美作大学の学生たちが本人活動に関することを学習する中で、実際に本人活動の支援を行った。
その活動支援について紹介する。
以下は、美作大学紀要論文からの引用(2010, Vol. 55,p.95~p.96)である。
その第8回目。
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【引用始め】
4.学生による本人活動支援の実践内容
本人活動支援は2008年12月に本人活動を知ってもらい、参加を呼びかけるためのクリスマス会から始まった。
以降、毎月1回活動を行っている。
1)当事者への宣伝・啓発活動
「本人の会」を立ち上げるにあたり、多くの当事者に本人活動について知ってもらい、参加してもらうことを目的として、レクリエーションを中心としたクリスマス会を計画した。
津山市内とその周辺地域の障害者福祉施設や作業所等を回り、チラシやポスターを配布して呼びかけを行った。
結果、10名の当事者と1名の支援者が参加した。
そこで交流を図りつつ、参加者のニーズ把握を行い、「本人の会」の必要性を改めて
感じ、本格的にメンバーを集めることとなった。
活動を進めていく中で、参加メンバー(「本人の会」に参加している当事者たちのこと。以降「参加メンバーとする」)から「もっと参加者を集めたい。」という声があった。
学生は支援者として、参加メンバーに活動内容を考えられるよう支援し、チラシの作
成を働きかけた。
また、参加メンバーが自ら、津山市の青年学級や各々が利用している障害者施設で作成したチラシを配布し、啓発・宣伝活動を行った。
そして、参加メンバーが中心となり計画し、啓発・宣伝活動を行ったバーベキュー交流会には多くの当事者が参加した。
参加メンバー自らが啓発活動を行うことにより、意識が高まったようであった。
(p.95~p.96)
http://www.mimasaka.ac.jp/intro/bulletin/2010/pdf/435510091G.pdf
美作大学・美作大学短期大学部紀要 2010, Vol. 55. 91 ~ 100
知的障害者における本人活動への支援~「本人の会」立ち上げに向けて~
Supporting self-advocacy for people with intellectual disabilities:a report of establishing a self-advocacy group
薬師寺明子、杉谷 理絵*、竹内 瞳*、富澤 真菜*、新延 優子*、真壁かおる*、山本 詠美*、吉元めぐみ*
美作大学生活科学部福祉環境デザイン学科
【引用終わり】
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本人活動の必要性を理解し、本人の会の立ち上げから携わった学生たちの実践例は珍しい。
学生たちはこうした活動を通じて、知的しょうがい者に対する理解をより深めることができただろう。
単なる座学でなく、実践的な本人活動支援には、苦労も多かったはずだ。
人を集めることの難しさ、一人一人に合った支援内容の検討、試行錯誤の連続だったに違いない。
でも、そうした一つ一つの経験が知的しょうがい者にとっても貴重な経験になったと気づいただろう。
学生たちと障がい者の交流と理解が本物に近づいた。
(ケー)