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てらまち・ねっと



 「パナマ文書」という秘密文書が暴露された波紋は世界に広がっている。
 しかし、日本政府や官庁は、対応が消極的ともいわれる。
 国内の関係者で、違法性はないと豪語する人、開き直る人たちもいるけど、一番の問題は「そのツケは国民に回る」という矛盾。不公平極まりないこと。

 このブログでは、次のようなタイトルで整理してきた。
 ★(4月5日)≪「パナマ文書」という秘密の暴露の波紋≫
 ★(4月7日)≪史上最大級のリーク「パナマ文書」が暴く権力者の資産運用/世界規模のスキャンダル/さらに広がる気配≫
 ★(5月2日)≪脱税・パナマ文書/20万社以上/ 日本企業“61兆円”隠れ資産/10日に実名公表 日本企業も≫

 そして5月10日に実名が公表されて、次の各紙の報道などを記録した。

●パナマ文書が暴く 貧富の格差、世界に対応迫る/日経 2016/5/11
●パナマ文書、本当の暴露はこれからだ/ニューズウィーク 5月10日
●パナマ文書 中国2.8万件 日本関連800件/毎日 5月11日
●【パナマ文書の衝撃】中国関与突出2・8万件 「租税回避ネットワーク」浮き彫り/産経 5.11

●「パナマ文書」こう取材した 朝日・共同の記者が連携/朝日 5月11日 
●パナマ文書が暴露する税金逃れ日本企業/タックスヘイブンで“税金逃れ”していた日本の大企業とは/リテラ 4.10 
●「タックスヘイブンが不平等を拡大」 パナマ文書でピケティ氏ら書簡/東京 5月11日

●パナマ文書 <「喉から手が出るほど欲しい」> 国税当局も情報収集の見通し/毎日 5月10日
●「パナマ文書」徹底調査 安倍官邸も国税庁も“ヤル気ゼロ”/日刊ゲンダイ 5月11日

 ところで、gooブログからの昨日「5月11日のアクセス」の通知は「閲覧数 4.777 訪問者数 1.997」だった。
 朝のノルディックウォークは、さわやかな大気の中、快適だった。

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 (関連エントリーにリンクを付けた)4月5日 ⇒  ◆「パナマ文書」という秘密の暴露の波紋
 4月7日 ⇒ ◆史上最大級のリーク「パナマ文書」が暴く権力者の資産運用/世界規模のスキャンダル/さらに広がる気配
5月2日 ⇒  ◆脱税・パナマ文書/20万社以上/ 日本企業“61兆円”隠れ資産/5月10日に実名公表 日本企業も

●パナマ文書が暴く 貧富の格差、世界に対応迫る
         日経 2016/5/11
「過去最大の情報リーク」と呼ばれる「パナマ文書」。国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)は10日、同文書に含まれるタックスヘイブン(租税回避地)を使った約21万社のペーパーカンパニーに関する情報を公開した。各国首脳や富裕層らによる国際的な節税網の一端が明るみに出ただけでなく、その衝撃は税制のゆがみ、貧富の格差といった問題への対応を世界に迫っている。
■何が問題なのか
 日本時間10日未明、ICI…(1/3ページ)・・

●パナマ文書、本当の暴露はこれからだ
       ニューズウィーク日本版 2016年5月10日
 世界で最も裕福な人々は、どのようにして課税逃れをしているのだろうか。

 国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)と南ドイツ新聞は昨日、「パナマ文書」の検索可能なデータベースを公開した。オフショアでのタックスシェルター(課税逃れ)に関与する著名人、銀行、信託などの取引記録を収めたデータベースだ。

 南ドイツ新聞が昨年入手したリーク情報を、ICIJや他の100以上の報道機関が手分けして裏を取り、先月初めてその存在を明らかにして以来、さらなる情報開示を求める声が強まっていた。

 新たに公開されたデータの中には、バンク・オブ・アメリカやウェルズ・ファーゴ、JPモルガン・チェース、シティグループ、モルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックスなど、米ウォール街の大手銀行が並んでいる。また、HSBCやバークレイズ、ドイツ銀行、BNPパリバ、ソシエテ・ジェネラル、ABNアムロ、クレディ・スイス、UBSといった国際的な金融機関の名前も見える。

名乗り出た情報源
 今回公開されたデータベースは、パナマの法律事務所モサック・フォンセカから流出した資料のうち、企業20万社以上の30年に及ぶ取引記録や顧客名簿、財務資料など。

 大手グローバルバンクの多くは、タックスシェルターにおける投資顧問業務を行っているが、法律的にすれすれの課税逃れもその一つ。顧客から訴えられる銀行もある。あるアメリカ人実業家は2012年、UBSを訴えた。脱税で有罪になったのは、UBSの法的なアドバイスが間違っていたからだと主張したのだ。

【参考記事】世紀のリーク「パナマ文書」が暴く権力者の資産運用、そして犯罪

 ICIJのオンラインエディター、ヘーミッシュ・ボーランドラダーが先週末本誌に語ったところによれば、今回公開したデータはパナマ文書全体からみればほんの一部に過ぎず、個人情報や電子メールアドレス、財務情報などはあらかじめ削除されている。データベース公開の目的は、英領バージン諸島、クック諸島、シンガポールを含む10カ所のオフショア市場に設立されたファンドや会社、その顧客や株主、財団、信託にいたるまで、問題の広がりと全体像を見せることだという。「これは単なるデータ公開ではない」と、彼は言う。「公共の利益のための情報公開だ」

 情報源から入手した2.6テラバイトのパナマ文書すべてを公開するつもりはICIJにはないと、ボーランドラダーは言う。だが、その情報源は先週、南ドイツ新聞やICIJを通じて声明を発表。命の保証と引き換えであれば、すべての記録を発表してもいいと意思表示している。

「捜査当局が生のパナマ文書を調べれば、数千件の事件に発展するだろう」と、情報源は言う。またリークの動機として、腐敗の蔓延と金持ちに有利なグローバル金融システムを挙げる。「所得格差は最も重要な課題だ」

 タックスシェルターは合法的な租税回避策として頻繁に用いられる手段だ。確定拠出型年金401(k)も、積立金や運用益への課税を退職後まで繰り延べられるという意味ではタックスシェルターだ。だが、タックスシェルターで行われる金融取引は外から見えにくく、贈賄や金融犯罪、脱税などの違法行為の温床となりやすい一面もある。

収益の20%がタックスヘイブンから?
 多くの銀行はグローバルな資産運用・管理を行っており、その業務の一環として、タックスシェルターを利用する場合もある。こうした業務は銀行にとって、四半期ごとに数億ドルもの手数料を生む大きな収益源だ。たとえばバンク・オブ・アメリカの年次報告書によると、昨年の総利益の20パーセント近くが、グローバル資産運用・管理部門からもたらされた。

 グローバルなタックスシェルターを調査する非営利団体で、英国に本拠を置く「タックス・ジャスティス・ネットワーク」(TJN)は、オフショアの全私有財産の75パーセント近くは、世界トップ50のプライベートバンク、なかでも約20の富裕層向け金融機関に集中していると推定する。そしてその20行のそれぞれが、少なくとも1000億ドルの個人資産をオフショアで運用しているという。

 TJNによると、2005~2010年のその顔ぶれは、UBS、クレディ・スイス、シティグループ、モルガン・スタンレー、ドイツ銀行、バンク・オブ・アメリカ、メリルリンチ(2009年にバンク・オブ・アメリカに救済合併され、現在はその資産管理部門)、JPモルガン・チェース、BNPパリバ、HSBC、ゴールドマン・サックス、ABNアムロ、ソシエテ・ジェネラル、バークレイズなどだという。彼らが管理する個人資産の総額は12.2兆ドルに達したが、額はその後も増えていると見られる、とTJNは述べる。

●パナマ文書 中国2.8万件 日本関連800件
      毎日 2016年5月11日
主な租税回避地

 【ロンドン矢野純一】国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ・本部ワシントン)は9日午後(日本時間10日未明)、各国首脳らが租税回避地(タックスヘイブン)を使った課税逃れの実態を暴露した「パナマ文書」に含まれる約21万4000法人と関連する約36万件の個人名などをウェブサイトで公表した。

<浮上したタックスヘイブンの不透明な実態>
<スクープの裏側>パナマ文書入手の独紙記者語る
<「喉から手が出るほど欲しい」>国税当局も情報収集の見通し

租税回避地での法人設立に関与した法人・個人の住所地が多い国・地域
 公表データのうち租税回避地に設立した法人や信託の役員・株主(個人・企業)などの住所地は、中国や香港が突出し、「チャイナマネー」の拡散ぶりが示された形だ。中国は2万8073件で、香港は2万1041件に上る。日本は重複分を含め806件。

 中国が突出しているのは、特権階級などが安全に資産を海外に持ち出すために租税回避地を利用しているためとされる。パナマ文書の流出元のパナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」は、香港などにある銀行や法律事務所などから依頼を受け、租税回避地に法人などを設立していた模様だ。

 今回公表されたのは、英領バージン諸島など21カ所の租税回避地に関する法人や個人の情報。南ドイツ新聞社が入手したパナマ文書を国際的な調査報道のため提供を受け分析していたICIJが、検索可能なデータベースの形で公開した。

 データには租税回避地に設立した法人を隠れみのにして課税逃れを行っていた疑いがある実質的所有者や、仲介者、代理人の名前や住所なども含まれている。名義を貸しただけの人物も一部、交じっているとみられる。

 タックスヘイブンは税率の低さに加え、設立法人の実質的所有者の身元を隠して容易に法人が設立できるため、節税目的以外で使用する企業もある。一方で、組織犯罪やテロ組織が違法に入手した資金の出所が分からないようにする資金洗浄や、政治家が汚職で得た財産の隠匿にも利用されているといわれる。ICIJは租税回避地の利用を「根本的な不正義や不公平につながる」と批判している。

 租税回避地の利用で失われた推定税収額は、全世界で年間約10兆〜25兆円とされる。国連貿易開発会議(UNCTAD)は今月3日、世界の企業が昨年1年間だけで、2210億ドル(約24兆円)もの巨額資金を税率の低い国や地域に移していると公表している。

 公表された情報は、租税回避地を使った課税逃れや資金洗浄、不正蓄財などの取り締まりを進めたい主要国当局が求めている内容。各国の税務・捜査当局は、租税回避地を利用する実質的な所有者の特定や違法性の有無などの捜査や調査に着手しており、今回のデータも活用しさらに実態解明を進めると見られる。
 ICIJのウェブサイトのアドレスはhttps://offshoreleaks.icij.org

●【パナマ文書の衝撃】中国関与突出2・8万件 「租税回避ネットワーク」浮き彫り
         産経 2016.5.11
パナマ文書に登場する関係法人・個人の所在地
 国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)がホームページ上で公表した「パナマ文書」のリストによると、タックスヘイブン(租税回避地)の法人に関与している件数としては、所在地別でみると中国の法人などが約2万8千件と突出して多かった。多くの取引が香港やスイスを経由するなど、世界に広がる「租税回避ネットワーク」が明らかになった。(藤沢志穂子)

 中国の件数は本土に限られるかは不明。ほかに香港(約2万1千件)、米国(約6800件)、シンガポール(約5700件)などが目につく。多国籍企業が拠点を置いたり、富裕層が居住したりしている国・地域とみられる。

 米国が意外に少ないのは、デラウェア州など国内に優遇税制制度がある州が多く、わざわざ不透明な租税回避地を利用する必要がないケースが多いためとみられる。

 ICIJのサイトでは、日本を所在地とする個人・法人は約800だが、他の国と同様に重複している事例もありそうだ。

 流出した「パナマ文書」に登場する顧客は、香港やスイスなど金融業の発達した国にある銀行や法律事務所に節税対策を依頼。パナマの法律事務所モサック・フォンセカが手続きを請け負い、パナマや英領バージン諸島など租税回避地に法人を設けていた。

親族や友人が法人設立に関与したとされる世界各国の有力政治家では、すでにアイスランドの首相が辞任。キャメロン英首相のほかプーチン露大統領、中国の習近平国家主席らの友人や親族の名前が挙がっているが、違法性をめぐる釈明には温度差がある。

 パナマ文書は、国際的な税制の隙間や抜け穴を利用した節税を公にした点で意義がある。

 全てが違法とはいえないまでも、国家間の情報交換や金融取引の透明化に向けた協力体制の構築が急務だ。

●「パナマ文書」こう取材した 朝日・共同の記者が連携
       朝日 2016年5月11日 五十嵐聖士郎、編集委員・奥山俊宏
 約80カ国のジャーナリスト約400人が国や報道機関の枠を超えて取り組んだ「パナマ文書」報道。日本からも国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)と提携する朝日新聞と共同通信の記者が参加した。どのように膨大な極秘データを共有し、取材に取り組んだのか。

■住所地の法人に手紙を出すと……
 ICIJの副事務局長からメールが朝日新聞の記者のもとに届いたのは、1月23日だった。

 「新しいプロジェクトに朝日新聞も参加してほしい。タックスヘイブン(租税回避地)が日本を含む世界各地の資金隠しを助けている問題だ」とあった。

 電話で概要を聞き、提携に関する合意書を送った。2月18日、パナマ文書の電子ファイルのデータベースにアクセスできるパスワードが送られてきた。

 ファイルは2・6テラバイト。タックスヘイブンにある21万余の法人の情報が含まれていた。旅券のスキャン画像もあれば、アイスランドの前首相の署名の入った株式譲渡合意書もあった。

 21万余の法人の株主や役員のうち、日本が住所地とされるのは個人と企業で計400余。ICIJがリストにまとめていた。朝日新聞記者らがこれらの住所地を日本語に直し、日本人とみられる相手に手紙を出した。しかし、あて先不明で多くが戻ってきた。

 カリブ海の英領アンギラ島に昨年12月、設立された法人の株主とされる日本人も、そうした一人。住所地となっている北関東の繁華街を記者が実際に訪ねたが、住所は実在しなかった。法人の名をネットで検索すると、「当サイトのカップル成立率は92・4%」との画面が現れた。いわゆる出会い系サイトだった。

 英領バージン諸島に2005年に設立された法人の株主の場合、名前は東京都内にある学習塾の運営会社と同じで、所在地は同社の株主のブライダル会社と同じだった。ブライダル会社の社長は現在、政府に助言をする非常勤の役職も務めている。

 学習塾運営会社にたずねると、「出資の事実はない。勝手に名前が使われたのだろう」との回答だった。ブライダル会社の社長は「何も知らない」と回答。「住所貸しを承諾したこともなく、郵送物が送られてきたこともない」と説明した。

 こうしたなかで、記者たちは、各種のデータベースや住宅地図、登記簿を調べ、関係者の証言を集め、実態の取材を進めた。

 提携では取材データを共有するが、それをどう評価し、報じるかは各社の判断に委ねられている。朝日新聞は共同通信とも情報交換し、資産や利益を租税回避地に移して納税額を減らそうとした人がいたことや、中国進出の際に日本企業であることを隠そうとした美容グループなど中国ビジネス関連での租税回避地利用が多いことなどを報じた。

●パナマ文書が暴露する税金逃れ日本企業
パナマ文書が暴露! タックスヘイブンで“税金逃れ”していた日本の大企業とは…文書に「DENTSU」の名前

      本と雑誌のニュースサイト/リテラ 2016.04.10  小石川シンイチ
・・・・・・・(略)・・・
 他にも、ネットでは、この膨大なデータベースからつきとめたとする複数の企業名が上がっている。三菱商事、丸紅、ファーストリテイリング、オリックス、バンダイ、商船三井、大日本印刷、大和証券、ドワンゴ、ドリームインキュベータ、JAL、日本郵船……。
 さらには、大手広告代理店の電通も上がっている。たしかに、本サイトでもICIJが公開したnode csv.ファイルを検索したところ、「DENTSU INC」、「Dentsu Asia Fund I」という名前がそれぞれ1箇所出てきた。※その後、これらの企業名は、パナマ文書とは別にICIJが公開した過去の租税回避行為に関与した企業名リスト「オフショアリークス」のファイルであることが判明した(4月11日13時30分 情報を訂正・更新しました)。

 ただし、現時点では、これらの企業名や住所が記載されているということしかわからず、具体的にどう関与したかは、それぞれの国の政府とマスコミが調査する必要がある。

 だが、日本ではそれは難しいだろう。事実、菅義偉官房長官は早速、調査に否定的な見解を表明したし、おそらくマスコミもこれ以上、実名を詳しく報道することはないだろう。

「出てくる企業名は、電通をはじめ、大スポンサーばかりですからね。マスコミがわざわざ企業名を暴くとはとても思えません」(全国紙経済部記者)

 だが、こうした「租税回避行為」は日本の大企業によって日常的に行われているのが現実だ。2013年には「しんぶん赤旗」(8月25日付)がタックスヘイブンに子会社を設立している大企業のリストを掲載したことがある。
 1位:三井住友フィナンシャルグループ タックスヘイブン子会社の資本金総額 2兆9788億円 2位:NTT 同7957億円 3位:三菱UFJフィナンシャルグループ 同7554億円 4位:JT 同4877億円 5位:三井住友トラストホールディングス 同7554億円 6位:トヨタ自動車 同3287億円……。

 同紙が有価証券報告書を調べた結果、東証に上場している時価総額の上位50社のうち45社が子会社をタックスヘイブンに設立しており、その子会社の数は354、その資本金の総額は8.7兆円にもなるという。日本の大企業のかなりの部分は、タックスヘイブンに巧妙に利用し、「租税回避行為」を行っている現実がある。

 こうした抜け穴がある限り、富裕層や大企業がますます富み、手数料ビジネスの会計事務所は大儲け。一方で、租税回避された税の穴埋めは中所得層以下の税負担によって補われる。税の不平等が加速するのだ。
 現在、米オバマ政権が、この租税回避行為の防止に積極的に動いており、日本もマイナンバーを導入するなど、米国と一致した行動を見せようとしているが、政策的にはチグハグさが目立つ。

「租税回避行為を抑制するために導入したはずのマイナンバーは政府が国民を管理するために使い始めています。さらに、安倍政権では企業の国際競争力を高めるためとして、法人実効税率を引き下げる方針を掲げているが、タックスヘイブンと同じ土俵で税金引下げ競争に参加しているだけのこと。このように日米間でも足並みが乱れており、大企業はその抜け穴を利用して、今日も租税回避行為に邁進するというわけです」(新聞記者)

 先ごろの国際金融経済分析会合では、ノーベル経済学賞受賞者のジョセフ・スティグリッツ米コロンビア大教授が「投資を促さない」と法人税減税に否定的な指摘をしたが、それでも安倍政権は「世界で一番企業が活躍しやすい国」を目指し法人税減税に躍起となる。
 現実には「世界で一番企業が活躍しやすい国」日本で稼いだカネは、国内を還流せず、タックスヘイブンで運用され、世界に投資される、これでは日本の景気が良くなるはずはないだろう。

●「タックスヘイブンが不平等を拡大」 パナマ文書でピケティ氏ら書簡
             東京 2016年5月11日
 「パナマ文書」で問題となっているタックスヘイブン(租税回避地)に対し、世界の経済学者たちが批判を強めている。各国政府の指導者に「対策の強化を」と求めて国際ボランティア団体が発表した公開書簡には、格差問題を掘り下げたフランスの経済学者トマ・ピケティ氏や、ノーベル経済学賞を昨年受賞したアンガス・ディートン米プリンストン大教授ら経済学者三百五十五人が署名した。

 九日付の書簡では、タックスヘイブンについて「一部の富裕層や多国籍企業を利するだけで、不平等を拡大させている」と言及。経済学者の立場から、その存在を「世界全体の富や福祉の増進に何ら寄与せず、経済的な有益性はない」と断じている。
 書簡を作成して、世界の経済学者に賛同を呼び掛けたのは、貧困に苦しむ人々の支援を続けているオックスファム(本部英国)。「先進国だけの問題ではなく、途上国も年間千七百億ドル(約十八兆四千八百億円)の税収入が失われている」と指摘、その結果、地球上で四億人が満足な医療を受けられずにいると訴える。

 ピケティ氏は、世界的なベストセラーになった著書「21世紀の資本」で知られる。富裕層と低所得者層の格差問題の是正に向け、累進課税の強化を求めている。オックスファム関係者は「ピケティ氏が今回の署名に加わってくれたおかげで、私たちの活動に弾みがついた」と喜ぶ。
 署名に名を連ねたのは欧州各国や米国のほか、インド、スリランカなど三十カ国の経済学者たち。日本人はいないという。

◆「世界経済をゆがめている」公開書簡全文
 世界の指導者たちへ
 私たちはタックスヘイブンが存在する時代を終わらせるべく、ロンドンで今月開かれる腐敗防止サミットで議論されるよう求める。タックスヘイブンの存在は、世界全体の富や福祉の増進に何ら寄与せず、経済的な有益性もない。一部の富裕層や多国籍企業を利するだけで、不平等を拡大させている。

 「パナマ文書」などで明らかになったように、タックスヘイブンによる税逃れ行為は各国の国益を損なっている。貧しい国々は最も大きな影響を受けており、少なくとも毎年千七百億ドル(約十八兆四千八百億円)の税収入を失っている。

 私たち経済学者の間には、個人や法人の所得に対する課税のあり方について、さまざまな見方がある。だが、現実は活動実態がないペーパー会社などが存在して世界経済をゆがめている。脱法行為の隠蔽(いんぺい)や、富裕層や多国籍企業が別のルールで行う活動を許すと、経済成長を支える法の秩序も脅かされる恐れがある。

 タックスヘイブンを覆う秘密のベールをはぐため、新たな世界的な合意が必要だ。各国政府も会社に関する真に有益な情報を公開して、自分の「家」の中をきれいにしなければならない。(自治領を多数抱える)英国は、世界のタックスヘイブンの三分の一を占めており、サミットの議長国として議論をリードする立場にある。

 タックスヘイブンを根絶するのは容易ではない。既得権益を守ろうとする抵抗勢力もある。だが、(十八世紀の古典経済学者の)アダム・スミスは言った。「富を持つ者は収入の割合に応じてでなく、その割合以上に公共に貢献すべきだ」と。タックスヘイブンはその言葉とまったく逆で、経済学的な正当性はない。

●パナマ文書 <「喉から手が出るほど欲しい」> 国税当局も情報収集の見通し
         毎日 2016年5月10日
 日本の国税当局は近年、富裕層や企業による租税回避地(タックスヘイブン)を使った脱税や資産隠しがないか監視を強化している。「パナマ文書」にはこうした調査の端緒になる資料が含まれている可能性があり、国税当局も必要な情報収集を進めるとみられる。

 国際課税に詳しい国税OBは「タックスヘイブンとつながる顧客や仲介業者がまとまって記されている資料は貴重で、各国の税務当局とも喉から手が出るほど欲しい」と指摘する。ただ、国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が今回公表した情報には、国際的な資金の流れが詳細に分かる資料は含まれていないとされる。

 国税幹部は「タックスヘイブンでの口座保有や会社設立自体は違法ではなく、合法的な手続きを取っているはずだ。金や資産の動きを追跡しないと白黒つけがたい」と説明する。文書に名前がある法人が現在も存続しているかもはっきりせず、別の幹部は「文書に記された個人や企業と接触できるかどうか精査が必要」と慎重な姿勢を示す。

 一方で、日本は海外諸国と租税情報の交換を進めている。今後、パナマ文書に名前がある日本の企業や個人に関する情報が他国から提供されれば、資金の流れの解明が進む可能性があるとみられる。

 ICIJのデータに記された日本関連の個人名や企業名は300を超える。「名前を公表された富裕層や企業はたとえ違法行為がなくても社会的ダメージが大きい。説明責任を果たす必要があるのでは」との指摘も出ている。【松浦吉剛】

●「パナマ文書」徹底調査 安倍官邸も国税庁も“ヤル気ゼロ”
       日刊ゲンダイ 2016年5月11日
 全容が公開された「パナマ文書」。名前が挙がった日本人230人や企業20社の中には、政府関係者も含まれている。本来、租税回避をやめさせる立場にある人物が、逆にタックスヘイブンを使っていた“疑惑”があるなら、政府として調査するのは当たり前。だが、安倍政権はやる気ゼロだ。

 11日行われた衆院財務金融委員会。加藤勝信1億総活躍相の義姉で、内閣官房参与の加藤康子氏が代表を務める会社名が、パナマ文書に記載されていたことについて、内閣府の牧島かれん政務官は「報道については承知しているが、文書の具体的な中身は承知していない」とスットボけた。

 さらに、今後調査するかについて問われると、「『租税回避に関与している事実はない』と聞いている」「ご本人の方で調査して報告があると思う」と答弁したから、ア然だ。仮に関与の事実があったとしても、本人が素直に認めるものか。そこを徹底的に調べ上げるのが国の役割だろう。

また、政府の産業競争力会議で委員を務める楽天の三木谷浩史会長についても、内閣府の高鳥修一副大臣は「報道で名前があっただけ。現時点では特別の調査は考えていない」と言い切った。

 委員会で質問した民進党の宮崎岳志衆院議員はこう言う。

「調査をすれば、政治家本人が関わっているケースが見つかるかもしれません。不適切な租税回避をしている企業から多額の献金をもらっている政治家が出てくる可能性もあります。安倍政権としては、戦々恐々でしょう。何も調べずに済ますことは絶対に許されません」

 パナマ文書は4月に公表されて以降、世界の政治家を“直撃”している。アイスランドではグンロイグソン首相が資産隠し疑惑で辞任。名前が挙がったロシアのプーチン大統領や中国の習近平国家主席らは“火消し”に躍起だ。ノンビリ構えているのは日本ぐらいだ。

■国税庁は「問題あったら対応する」
 10日開かれた民進党の「パナマ文書調査チーム」によるヒアリングでも、国税庁は「問題があったならば対応する」と腰の引けた答えだった。

「国税庁からは全くやる気を感じられなかった。もし調査しないのであれば、パナマ文書を公開した人たちの意に反することになります。怪しいからこそ、全世界でニュースになっているわけですから。このままでは諸外国から笑われますよ」(民進党の山井和則国対委員長代理)

 安倍政権は5月末の伊勢志摩サミットで、課税逃れ対策などの行動計画を発表する方針だというが、自国の暗部にはメスを入れないパフォーマンス。こんな政府に怒りもせず黙っていたら、損をして、笑いものになるのは日本国民だ。

コメント ( 2 ) | Trackback ( )



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コメント
 
 
 
Unknown (Unknown)
2016-05-12 16:35:48
タックスヘイブンの利用で、税が軽減され得をしているのが良くないといっている人達は、これ合法にやっていて脱税ではないのだから、同じように利用すればよいではないか? 利用している、だれだれがーとかどこどこがー、と言ってるのは、乞食根性にしか聞こえないな。
 
 
 
筋違い (●てらまち)
2016-05-13 05:57:41
★とくめいさん

そもそも違法か適法かは、まだ調査と判断がされていないのに、「脱税ではない」とコメントする人の神経が理解でません。

>乞食根性

であるかどうかに関係なく、「納められる税金」が「その分」減れば、「国民や納税者」が負担する割合が増えるから、不公平は明らか。
 
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