毎日、1000件以上のアクセス、4000件以上の閲覧がある情報発信ブログ。花や有機農業・野菜作り、市民運動、行政訴訟など
てらまち・ねっと



 議会議員の第2の報酬といわれる政務調査費の不適正な支出、違法な支出が指摘されて久しい。
 全国市民オンブズマン連絡会議の調べで、
 これまでに住民監査請求や住民訴訟で不適当支出とされ返還を命じられた額が、延べ約11億円に上ることが分かった。

 すごい額だ。
 ところが、全国議長会などの求めで地方自治法がスピード改正された。
 使い道を広範にするための改正。いわば、使い放題方向へ改正した。

 使い道を厳格にする改正ならわかるけど、裁判所でも負けないように「法律自体を改正する」という発想はおごった議員の考え。

 8月に持ち上がった話だけど、改正後の最近の情報を記録しておく。
 
 ブログ末には、全国市民オンブズマン連絡会議の反対表明のページにリンクし、再掲しておく。

 ところで、昨日の名古屋高裁の住民訴訟・控訴審。
 始まって1年以上経過してから、裁判所から和解が双方に求められたことで、協議が続いていた。
 相手方のひとりの「前知事」が、昨日、最終的に「和解をしない。判決を求める」旨を回答をしてきた。

 だから、弁論に戻ることになった。
 この件、高裁にかかってもう2年になる。

人気ブログランキング = 今、3位あたり
 ★携帯でも クリック可にしました →→ 携帯でまずここをクリックし、次に出てくる「リンク先に移動」をクリックして頂くだけで「10点」 ←←

 ★パソコンは こちらをクリックしてください →→←←このワン・クリックだけで10点

●本当に研究!?議員さん 政調費で江戸の拷問術、気功入門書…
       =2012/09/21付 西日本新聞朝刊=2012年9月21日
 政調費で購入された児童書などの書籍 子グマが主人公の児童書に気功・瞑想(めいそう)の入門書、江戸時代の処刑法、三色ボールペン活用術…。

九州の県議や政令市議の2011年度の政務調査費の使途を調べたところ、一部議員が、議員の仕事と関わりの見えにくい書籍を購入していた。
政策の調査研究のために議員報酬とは別に支給されるのが政務調査費。
議員らは「幅広く勉強している」などと口をそろえるが、識者は「公金で買うべき本と有権者にきちんと説明できるのか」と疑問を投げかける。

 「くまの子ウーフ」「いやいやえん」。当選8回の北九州市議は、児童書や中学生向けの文学書を計39冊、5万1590円分購入した。子グマの物語が何の調査に必要なのか。自宅前で取材に応じた市議は「教育委員会がどんな本を児童に推薦したかを調べるため」と説明した。

 しかし、調査結果を市議会の質問などに生かしたかと問うと、「同僚が質問したと思うが…」と途端に歯切れが悪くなった。本の所在も「どこにあるか思い出せない。孫に渡したかどうかも分からない」と曖昧。結局どこに保管しているのか1冊も確認できなかった。

 当選1回の福岡県議は1月、江戸時代の処刑法や拷問をイラスト付きで紹介した「江戸残酷物語」(500円)を購入。収支報告書には書名とともに「政治制度調査資料」と記していた。県議は「死刑制度を学ぶために買った」としつつ「不適切とは思わないが、百パーセント正しいとも言えない」と話した。

 この県議は、これとは別に収支報告書に記載した書籍名と異なる書籍のレシートを添付したり、まだ出版前の本を購入したと記載したりしていた。県議は「事務員の記載の誤り」と釈明した。

 当選5回の宮崎県議は「病気が治る気功入門」(1575円)や複数の瞑想入門書、「三色ボールペン情報活用術」(800円)などの自己啓発本に計約6万円を使った。県議は「政治家として幅広く関心を持って勉強している。問題があるとは思わない」と述べた。

 「これだけは知っておきたい肩・腰・ひざの痛み」(千円)を買った当選4回の鹿児島県議も「住民から健康相談があるので勉強のために買った」と答えた。

 各議会は政調費での資料購入について「調査研究活動との関連性が十分に説明できるもの」(佐賀県議会)などと一定の基準を定めている。しかし、議会事務局が全ての本の内容を確認しないため、議員の判断次第で趣味や娯楽性の高い本も購入できるのが実態だ。

 市民オンブズマン福岡の児嶋研二代表幹事は「政調費の原資は税金。議員の資質向上のためなら、どんな本でも買ってもいいという理屈は通らない。厳格なチェックが必要だ」と指摘する。

●政務調査費:不適当支出で11億円「返還」
        毎日新聞 2012年09月20日 10時56分
 地方議員に支給される政務調査費を巡り、これまでに住民監査請求や住民訴訟で不適当支出とされ返還を命じられた額が、延べ約11億円に上ることが全国市民オンブズマン連絡会議(事務局・名古屋市)の調べでわかった。
政務調査費の使途はこれまで「調査研究」だったが、今月施行された改正地方自治法で「その他の活動」まで拡大。「
法の改悪」との指摘も上がる。

 連絡会議によると、政務調査費は00年の地方自治法改正で制度化されて以降、各地で「議員の調査研究と無関係なことに使われている」との指摘が噴出。
住民監査請求は延べ84件、計9億5000万円が不適当支出とされ返還された。
また住民訴訟は少なくとも70件起こされ、このうち47件で違法判決が下り、返還を命じられた額は計1億5000万円に上るという。

改正地方自治法は8月に民主、自民などの議員立法で成立。「その他の活動」の具体的な範囲は、全国都道府県議会議長会などの作るモデルを参考に各地方議会が条例で定める。ただ、会派の会議経費▽人件費▽事務所家賃▽交通費▽後援会広報誌▽名刺代−−などは線引きが難しく、これまで一部に限って認められたものが、条例で範囲を広げて適法化される可能性がある。

 都道府県議長会などから要望を受け、法改正を検討した礒崎陽輔参院議員(自民)は「これまでが政務調査費の範囲を狭く解しすぎた」、逢坂誠二衆院議員(民主)は「条例制定時に住民監視すれば不正は防げる」と話している。一方、「オンブズ栃木」代表の宮沢昭夫さんは「地方自治体の財政が厳しい中、使途をあいまいにするのはおかしい」と批判している。

 新藤宗幸・千葉大名誉教授兼東京都市研究所常務理事(行政学)の話 現状も「政務調査」に使っていないことが多いのに、法の改悪だ。現状を正当化する条例ができれば住民監査請求や住民訴訟で違法支出を監視するのが難しくなる。まず政策や事業・行政の調査にかかる計画を提出し、その後精算する方式が望ましい。【青島顕】

【ことば】政務調査費
議会の審議能力を強化し、調査研究活動の充実を図るため、地方自治体が議会の会派や議員に調査研究費用として支出している。
東京都議は1人当たり月額60万円。今回の地方自治法改正で「政務活動費」と改称された。


●政務調査費の使途緩和 住民の理解得られるか
       中国 '12/9/6
 地方議員の受け取る政務調査費の使い道が緩和されることになった。「調査研究」だけに限ってきた地方自治法の改正で、「調査研究その他の活動」に資するためと間口が広がり、呼び方も政務活動費と改まった。

 詰まるところ、血税である。広島や山口の県議なら1人当たり年間420万円、広島市議は360万円を、議員報酬とは別に支給されている。

 2001年度に制度化した政務調査費は「第二の議員報酬」ともいわれ、使途の乱脈ぶりが全国で批判を浴びてきた。広島市議会でも先日、会派控室や個人事務所で使うテレビや冷蔵庫などに費やしている実態が本紙取材で明るみに出た。

 監視を続ける全国市民オンブズマン連絡会議によると、違法な支出として提訴された住民訴訟は全国で70件を超す。今回の法改正を例えるなら、時にはスピード違反もするドライバーに速度の出やすい車を与えるようなものだ。財政難の折、納税者は納得するだろうか。

 改正案はもともと政府の提案で、首長にしかなかった会議の招集権を議長にも認めるなど議会の権限を高める内容だった。
鹿児島県阿久根市で市長が議決の不要な専決処分を連発し、混乱した問題を受けてのものだ。それ自体は妥当といえる。

 ところが、政務調査費の緩和については民主、自民、公明、生活の与野党共同の修正案として急きょ盛り込まれた。

 その日の朝に衆院提案し、3時間後には委員会採決で可決。参院では法案の一括審議で、まともな議論もなしに通してしまった。

首相の問責決議で騒然としていたさなかでもあろう。

 自治法の改正は本来、実態調査を踏まえ、地方制度調査会の答申を得てもたらされるのが筋である。その手続きを踏んでいない政務調査費の問題は、より慎重な検討が不可欠だった。

 音頭を取ったのは全国の都道府県議会議長会だが、市議会議長会の足並みはそろわなかった。

調査費が年間数万円という所さえある市議に比べ、都道府県議は100万円単位を手にする。金額の差が姿勢の違いに表れているようにも映る。

 法改正では使い道を広げた代わり、その範囲は条例で定めることを義務付けた。
衆人環視の中で議論するのだから、無駄な支出は食い止められる―というのが提案者の言い分だ。本当にその通り、進むだろうか。

 広島県議会が公開している昨年度の収支報告書をみると、事務所の家賃や光熱費、人件費などを案分して計上した領収書が目立つ。本業や後援会の事務所と兼用しているからだ。

 それほどに、議員としての政務と所属政党の党務、私用の線引きは難しい。衆院の委員会審議でも、新式の「政務活動費」が政党や議員個人の政治団体に入ってしまえば、使途の限定など無意味になりかねないとの指摘も出ている。

 そもそも一律支給の、いわば「つかみ金」が要るのかどうか。必要経費ならチェックを経て精算する方式もあっていい。何より透明性の確保は欠かせまい。今後、それぞれの議会の動向を注視する必要がある。

 もとより「議員活動の活性化」の本旨に異存はない。金の動き以前に議員の言動にも評価、点検を行き届かせたい。

●改正地方自治法 政調費の使い道に厳格な枠を
         愛媛 2012年09月06日(木)
 地方議会の会派や議員に支給される政務調査費の使い道を広げる改正地方自治法が成立した。

 改悪である。政調費はそれでなくても使途基準があいまいで、飲食代に充てられる例もあるなど、とかく「無駄遣い」との批判が強い。それをさらに調査研究と無関係な使い道にまで法のお墨付きを与えかねないものだ。
 改正法は政務調査費の名称を「政務活動費」に改め、調査研究に限定していた使い道に「その他の活動」を加えた。選挙や政党・後援会活動、私的な支出を除いて幅広く使えるようにする。その範囲については、自治体が条例で定めるとした。

 政府の改正案では、民意反映のための住民投票法制化や直接請求の対象拡大規定の盛り込みが見送られ、柱は首長解職や議会の解散請求(リコール)に必要な署名数の緩和だけにとどまった。
 さらに採決前になって民主、自民両党などが議員修正し、使途拡大の項目を追加した。政調費の在り方について、十分論議が尽くされたとは言い難い。与野党国会議員は自らの支持基盤である地方議員にいい顔をしたと言われても仕方あるまい。

 政調費は政策研究や調査、会議、資料購入に必要な経費として支給される。全国では1人当たり最高月額60万円。議長への収支報告書の提出義務はあるが、領収書添付の対象金額やその公開範囲などは自治体でばらばらだ。

 これまでもスナックの飲食代や観光目的の旅費など政調費の不明朗な支出は全国で表面化している。返還を求める住民訴訟も提起され、支出の一部が違法と認定される事例も相次いでいるのが実態だ。

 愛媛県議会の場合は、県議1人に月額33万円が支給される。2011年度は、所属政党の国会議員パーティーへの参加費など疑念の残る使用例も報告された。透明性については、ほとんどの都道府県議会が1円以上の領収書添付を義務づける中、愛媛は1万円以上にとどめている。

 確かに、民意をくみ取り政策に反映させるための議員活動は幅広い。経費もいる。とはいえ、政調費を何に使ってもいいものでもあるまい。おのずと公私や選挙活動との峻別(しゅんべつ)が求められよう。使途には、厳格な枠をはめるべく十分検討してもらいたい。

 判断に迷えば、政調費には一切手をつけないぐらいの廉潔性が議員にあってしかるべきだ。税金が財源であり、住民には使い道を知る権利があることを忘れては困る。一層の透明性確保にも努めたい。
 現下の厳しい財政事情をわきまえ、地方議員の力量アップのための必要経費として住民が納得できる使い方を心がけなければならない。

●政調費:県議長、使途拡大を評価 /滋賀
         毎日新聞 2012年09月15日
 県議会の佐野高典議長は14日、8月29日に国会で成立した政務調査費20+件の使途を広げる改正地方自治法を「議員活動の範囲がかなり広くなる」と評価し、11月定例会に関連条例の改正案が提出されるとの見通しを示した。また、県議会定数の削減に向け、検討委員会を前倒しで設置する考えも表明した。

 改正地方自治法では政務調査費20+件を「政務活動費」に改称し、使途を広げる内容。
具体的な使い道は地方議会の条例で定めるが、9月定例会を前に記者会見した佐野議長は「全国議長会事務局が出すひな型を受け、条例や会議規則の変更をやらないといけない」と、全国と足並みをそろえる意向を示した。

 また、自民が昨年4月の県議選で2割減を掲げた定数削減への着手は「例年は定数について改選1年前から議論するが、今回は2年ぐらい前から議論しないと間に合わない。検討委を早く設置すべきだと思う」と述べた。【姜弘修】

●名古屋市の呆れた市議「調査費でコミック」「公費旅行に女性」「当て逃げ」
          j-cast 2012/9/12 13:24
こいつは珍しい。きのう11日(2012年9月)の名古屋市議会で、1人の市議に対する「辞職勧告決議」が全会一致で通った。
その理由というのが、政務調査費12 件でコミックを買ったとか、公費の旅行に女性を連れて行ったとか、あげくにポルシェで当て逃げというのだからあきれる。

名古屋市議会が「本人のぞく全会一致」で辞職勧告決議
辞職勧告決議を受けたのは元「減税日本ナゴヤ」の河合優市議。で、昨年2月に初当選して河村たかし市長と肩を組んだ写真があった。
当時はカメラに向かって軽トラックを指して「かっこいいでしょ。オレのフェラーリ」と言ったりする好青年の印象だった。

それがいまや、髪も刈上げて地方の政治ゴロみたいな風だ。旅行に女性を同伴した件では謝罪会見をドタキャンし、記者に「反省しとるが、ものすご反省しとるが」と言いながら、「(議員の)資質はありますよ。オレほど資質がある人いないんじゃない」「オレがやらなかったらどうなるん。エラいことになる。まあ見とけや。これから固定資産税減税やるから」などとスゴむまでに増長していた。

これで党員資格停止になっていたところへ、7月末に当て逃げを起こした。
運転していたのは軽トラではなくポルシェだった。ぶつけておいて「当たっとらん」といって走り去ったが、ナンバーから河合とわかり書類送検、党からは除名された。

ところが、「議員辞職する必要はない。さらに頑張っていく」と言い張り、きのうはポルシェではなく、軽自動車で登庁していた。さすがに決議のあとは、「重く受け止めている」と話したが辞職については「ゆっくり考えていきたい」

経歴不明朗の河村市長チルドレン
辞職決議に法的拘束力はない。居座りは可能だが、市民団体がアンケートをとったところ、99%が「辞職すべき」だったという。本人が居座るようならリコールも検討するという。

小松靖アナ「あんまり聞いたことがないですね」

東ちづる(タレント)「仕事っぷりはどうだったんですかね」

大西洋平アナ「今回はそれ以前の問題のようですよ」

この議員は経歴もよくわからない。愛知学院大卒後はコンサルタントというのだが、かつて河村市長が繰り広げた市議会との闘いのなかで、減税運動に入り込んだものらしい。
つまり、河村が見つけ出した人材というわけだ。チルドレンだかなんだか知らないが、やったことを見ると、どうやら議員の身分と権限を勘違いしていたようだ。
これは名古屋に限るまい。維新の会でもおかしな府議の話があった。劇場型の政治にはつきもの。

●政務調査費使途拡大
        宮崎 2012年09月20日
不正な支出許さない条例を

 ずさんな支出に対する住民監査請求や支出金の返還訴訟が全国各地で相次いでいる政務調査費について、調査研究以外にも使途を拡大する規定が加えられた改正地方自治法が通常国会で成立した。名称も「政務活動費」に変更された。

 野田内閣が当初提出した地方自治法改正案には入っていなかったが民主、自民、生活、公明各党の修正合意で急きょ議員提案された。衆院総務委員会は数時間審議し、賛成多数でスピード可決した。

 国民や地域の感情を逆なでするような議員提案には、近づく衆院選をにらみ、地方議員の歓心を買いたいという思惑が垣間見える。政党のこうした身勝手な行動が、政治不信を増長させることに思いが至らないのだろうか。

■宮崎市議会でも発覚■
 従来の規定は「調査研究に資するため」だったが、「調査研究その他の活動に資するため」と改定された。つまり、行政監視などの調査研究に限られていたのが、地方議員としての活動なら幅広く支出できることになった。

 一方で政党活動や選挙、後援会活動、プライベートな費用は支出の対象にできないことが示された。これは当然だ。

 しかし補助金をもらう陳情の際の旅費、地域での住民相談や意見交換会への支出は可能とされた。会派単位の会議出席には、名目を問わず旅費が支出できる。今までの制約から解放され、さらにグレーゾーンの支出にお墨付きを与えそうだ。

 県内では宮崎市議会で2010年に不正支出問題が発覚。調査特別委員会によって7件の空視察が判明し、不自然な領収書や現金の流れも指摘され、市民からの厳しい批判を浴びた。

■審議を監視すべきだ■
 訴訟などが続出している全国の実態から、国会はまず学識経験者らを参考人に招いて意見を聞き、政務調査費の在り方を検討すべきだった。

 首長と地方議員を住民が直接選挙で選ぶ二元代表制の下で議会は、行政に対する監視機能に加えて、条例制定といった政策立案機能の役割も重くなっている。

 そうした役割は議会全体あるいは議会常任委員会としての活動への期待であり、費用は当然公費となる。また第三者機関に検討や意見を求めることも可能だ。議員個人が調査研究に支出する必要性は、むしろ薄れてきているのではないか。

 突然の法改正は、議会基本条例に政務調査費の支出基準を規定したり、全議員の議論で詳細な支出指針を作成したりして、透明性や説明責任の確保に努めてきた志のある議会を戸惑わせるだろう。

 改正地方自治法では、政務活動費を充てられる支出の範囲を条例で定めることも規定した。おかしな支出を許さないため、各議会の条例案審議を徹底的に監視しなくてはならない。


全国市民オンブズマン連絡会議 公式ページ 
    全国市民オンブズマン 政務調査費 特設ページ

●地方自治法の政務調査費条項の改正に反対する

1 平成24年8月10日、地方自治法100条14項・16項(地方議会の政務調査費についての根拠規定)の改正案が衆議院で可決された。

改正案は「政務調査費」を「政務活動費」と改称し、交付の目的について14項に「その他の活動」の6文字を付加して「議員の調査研究その他の活動に資するため」としている。

この改正案は平成24年8月7日になって民主党・自民党・公明党・「生活」に所属する6名の議員が突如地方自治法の改正案に対する修正案として協同提出したものであり、国民的な議論が全くなされないまま、即日衆議院総務委員会において、共産党と社民党を除く賛成多数でこの修正案が可決され、衆議院本会議で可決されるに至った。

2 しかし、地方議会の会派、議員による政務調査費の乱脈ぶりは数え切れないほど報告されている。
提訴された住民訴訟は全国で70件を超え、そのうち47件の判決で支出の一部が違法と認定されている。
そして、それらの訴訟の争点は、いずれも、当該支出が地方自治法が定める「議員の調査研究に資する」支出にあたるか否かを厳しく問うものである。

議員や会派の調査研究に資するものではないことを理由に、多くの政務調査費が自治体に返還されている。うち6件では、違法とされた支出金額が1000万円を超えてすらいる。

3 ところが修正条項は「政務調査費」という名称を「政務活動費」と変更し、交付の目的に「その他の活動」を加えることで、これまで裁判所で違法とされてきた、およそ議員の調査研究と関係のない使い方をも合法化できる余地を広範に与えるものであって、市民から強く批判されてきた地方議会の政務調査費支出の乱脈ぶりに免罪符を与えようとするものに他ならない。

4 今日、わが国の財政は、国家においても自治体においても危機的な状況にあり、国民生活に不可欠な分野の財源すら削られている状況にある。
そのような財政状況にもかかわらず、地方議員に対する公金支出の規律をゆるめることは、財政秩序のうえからも国民に対する信義のうえからも許されるべきではない。
少なくともこのような例外扱いを地方議員に認めるのであれば、法改正の必要性をささえる合理的な理由を十分に国民に説明する責任があることはあらためて述べるまでもないことである。

5 私たちは、こうした説明責任も果たさず、議論らしい議論もないまま、お手盛りの改正案を可決したことを強く批判するとともに、これを廃案とするためにあらゆる努力を払うことをここに宣言する。

平成24年8月18日
             全国市民オンブズマン連絡会議
                       代表幹事   土橋 実
                              井上博夫
                              児嶋研二


コメント ( 0 ) | Trackback ( )



« ◆後部ベルト対... ◆10都県で過... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。