告訴状
愛知県中警察署長 殿
告訴状
平成20年12月10日
被告訴人 氏名不詳
所在地 名古屋市中区丸の内3-6-41 リブビル6階
告訴人 名古屋市民オンブズマン
代表 倉橋克実
第1 告訴の趣旨
被告訴人の下記所為は偽計業務妨害罪(刑法233条)に該当すると思料されるので、処罰されたく告訴する。
記
被告訴人氏名不詳人は名古屋市民オンブズマンが愛知県および名古屋市に対しておこなっている行政監視活動に対する信頼を侵害しようと企て、名古屋市民オンブズマンの名称を用いて「お前らも愛知県と同罪じゃ 膿は痛い思いして絞り出さないかん」などと記載した手紙および開封者をして劇毒物ないしは生物化学兵器であることを連想させる白い粉を同封した手紙を名古屋市長および名古屋市内の16区に、白い粉を同封した手紙を愛知県知事にそれぞれ郵送し、名古屋市民オンブズマンがかかる違法な脅迫行為をおこなっているかの如き印象を名古屋市および愛知県に対して与えることで両自治体の名古屋市民オンブズマンの活動の合法性に対する信頼を侵害し、もって偽計を用いて名古屋市民オンブズマンの業務を妨害したものである。
第2 告訴の理由
1 名古屋市民オンブズマンは名古屋市、愛知県を中心とした行政監視をする任意団体であり、1990年に結成以降、各種申し入れ、住民監査請求、住民訴訟など、陳情や訴訟制度を活用した平穏な活動をおこなってきた。名古屋市民オンブズマンの活動は表現の自由に則った活動であるとともに、会員はオンブズマン活動を個人的利益や党派的活動に用いてはいけないという内容の規約を遵守することが求められている。
2 この活動の一環として最近は名古屋市および愛知県の公費の不正支出の問題に取り組み、昨年は名古屋市に裏金調査の申し入れをなし、愛知県で裏金つくりが報道された本年10月以降は、10月に全庁調査の申し入れを行い、11月には文書の破棄に対する申し入れを行っている。
3 また、団体としての活動上、名古屋市民オンブズマンの名を用いて活動を行う場合には、団体として活動の承認を行ったものに対してのみ、責任の所在ならびに連絡先を明記した書面を作成して郵送している。
4 一方、氏名不詳の被告訴人の所為は開封者をして劇毒物ないしは生物化学兵器であることを連想させる白い粉を同封することで、名古屋市および愛知県に対する脅迫をとなっているが、名古屋市民オンブズマンはかかる脅迫的手法を一切認めていない。また、名古屋市民オンブズマンの申入書や意見書にはいずれも責任者ならびに連絡先が記載されており、氏名不詳者による文書のような匿名の申し入れも一切行っていない。
5 以上のとおり、被告訴人氏名不詳人による本件手紙の送付は名古屋市民オンブズマンの活動から許されない行為であるが、被告訴人はあえてこれらの所為を行うことで、あたかも名古屋市民オンブズマンが非合法活動を行う団体であることを名古屋市および愛知県に印象づけることになる。
よって、被告訴人の所為は名古屋市民オンブズマンが非合法活動を行う団体であることを名古屋市および愛知県に印象づけることで名古屋市民オンブズマンの活動の合法性、適法性に対する信頼を害するものであり、偽計業務妨害罪にあたると思われるので、本告訴をする次第である。
以上 |