山形県手をつなぐ育成会 日々徒然なること

育成会の事、関係ないことも勝手につぶやきます

学生たちの本人活動を支援するきっかけ

2012年09月16日 | 本人活動
 学生たちが本人活動の意義を学び、本人の会を立ち上げた例を紹介する。
  
以下は、美作大学紀要論文からの引用(2010, Vol. 55,p.94)である。
 その第5回目。

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【引用始め】

3.本人活動支援についての学び

1)本人活動支援を始めるまでの経緯

 本学福祉環境デザイン学科3年次開講科目である「特別演習Ⅰ」において、知的障害者の本人活動の機能として、「当事者同士の交流を深める」、「エンパワメント」、「政策提言や社会変革につながる」等を学習した。
 そして、地域の中で孤立した人や、外に出る機会のない人が多い、職場や学校等社会の中で居場所がない人がいるという現状を知った。
 また、学生が津山市にある地域活動支援センターに行った際、相談支援専門員から「県北に当事者組織はあるが、会員が一人で活動がなされていない」という話を聞き、県北
には当事者同士が交流できる場が少ないという現状も知った。
以上の学習や、地域の現状を知る中で、学生として何ができるかを考え、本人活動である「本人の会」を立ち上げることとなった。
 学生が支援者として本人活動を行うことの意味として、「親や支援者ではなく、支援する側、支援される側という位置づけが曖昧である」、「学生であるため、家庭や就労先、サービス等で困っていることを話しやすい」等が挙げられ、「指導者」という立場には
陥りにくいと考えられる。
 (p.94)

http://www.mimasaka.ac.jp/intro/bulletin/2010/pdf/435510091G.pdf

美作大学・美作大学短期大学部紀要 2010, Vol. 55. 91 ~ 100
知的障害者における本人活動への支援~「本人の会」立ち上げに向けて~
Supporting self-advocacy for people with intellectual disabilities:a report of establishing a self-advocacy group
薬師寺明子、杉谷 理絵*、竹内  瞳*、富澤 真菜*、新延 優子*、真壁かおる*、山本 詠美*、吉元めぐみ*
美作大学生活科学部福祉環境デザイン学科

【引用終わり】

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 本人活動の機能は、「仲間をつくり」「自信をつけ」「理解啓発をはかる」といったことである。
 知的しょうがい者の中には、地域で孤立し、外出機会に恵まれず、居場所がない人たちもいる。
 こうした現状をなんとかしようとするのが、「本人の会」である。
 主体性のある本人活動が盛んになれば、当事者の生きがい・やりがいを促す。
 学生たちによる「本人の会」の立ち上げは、どんな展開を生じたのだろうか。
 楽しみである。
 (ケー)