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第13回「九条美術展」に行ってきました!

2024年05月09日 | 国際・政治
■13回を数えた「九条美術展」154人の力作

2024年3月5日付け当ブログで案内しました「九条美術展」に行ってきました。


▲「九条美術展」受付

当美術展は、憲法九条を守り生かすという一点で結集した美術家たちが2004年6月に結成した美術家の「九条美術の会」の公募形式の美術展です。

今年は第13回目。2024年5月4日(土)~10日(金)まで東京・上野の東京都美術館で開催しています。

油彩、日本画、アクリル画、水彩、彫刻、工芸、インスタレーションなど154人が出展しました。


▲様々な表現で「9条の大切さを訴える」――多くの人でにぎわう展示場

窪島誠一郎さんが「無言館」を設立したきっかけとなった故・野見山暁治さん(ともに「九条美術の会」発起人)の遺作(版画)や「武田美通作品を広める会」が出展した故・武田美通さんの遺作(彫刻)も展示されていて、大変見ごたえがありました。


▲故・野見山暁治さんの遺作「無題」(版画)

▲故・武田美通さんの遺作「帰還兵が問う」(彫刻)


■美術と人権を考える――「美術講演会」同時開催

また、期間中の5月6日(月・休)14時からは、当美術館・講堂で、「美術講演会」が同時開催されました。

今回の講演は「美術と人権を考える――自由民権期の『五日市憲法』と朝鮮人虐殺絵に出会って――」と題して、専修大学教授の新井勝紘さんがお話しました。


▲スライドを使って解説する新井さん(舞台左端)

新井さんは、2時間の講演時間の中で、半分を「五日市憲法」、半分を関東大震災時の「朝鮮人虐殺絵」について講演しました。


●色川大吉ゼミで深澤家土蔵調査がきっかけで

新井さんは、東京経済大学在学中に日本近代史を専攻、歴史学者・色川大吉先生のゼミで、1968年、明治100年を機に100年を見直してみようと五日市の深澤家土蔵を調査する機会があり、その蔵から1881年に起草された「五日市憲法草案」(日本帝国憲法、全204条)を発見。その内容を卒論として研究したこと、千葉卓三郎が起草したとの記述から千葉卓三郎がどんな人物か追跡調査し、深澤家土蔵で発見したこの「五日市憲法草案」が確かにそのものであることを証明したいきさつを紹介しました。


▲「五日市憲法」が発見された深澤家土蔵


▲たった1枚しか残っていない千葉卓三郎(右端)の写真

敗戦後、日本に進駐したGHQは日本に民主的な憲法をつくらせようとしますが、それまでの大日本帝国憲法(明治22年2月11日公布、全76条)の呪縛から逃れられない当時の日本政府に限界を感じ、GHQ民生局が現在の世界の民主的な憲法を調査し日本国憲法(1947年5月3日施行、全103条)をつくるわけですが、その際大いに参考にしたのが、植木枝盛の私擬憲法などが作られた“創憲の時代”とも呼ばれる自由民権運動を中心に憲法史研究を続けていた鈴木安蔵ら民間の「憲法研究会」による草案だったということが分かっています。したがって新井さんは言います。「日本国憲法はかたちとしては『押しつけ』だったかもしれませんが、そこには “創憲の時代”に書かれた草案の良質な部分が流れています」と。


▲「五日市憲法草案」(日本帝国憲法)


●先駆的な「五日市憲法草案」に驚き

「五日市憲法草案」を発見した新井さんは、その条文が近代憲法と比較してもそん色のない先駆的な内容が含まれていると解説。
例えば、

【第45条】の「日本国民ハ各自ノ権利自由ヲ達ス可シ、他ヨリ妨害ス可ラズ、且国法之ヲ保護ス可シ」は「国民は一人ひとりの自由権利を達せられなければならない。この自由権利は、決して他から妨害してはならない。同時に国の法律というものはこの自由権利を保護しなければならない」という意味の「基本的人権の保護」として日本国憲法の第11・第12条を、

【第49条】の「凡ソ日本国ニ在居スル人民ハ内外国人ヲ論セス其身体生命財産名誉ヲ保固ス 」は「日本国に在居する人は内外国民にかかわらず、その身体、生命、財産、名誉を保護する」という意味の「身体・生命・財産・名誉の保固する権利」として日本国憲法の第13条を、

【第76条】の「子弟ノ教育ニ於テ、其学科及教授ハ自由ナル者トス。然レトモ子弟小学ノ教育ハ、父兄タル者ノ免ル可ラサル責任トス 」は「子弟の教育において、どのような学科をどのように教えても、それは自由である。さらには子どもの小学校の教育については、その教育を受ける権利を子どもに与えることを保護者の責任とする」という意味の「教育の自由」として日本国憲法の第26条を、

さらに【第77条】の「府県令ハ、特別ノ国法ヲ以テ其綱領ヲ制定セラル可シ。府県ノ自治ハ各地ノ風俗習例ニ因ル者ナルカ故ニ、必ラス之ニ干渉妨害ス可ラス、其権域ハ国会ト雖トモ之ヲ侵ス可ラサル者トス」は「府県の自治というものは、その地域の風俗や習例に因るものなので、絶対に干渉したり妨害したりしてはならない。その自治権は国会といえども侵害してはならない」という意味の「地方自治権」として日本国憲法の第92・93・94・95条の精神が貫かれていたのです。


●絵が証言する関東大震災の混乱に乗じた「朝鮮人虐殺」

ほぼ100年前の1923年に発生した関東大震災は、犠牲者が10万5000人のうち1~数パーセントに上るとされる朝鮮人が殺害されたと言われていますが、未だにその実態は明らかにされていません。

大震災の混乱の中で「朝鮮人や共産主義者が井戸に毒を入れた」や「朝鮮人が放火した」などのデマが流れ、それを信じた官憲や自警団などが多数の朝鮮人や共産主義者を虐殺した事件です。

新井さんは、この朝鮮人虐殺に関して、整理しきれてなく東京都復興記念館の土蔵に溜っていた当時の資料から、当時本横小学校の生徒の絵から朝鮮人虐殺の証拠を発見、その後、国立歴史民俗博物館助教授などを歴任する中で、挿絵画家の河目悌二の水彩の虐殺絵や萱原白洞の絵巻物「東都大震災過眼録」を発見、さらにはYAHOOオークションで競り落とした雅号「キコク」(さんずいに其と谷、大原彌市)の「関東大震災絵巻」に描かれた官憲や警察、自警団により殺害される場面を告発した絵画を紹介しました。


▲河目悌二の虐殺絵


▲萱原白洞の絵巻


▲大原彌市(キコク)の絵巻

これら関東大震災時の朝鮮人虐殺絵から1世紀を経て何を読み解くか?――新井さんは次のポイントを指摘します。
(1)虐殺は公然と行われた
(2)官民一体の行為
(3)流し続けたマスコミの流言蜚語
(4)地域でのタブー視
(5)歴史として伝わっていない
(6)「虐殺」に触れない、消える
(7)あえて描いた画家たちがいた
(8)なぜ描いたかを問うべき、汲むべき
(9)官の責任と民の責任
(10)民の差別意識の克服

 =>1世紀経過しても、不明な点が多すぎ、この事件はまだ歴史になっていない。
 =>虐殺絵は、虐殺の証拠として

そしてキコクの絵巻には「是に由て此の惨禍に遭遇せざりし多数の人々に示し以て省慮の念を促し或は後世紀念の一片と為すに足らば余輩の希望是れ達せるなり之を以て自序となす(大正十五年早春)」と記されていたと説明しました。(文責:サイト管理者)



※パレスチナに平和を!イスラエルはガザへの軍事攻撃を止めろ! 

(※緊急行動は終わりました。)


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