tonto's blog

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対応困難

2024-03-31 | weblog

 日本に住んでいて、健康保険を使って医療機関で治療を受ける際には、治療費は基本的にはどこで受けても同じです。つまり定価があります。

 この定価(点数で表わされる)は2年に一回見直し(改定・改正・改悪)され、4月から運用されますが、なぜか今回は6月からになりました。内容の説明会に週末に出席しましたが、何とも複雑で、理解できないことが多かったです。


 説明をいただいた(医師会の担当先生が勉強してきて、私たちに説明してしてくれます)ようにすべてを本当に、窓口で診療費を計算することは実際には困難(少なくとも私のところでは)、はっきりと言って「もらえるのだろうけどこちらの理解不足でもらえない」状態が今もありますが、それが増すのは確実のようです。過剰請求はもちろん罰せられますが、過少の場合は何にも言ってくれないので。

 前記事を書いて、しばらくこちらからは遠ざかっていましたが、仕事に対する意欲低下が著しく低下してきているようで、今回の説明会の帰りには「もういいかな」がさらに進みました。

 外来感染対策管理加算・発熱患者等対応加算・抗菌薬適正使用加算。医療情報取得加算・医療DX推進体制整備加算・地域包括診療加算・認知症地域包括診療加算・時間外対応加算の施設基準・特定疾患療養指導料・生活習慣病管理加算(Ⅰ)(Ⅱ)・在宅支援診療所の施設基準・往診料と訪問診療料のターミナル加算や見取り加算・・・などなどこれもごく一部です。保険診療に精通した方が別にいないととてもじゃありません。改定のたびにどんどん複雑化していきます。

 もう無理です。もう初診料や再診料と検査費用に処方箋料(もしくは処方料+薬剤料)だけでいいかなと。

 こういうことへの対応が困難で、一般の開業医は閉院していくことも多いと思います。マイナ保険証の件でも「もうやめた」って先輩もいます。

 私より年上の先生方が頑張っておられるなか、このようなことを言うのはなぁ、とは思うのですけど。

  こんな気持ちでモヤモヤしてましたが、午後に 2st のパンチを受けたら、なんだかスッキリとしましたよ。黄砂のために青空じゃなかったけど気温は最高で、SDRは変わらず絶好調ですね。


30年を過ぎて

2024-03-03 | weblog

 3月1日が私の診療所の開設記念日で、今回は区切りの30周年となりました。この間まで流行していたB型インフルエンザと、第10波といわれる新型コロナウイルスともに落ち着いてきたようで、特別なこともなく静かに過ぎました。

 私の家庭内での事情で、大学病院を退職し、まだ早い37才の時に今の診療所を始めました。それから今日まで大きな医療上のトラブルは起こらなかったのはとても幸いなことです。だんだん慎重になり守りに入っていることは自覚しています。そしてさらに「今回の区切り」を迎えたことで、なんというのでしょう「もういいんじゃない」という気持ちが日々強くなっているように思います。

 ただし、今すぐに仕事を止めてしまっても、何をして毎日を過ごしていいのかわかりませんので、もう使わなくなった言葉「ソフトランディング」を自分の体調と相談しながらすすめようと思います。

 当院は小児科ではありませんが、そのころは比較的多くの小児患者が来院されていました。一般的には小学3~4年生ごろになると、「風邪」を引くことも少なくなり、たまに何かの予防接種で「久しぶりだなぁ」って小さい頃のことを思い出し、そしてその子たちの子供を見ることになってきているのが30周年を迎えた近年なのです。なんとも不思議な、そして「長くやってるな」を実感するときでもあります。