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同盟強化を新たな段階に引き上げた「日米首脳会談」を読み解く

2024年05月08日 | 国際・政治
自民党の政治資金パーティー券を通じた裏金事件とその対応のまずさから国民から総スカンを受け、過去最低の内閣支持率を更新し続ける岸田首相が4月8日、政権浮揚策として米国の後ろ盾を得ようと訪米し、安倍晋三元首相に次ぐ2人目の国賓待遇で迎えられ、敵基地攻撃能力の保有や軍事費の2倍化など岸田政権下で進行した異常な大軍拡による同盟強化を新たな段階に引き上げることを約束した共同声明が交わされたことは、これまで当ブログでも紹介してきました。

岸田首相が今回の日米首脳会談について、米大統領報道官は「日米同盟の不朽の強さと、米国の日本に対する揺るがぬ責務、世界で増す日本の指導的役割を強調するものになる」などと歓迎しましたが、この新たな段階に引き上げようとする日米同盟について、「日米同盟からの離脱を」と主張する米軍プロジェクトに関わってきた軍事社会学者の北村淳さんの貴重な指摘が4月30日付け「しんぶん赤旗」に掲載されました。大変鋭い指摘ですので、同記事を転載させていただき、紹介することにします。(サイト管理者)


※以下、転載はじめ↓


「日米同盟からの離脱を」――。近著『米軍最強という幻想』(PHP)でこう主張するのは、ハワイに在住し、米軍内に幅広い人脈を広げ、戦略コンサルタントとして同盟強化に関わってきた軍事社会学者の北村淳氏です。日本の対米従属姿勢を厳しく告発する立場から、今回の日米首脳会談を読み解いてもらいました。


【検証 日米首脳会談】
米軍プロジェクトに関わってきた軍事社会学者
北村淳さんが読み解く

対米忖度の集大成


私は、かつては日米同盟の強化が日本の国防にとって有意義だと考えていました。2000年ごろから海軍戦略の専門家として米海軍関係分析業務に関わり、▽自衛隊の水陸両用作戦能力を構築▽南西諸島にミサイル網を構築――などの米軍のプロジェクトに協力してきました。
 
しかし、米軍を訪問する日本の政治家や防衛関係者、メディア関係者など、日米同盟の強化を主張する人々のほとんどが、単に米国の軍事力に頼っているだけであり、日本が属国となっている現状を肯定していると認識するに至りました。
日本が真の独立国となるには、日米同盟から離脱し、「重武装永世中立国」(もちろん、国内総生産《GDP》比2%といった数字ありきではありません)として再出発するというのが現在の見解です。そのような立場から、所見を述べます。


【全般的な評価】

米国の軍事力は著しく低下し、東アジアでの軍事的覇権の維持は困難になっています。しかし、フィリピン軍はあまりにも弱く、韓国は対中戦争に参加することはないと、米国自身も考えています。
 
そう考えると、「防波堤」となりうる地理的位置に存在し、軍事的要求をほぼ完全に受け入れる「完璧な同盟国」は日本だけです。米軍がいなければ中国の軍事侵攻を受けてしまうという奇妙なレトリックにとらわれている日本政府は、米国に見捨てられないようにする国防方針を自発的に打ち出しています。日米首脳共同声明は、まさに、日本政府の対米忖度(そんたく)姿勢の集大成といえるでしょう。
 
アメリカとしては、中国軍を封じ込めるだけの海洋戦力を再構築するまで(最短でも10年近く)、忠実な番犬である日本を前面に押し立てて中国をけん制し、万が一、局地的軍事衝突が発生しても日本という防波堤で食い止めて自らが中国軍と本格的戦闘を交えることを極力回避したい。そのため、何としても日本を揺るぎない同盟国としてつなぎ止め、中国との軍事的緊張状態を維持させておくために、米国の「筆頭同盟国」という二ュアンスを与えているのです。
 
米政府・軍関係者は、日本の政府高官や政治家たちが「アメリカにほめられたい」という卑屈な感情を有していることを承知しています。だから、今回の共同声明で露骨に日本側や岸田政権を持ち上げているのです。


【指揮統制=日米統合作戦司令部】
 
この構想は、私が親しくしている米軍関係者が10年以上も前から温めていた計画です。彼らは「米軍接近阻止戦力」を飛躍的に増強させてきた中国軍と、それに反比例するような自らの戦力低下を憂慮しており、当面は日本を最大限に活用する必要があると考えていました。

しかし、日米共同訓練などを通じて、陸海空の統合運用の欠如が、自衛隊の深刻な弱点であることが分かってきました。そのため、すでに異軍種間の統合運用システムを確立していた米軍が、自衛隊を実質的に指揮する仕組みを構築すれば、統合運用が可能になると考えたのです。

そもそも、このような発想が生じる根源には、米側が圧倒的に優位な支配従属関係の同盟であるという現実があります。しかし、日米の指揮権問題は密約が問題視されていることもあり、米軍側としては正面から切り出せませんでした。
 
そのため、あたかも同盟軍同士が合同作戦を実施するようなニュアンスの指揮命令システムを誕生させれば、日本側は米軍と肩を並べて戦えるほどに評価されたと考え、指揮権密約のような反発を避け、実質的に自衛隊を活用することが可能になる、と米軍関係者が考えたことは疑いの余地がありません。
 
日米統合作戦司令部の設置で自衛隊が米軍の手足とされることは自明の理です。自衛隊の属軍化、日本の属国化をますます強めることとなります。
 

【核抑止】

論理矛盾の最たるものが核抑止論です。共同声明は一方で「核兵器のない世界」をうたいながら、他方で、米側が「核を含むあらゆる能力」を用いると宣言しています。
 
米国は日本に対する2度の核攻撃を正当化しており、現在も先制核戦略を掲げています。米国の言う「核兵器のない『世界』」とは「核兵器のない『アメリカ以外の国際社会』」という意味なのです。そもそも、中国や口シア、北朝鮮が日本に核の脅しをかけるのは、米軍基地が置かれているからです。日米同盟から離脱し、米軍基地を一掃することこそ最大の核抑止です。もちろん、日本の核武装はありえません。


※北村淳さん:1958年東京都生まれ。警視庁公安部勤務後、89年に渡米。ブリティッシュ・コロンビア大で博士号(政治社会学)を取得。海軍戦略の調査・分析など戦略コンサルタントを務める。


【出典】2024年4月30日付け「しんぶん赤旗」



※パレスチナに平和を!イスラエルはガザへの軍事攻撃を止めろ! 

(※緊急行動は終わりました。)


※ #ロシアはウクライナ侵略をやめろ!



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■署名活動はオンライン署名サイト「Chage.org」で行われます。
https://chng.it/YYVtM9Wr8G



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(9条改憲NO!全国市民アクション)http://kaikenno.com/?p=1826
■これまで取り組んできた「安倍9条改憲反対!改憲発議に反対する全国緊急署名」に変え、新しい情勢に合わせた「憲法改悪を許さない全国署名」に取り組みます。
■ネット署名 
https://chng.it/R2YgNbLD
■署名用紙(プリントしてお使いください)
署名用紙はこちら


2021年1月22日、核兵器禁止条約が発効へ!
引き続き署名国・批准国を増やし、実効性ある条約に! 
♯日本政府は核兵器禁止条約に背をむけるな
♯米国など核保有国は核兵器禁止条約に参加、署名・批准を


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