏克氏(全日本手をつなぐ育成会理事長)
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【講演内容】

 「今後の年齢層分布」(平成18年12月推計、人口問題研究所)

 副島宏克全日本手をつなぐ育成会理事長は、「日本の年齢層別人口」が次のように推移するとデータで示す。

○ 14歳以下人口【1970年=2,532万人、24.2%⇒1990年=2,234万人、18.1%⇒2007年=1,729万人、13.5%⇒2030年=1,115万人、9.7%⇒2055年=752万人、8.4%】

○ 15~64歳人口【1970年=7,230万人、69.1%⇒1990年=8,618万人、69.9%⇒2007年=8,302万人、65.0%、2030年=6,740万人、58.5%、2055年=4,595万人、51.1%】

○ 65~74歳人口【1970年=504万人、4.8%⇒1990年=850万人、6.9%⇒2007年=1,476万人、11.6%⇒2030年=1,401万人、12.2%⇒2055年=1,260万人、14.0%】

○ 75歳以上人口【1970年=202万人、1.9%⇒1990年=622万人、5.0%⇒2007年=1,270万人、9.9%⇒2030年=2,266万人、19.7%⇒2055年=2,387万人、26.5%】

○ 合計【1970年=10,468万人、100%⇒1990年=12,324万人、100%⇒2007年=12,777万人、100%⇒2030年=11,522万人、100%⇒2055年=8,994万人、100%】
 
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 以上、日本の人口は2004年12,779万人を境に、減少している。
 人口減少は、国の総合力に影響する。
 山形県においても、大幅な人口減(2005年=121万人⇒2035年=87万人)で、高齢化(65歳以上 2005年=25.5%⇒2035年=35.7%)が著しい。
 本県育成会は結成50年を経過した。その現状は、会員の多くは高齢者がしめ、障がいのある本人たちも年齢が40歳を過ぎた人が多くなっている。
 また、会員世代間のニーズが異なり、新しい人たちの入会も減っている。そして、退会する人も少なくない。会員数が微減という状況である。
 本育成会において、組織を維持し、活性化するには、会員にとって魅力ある活動メニューがなければならない。
 もし、こうしたメニューを創造できなければ、組織そのものの存在意義も失われる。
 しかし、地域の障がい者福祉を考えると、まだまだ不足の部分が多い。その解決には、育成会といった先人が苦労して残してくれたものを活用しない手はない。
 屋上屋を重ねるようなちっちゃな団体を新たにつくっても、労多くして報われないことが多すぎる。育成会側も、新たに加入する人に対して、広い度量で受け入れていくことである。
 そして、今ある貴重な育成会という団体をとことん活用して、障がい者福祉の推進に会員一人一人が大同団結することが、もっとも大切である。 そのためにも、地域の障がい者福祉の不足に対して、みんなが問題意識をもって取り組むことである。それが、育成会の魅力ある活動メニューということになる。
 人が減ろうが、高齢化しようが、自分たちの課題に真剣な取り組みがなされれば、解決にいたる道筋は見えるはずだ。
 (ケー)

 (11回目に続く)

育成会活動の中でのリーダーとは9回目~人口減の社会経済的影響~

2010年12月08日 | リーダーシップ
 先日受講した、次のようなリーダーシップセミナー「育成会活動の中でのリーダーとは」9回目の報告です。

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○ 第4回全日本手をつなぐ育成会リーダーシップセミナー
○ 日時=2010年11月16日(火)
○ 会場=日本財団(東京都港区赤坂)2階会議室
○ 主催=社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会
○ テーマ「ステップアップする育成会」
○ 第1部 基調講演「育成会活動の中でのリーダーとは」(13:35~14:35)
○ 副島宏克氏(全日本手をつなぐ育成会理事長)
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【講演内容】

 「人口減の社会経済的影響」(福祉新聞2007年4月16日)

 副島宏克全日本手をつなぐ育成会理事長は、「高齢化率が進み高齢・生産年齢人口比が限りなく1に近づくこと」を次のようにデータで示す。
 
1970年 高齢化率 7.1%⇒高齢・生産年齢人口比 8.5人で1人
2005年 高齢化率 20.2%⇒高齢・生産年齢人口比 3.0人で1人
2030年 高齢化率 31.8%⇒高齢・生産年齢人口比 1.6人で1人
2055年 高齢化率 40.5%⇒高齢・生産年齢人口比 1.2人で1人

 高齢化率 全人口に占める65歳以上の人口の割合
 高齢・生産年齢人口比 1人の65歳以上の人口に対する20~64歳の人口比

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 以上、高齢化率は現在20%を超えた。そして、高齢者1人を3人の生産年齢者で背負っている。日本としては未だかつて経験したことのない社会現象である。
 こうした時代背景の中で、障がい者福祉を推進しなければならない現実を見据えなければならない。
 知的しょうがい者にとって、より良い生活づくりをこうした制約を踏まえながら、折り合いつけてゆく知恵が必要となる。
 今までのような我慢とか、犠牲とかといった後ろ向きネガティプな対応とは異なる方法が求められる。
 今は求めたものがすぐにかなわなくても、実現の見通しが約束され工程表がはっきり示されるようにしていきたい。
 そして、全国一律的な内容より、地域に即応したきめ細かな対策づくりこそ、私たちの求めるものである。
 山形で必要とする山形らしい知的しょうがい者福祉の推進を、会員自らの手でより一層取り組んでいく。 
 (ケー)

 (10回目に続く)

育成会活動の中でのリーダーとは8回目~障害者福祉を取り巻く厳しい社会環境~

2010年12月04日 | リーダーシップ
 先日受講した、次のようなリーダーシップセミナー「育成会活動の中でのリーダーとは」8回目の報告です。

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○ 第4回全日本手をつなぐ育成会リーダーシップセミナー
○ 日時=2010年11月16日(火)
○ 会場=日本財団(東京都港区赤坂)2階会議室
○ 主催=社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会
○ テーマ「ステップアップする育成会」
○ 第1部 基調講演「育成会活動の中でのリーダーとは」(13:35~14:35)
○ 副島宏克氏(全日本手をつなぐ育成会理事長)
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【講演内容】

 「障害者福祉を取り巻く社会環境」

 副島宏克全日本手をつなぐ育成会理事長は、「税の減収と少子・高齢化社会」について次のように数値で説明した。
 
① 「財政制度等審議会は次の3案を提言。1.歳出30%カット、2.消費税19%、3.消費税12%歳出カット。」(日経2005.5.9)

② 「類型別の世帯の割合変化。
1960年→夫婦と子供38%、夫婦のみ7%、シングル16%、その他・3世代同居31%
2000年→夫婦と子供32%、夫婦のみ19%、シングル28%、その他・3世代同居14%
2025年(推計)→夫婦と子供24%、夫婦のみ21%、シングル35%、その他・3世代同居11%」(日経2005.5.9)

③ 「人口減がこのまま進んだら。1900年43,847千人、2005年127,757千人、2050年88,961千人、2100年41,095千人、2150年18,729千人、2200年8,520千人」(朝日2006.1.3)

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 現在、国の借金は900兆円。国民1人当たりにすると700万円になるという。
 こうした財政制度の健全化を図るには、上記①の提言3案(1.歳出30%カット、2.消費税19%、3.消費税12%歳出カット)のうちどれか1つを受け入れるしかない。
 どれも、誰もが嫌がる方法である。
 そして、政治家も痛みを強要しようとはせず、国民に対して、甘いことを言い続けるに違いない。
 これって、民主主義国家の弱点である。
 だから、未来への借金先送り、先延ばしするという、一番反対が少ない方策によって、最悪な方向に国を導くことになるかもしれない。
 そうなれば、障害者福祉なんて言っていられなくなる。
 みんなで、少しずつ痛みを分かち合いながら、より良い障害者福祉向上を構築するため、将来に向けた取り組みが求められる。
 そのためにも、非効率で、無駄な部分は省き、大胆な歳出カットも必要だし、消費税率アップも受け入れるしかない。
 今なら、我慢の範囲内なのかもしれない。これがさらに先延ばしになると、にっちもさっちもいかなくなる。
 それでは遅い。今や、国家がデフォルトする時代なのだから。

 (ケー)

 (9回目に続く)