●質問番号 1番 不適切な政治活動と選挙の公約
答弁者 市長、選管書記長(総務課長)
選挙の候補者になろうとする者は、有権者へ公約を示し、政策や考え方、人柄などを伝えるために、各種文書、つまりリーフレットやニュースを配布したり、街頭活動をする。これらの行為は、政治活動として認められ、かつ、選挙期間中の運動とは明確に区別されている。
公約は、選挙公報でも掲載するから、有権者の事後検証も可能である。
先の4月に行われた統一地方選に関して、全国的に違法行為が減った中、岐阜県内は政治活動についての警告が多かったとされる。選挙期間中にしかできない行為を、選挙の前に行う事例が多い。
山県市でも、県議選、市議補選の投票があった。その選挙の「候補者等」(いわゆる立候補予定の者)の選挙前の政治活動に関して、不適切な行為が著しく目立ったと受けとめた人は少なくない。
実際に、県警が県議選関係で行った県内全体の警告「38件」のうち、なんと「7件」が山県市選挙区であり、異常に突出して多かった。私は選挙運動、政治活動に詳しいものとして本も書いているが、その視点からもこんな状況が放置、あるいは継続、再発してはいけないと強く懸念している。
山県市では、過去に選挙ポスター代の水増し事件もあった。
一般的な原則、当然の原則として、選挙の候補者が法律に違反し、あるいは社会的な常識を逸脱して選挙に臨むことは許されない。なぜなら、「公約」を表明、伝達する場合の違法行為、脱法行為を許容する政治家は、当選後の当該本人の政治活動、公務活動で違法、脱法行為をする懸念が尽きないとして、ずっと以前から指摘されているからである。
そこで、このような異常な事態が二度と起きないようにするために、市の選挙管理委員会や行政庁、行政機関の認識、見解を整理するために質問する。
まず、選管書記長である総務課長に問う。
1、 山県市内での行為に対しての県警の警告件数とその行為の内容、法などへの抵触の解釈はどのようか。
2、 県警の警告した案件について市の選挙管理委員会はどのように受け止めるのか。
選挙管理委員会がもっと早く相談してくれていたら、との話も聞こえてくる状況だ。
前記案件について、選管の県警への告知や相談、協議などはどのようであったか。
3、 市の選挙管理委員や選管事務局職員が今年2月から3月ごろの市内の新聞折り込みで、違法文書が配布・頒布されていることは容易に認識できた。認識したのか、県警に通報したか、それとも何とも思わなかったのか。無反応だったとしたら、職責違反、職務怠慢ではないか。
4、 インターネット選挙が一昨年2013年7月に解禁された。インターネットのWebページ(いわゆるホームページ)などは、告示・届出後から選挙運動期間中の最終日(通常は土曜日)まで更新できるが(公選法142条の3)、「投票日」(通常は日曜日)及びそれ以降については、「当選御礼」に関することのみを除いて(公選法178条)更新は禁止されている。
市内の「候補者等」に関してこの規定への違法はないか、選管は点検をすべき。その結果について、県警に通報ないし協議のうえ、対応内容を示されたい。
5、 選挙の候補者の、法律や条例に基づく「選挙公報」での公約は、極めて重要である。選管は、これをインターネットにも掲載している。しかし、選挙後は、インターネット上から削除している。
私は、政治家の責任の所在のためにも、有権者の事後検証のためにも、選挙後もインターネット上に残すことを求めてきた。最近になって、総務省が遅まきながらその方向を示した。
山県市においても、「選挙公報」を選挙後もインターネット上に残すように、転換すべきではないか。
以下、市長に問う。
6、 前記の市内での警告案件について、累犯(繰り返し犯罪を行うこと)的な行為についての見解、及び警告を受けてもさらに同種の行為を繰り返す行為についての見解はどのようか。
7、 市の補助、助成金を交付し、当該団体が山県市行政機関内にある「山県市○○クラブ」に関して、当該団体の「顧問」であることをインターネットのほか、政治活動文書なり立候補の新聞の経歴に表示した候補者が、当選後に「・・成人した○○達は応援スタッフとして働いてくれました。」とインターネットで表現している。
この関係は適正なのだろうかと、市民から指摘を受けた。確かに、政治的、道義的に許されるのか。しかも、当選後は、議員と市長の政治倫理条例の第3条にも抵触することになりかねない。まして、市の補助、助成金の増加や、市の便宜の供与が増加することがあれば、一層、その疑念が深まる。
このことについての市長の見解と、財政的、実務的な今後の対応はどのようか。
以上
●公職選挙法
(ウェブサイト等を利用する方法による文書図画の頒布)第百四十二条の三
2 選挙運動のために使用する文書図画であつてウェブサイト等を利用する方法により選挙の期日の前日までに頒布されたものは、第百二十九条の規定にかかわらず、選挙の当日においても、その受信をする者が使用する通信端末機器の映像面に表示させることができる状態に置いたままにすることができる。
(選挙期日後の挨拶行為の制限)第百七十八条 何人も、選挙の期日(第百条第一項から第四項までの規定により投票を行わないこととなつたときは、同条第五項の規定による告示の日)後において、当選又は落選に関し、選挙人に挨拶する目的をもつて次に掲げる行為をすることができない。
一 選挙人に対して戸別訪問をすること。
二 自筆の信書及び当選又は落選に関する祝辞、見舞等の答礼のためにする信書並びにインターネット等を利用する方法により頒布される文書図画を除くほか文書図画を頒布し又は掲示すること。
三 新聞紙又は雑誌を利用すること。
四 第百五十一条の五に掲げる放送設備を利用して放送すること。
五 当選祝賀会その他の集会を開催すること。
六 自動車を連ね又は隊を組んで往来する等によつて気勢を張る行為をすること。
七 当選に関する答礼のため当選人の氏名又は政党その他の政治団体の名称を言い歩くこと。
(選挙期日後のあいさつ行為の制限違反)
第二百四十五条 第百七十八条の規定に違反した者は、三十万円以下の罰金に処する。
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