トリCのブログ

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内田を生かせるかが課題

2011-04-06 15:58:25 | サッカー

 日本代表では不要という世論の内田。それがチャンピオンシップで普通にプレイしているのは「内田が海外で急速に力を付けているから」という理屈で逃れたくはなるだろう。若い頃から使い続けた代表の岡田監督の方が”選手を見る目がない”と叩いてきたのだから当然の感情ではある。鹿島ではやはり大した活躍をしてこなかった、というイメージはあるしウォッチャー泣かせの選手だと思う。


 


俺がこういった認識に違和感を覚え始めたのは二つの事例で「?」マークがついたからだ。まずは鹿島に内田がいた頃の話だ。内田が出ている試合と欠場した試合では鹿島の勝率に非常に差があった。一人入れ替わったレベルではなかったと記憶している。これは彼が移籍するまで続いた。もう一つは代表で中村俊輔が存在しない時に内田の価値が更に気薄になった事だ。これは南ア大会で中村が控えになった時に内田も控えになった事でもわかる。


 


内田の試合後のインタビューでも度々バランス、コンビネーションの話がよく出るのだがこの選手は非常に試合を俯瞰的に観ている印象がある。ポジション的に自分の背後にはあまり人がいなくてピッチの側面から、つまりベンチと似た位置で試合を見られるからだろうか。


 


状況がダメだから行かない=後方の守備体系がまずい、という意味がある彼のプレイスタイルは右サイドの状況を典型的に表すリトマス試験紙のようなものだ。これが俗に「今日の内田は全然ダメだった」と評されるのだから気の毒ではある。しかしこと監督からすれば頼もしい。内田が前に出ない=修正すべき点が右サイド側にある、という意味になるからだ。


 


日本代表では内田は滅多に前に出ない。今日の対インテル戦では頻繁に攻めていた。この2つのギャップを埋めるのは内田の海外修行の成果ではないと思うのだ。日本代表に限定して言えば左の長友に対して右のサイドはまだまだ再構築が必要だ、という意味ではないだろうか。