ある雑誌が届きました。
今月号のメインテーマは「ニセ医学に出会ったら」というテーマのようです。これを見てなにかドキッとしたのは、なにかやましいことがあるからでしょうか?いえいえ、そんなことはありません。
この内容はサプリメントに始まり、話題となったマイナスイオンやゲルマニウム・トルマリン製品、ホメオパシー(ある症状を引き起こす物質を繰り返し希釈すると、その症状を治す薬になるというもの)、KO大学のK医師の癌放置療法、最近では男性週刊誌の「飲み続けてはいけない薬」シリーズ。祈祷師によるインスリン中止、腸内洗浄でデトックス、コーヒー浣腸、ズンズン運動などなど。
あのスティーブ・ジョブズ氏もすい臓癌に対して、新鮮ニンジン・果物ジュース療法を9ヶ月続け、致命的になってしまったそうです。
新聞広告などでよく見られる「私は〇〇で健康になりました」という言葉には説得力があるように感じます。でも、実際に自分が経験したことでも、自ら情報を歪め、あえて誤認識するように働く「認知バイアス」というものがあるそうです。人は「自分で自分をだます」仕組みを備えているという意味だそうです。
また「確証バイアス」という言葉もあり、「自分に都合のよい事実だけしか見ない、集めない」ということで、都合の悪い事実は無視、最初に自分が信じた考えを補強する情報だけを集め、「間違っていない」と思い込んでしまうそうです。
私たちはいわゆる「標準治療」を行い、患者さんにももちろんそれを勧めるのですが、上記のようなものを取り入れてしまうのは、「我々にも大きな原因があることを忘れないように」と少々「耳が痛い」ことも書かれていました。
いつもは「ゴミ箱直行」の雑誌ですが、今回はゆっくり読んでみようと思います。