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てらまち・ねっと



 昨日5月21日の石原産業による愛知県の撤去命令処分の取消訴訟の続報。
    石原産業の提訴の昨日の公表はこちら
 インターネットで新聞が出てこないので、とりあえずはコピー。
 寄せられた声や私見を少し(今日は忙しくて時間が無いので改めて)。


 ●提訴で瀬戸市の撤去がストップするのでは?
   ⇒インターネットでそういう風にいう人もいる。しかし、提訴したからといって、法律上は、命令の履行義務が凍結になるわけではない。よくある、大規模道路建設で、計画決定し事業を遂行しているとき裁判を起こしても工事が進むのと同じ。
 ただし、石原産業が提訴を理由として、「撤去作業を自主的に止める」可能性はある。

 ●和解狙いでは?
   ⇒現地処分を認めさせたいという意味では、「撤去命令」と「不法投棄の現状」との中間点を強引に要求しているのかも知れない。が、愛知県知事の廃掃法にかかる今回の命令は、国の統一した事務の一端なので、愛知県知事が特例的にあるいは任意に緩やかな判断・対応をする、つまり「和解」なんてことは許されていない。
 単に「撤去期限の超長期の延長狙い」の可能性もある。

 ●撤去命令の行方は?
   ⇒どちらにしても、愛知県知事が瀬戸市の撤去命令期限を延長(変更)するのは流れとみられていたところ、提訴されてしまっては、あるいは、石原産業が撤去作業を中断すれば、愛知県知事による撤去命令期限の延長(変更)は無くなるのが道理。
 こんな中での提訴の真意は、結局は、「瀬戸市の撤去・搬出はもうイヤ」、なんだろう。現地処分の強引な道付けかな。

 ●撤去命令期限に遅れたとき
   ⇒いずれにしても、撤去命令の期限が履行されなければ、措置命令違反で発令者の愛知県知事が告訴・告発するとか、住民が告発するとかの段階になる。
 既に昨年11月、三重県と岐阜県から告発されて、合同捜査本部の捜査が続いている中、自ら新たな法違反の状況に飛び込む真意は、はかれない。

 昨日のこのブログの投稿へのコメントにもあったが、「ヒューザーの小島社長」なみ。マネしたのか??
   ・・・・

 (22日18時にリンクを追加→)
  愛知県の吉川さんの 昨日の瀬戸市の検討委員会の傍聴記

県と瀬戸市「フェロシルト封じ込め案」否定 石原産業は撤去取り消し求め提訴
    5.22中日 尾張版
 瀬戸市幡中町に埋められた大量の土壌埋め戻し材「フェロシルト」の撤去計画が立っていない問題で、県と市、製造元の石原産業(大阪市)、地元住民でつくる「幡中地区フェロシルト撤去方法等検討会」の第二回会合が二十一日、瀬戸市役所で開かれた。県と市は現地に留める「封じ込め案」を否定したが、石原産業は同日夕、県の幡中町地区分の撤去命令取り消しを求め名古屋地裁に提訴したことで、県や市側の発言が即座に打ち消される形となった。 (鈴木智重)
 四月十五日の初会合で、大量で長期間の撤去により飛散などの危険性が増えるとして、委員の学識者が「除去しない方法もあり得る」と提言していた。この日の会合では、県と市の担当者が「住民への影響に配慮した方法が原則で、撤去以外は検討しない」と確認、封じ込め案を打ち消した。
 会場で石原産業は、撤去命令取り消しを求める訴訟を起こすことについては全く触れなかった。
 会合では、追加ボーリング調査で六価クロムは検出されず、「現時点の健康への影響はない」と評価。具体的な撤去方法や期間などが提示されなかったため、地元住民代表から「(六月十日予定の)次回には複数の計画モデルを示してほしい」と要望があった。
 幡中町の造成地には全国最大規模の約十三万七千トンが埋まり、土砂との混在分を合わせた撤去量は百五十万-三百万トンに上る見込み。十五日から現地での撤去作業が始まり、二十一日までに約千トンを袋詰めした。八月十五日の撤去期限を守るのは事実上不可能で、完全に撤去するには数年かかると予想されている。

 05.22中日 社会面
(写真をクリックすると拡大。写真右下あたりのクリックでさらに拡大)

 フェロシルト撤去取り消し求め提訴  石原産業「健康に支障ない」
 土壌埋め戻し材「フェロシルト」の撤去問題で、製造元の石原産業(大阪市)は21日、愛知県瀬戸市幡中地区の埋め立て分について、愛知県による撤去命令の取り消しを求める訴えを名古屋地裁に起こした。同社は「量が膨大で撤去が難しい。問題となった六価クロムが検出されていないため、現場での『封じ込め策』を選択肢にしたいと考えた」と説明。他県を含めたほかの現場は「従来通り全量撤去する方針」としている。
 同社によると、命令を受けて半年を経過する直前のこの日が、提訴可能な期限だった。炭野泰男経営企画管理本部長は「命令に従いたくても物理的に不可能になる恐れが強かった」と説明。従来の「全量撤去」の約束を裏切る点については「誠心誠意、地元の理解を求めたい」とした。
 訴状では、環境基準を超えるフッ素が検出されている点について「自然に由来する可能性が極めて高い。すぐに撤去しなくても住民の健康に支障はない」と主張。逆に20万トンともいわれる撤去を進めた場合、延べ10万台を超えるトラックの運行で交通事故や粉じん被害などが懸念されるとし、土壌流出を防ぐ策を講じた上での「封じ込め策」を選択肢に挙げた。
 この日、瀬戸市では同社と愛知県、瀬戸市、地元住民でつくる「撤去方法等検討会」の第2回会合が開かれたが、同社からは一切、提訴に関する説明はなかった。封じ込め策は先月の初会合から浮上していたが、県や市は反対の立場だった。市民団体「瀬戸市にこれ以上産廃はいらない会」の川村正子代表(66)は「裏切り行為だ」と批判。同県環境部は「訴状を見ておらずコメントのしようがない」としている。   05.22中日



 05.22朝日 左・社会面 右・一面


 05.22毎日 一面   05.22毎日 社会面


 05.22読売 一面
フェロシルト撤去命令 石原産業、愛知県を提訴  瀬戸13万トン分 取り消し請求 「二次被害の恐れ」
 土壌埋め戻し材「フェロシルト」の不正処理問題で、全国最多の13万7000トンが埋められた愛知県瀬戸市幡中町の埋設分について、製造元の石原産業(大阪市)は21日、同県を相手に撤去命令の取り消しを求め、名古屋地裁に提訴した。同社は「県の調査でも、周辺や現場から環境基準を超える六価クロムは検出されていない。すぐに撤去しなくても周辺住民の健康に及ぼす影響は低い」としている。
 同社によると、現場では、フェロシルトは土砂と混ぜて埋められているため、土砂を含めた撤去量は150万トン以上に上る。すべてを撤去する場合、延べ10万台を超えるトラックの通行による粉じん、排ガスなどによって、周辺住民に二次被害を及ぼす恐れがあると主張している。
 同社が埋設したフェロシルトは全国4府県で、計約72万トンに上り、撤去作業を進めている。愛知県は、この地区を含め、県内9か所について、同社に撤去命令を出している。
 同社の炭野泰男・経営企画管理本部長は「埋設現場の外周に遮水層を設置するなどして、フェロシルトを安全に封じ込める案を検討している。他の地区については、撤去する方針に変わりはない」と話している。
 愛知県の林清比古・環境部長は「実際に撤去した場合、どれくらいの二次被害が出るのかも明らかにしないまま、撤去に応じないというのは残念だ。石原産業に真意を聞きたい」と話している。  5月22日 読売新聞


 05.22読売 社会面
  石原産業提訴 「話し合い何だった」 地元住民 怒りあらわ
 愛知県瀬戸市幡中町に埋設されているフェロシルトについて、石原産業が21日、撤去命令の取り消しを求めて提訴したことについて、地元住民からは反発の声が上がった。処分場が確保できないことから、同社の撤去作業は大幅に遅れており、東海3県では計13か所で、計約56万トンが残されたまま。うち6か所は手つかずの状態となっており、住民の間に不安が広がった。
 この日は、幡中地区のフェロシルトの処理方法を検討する会議が開かれた。同社側も参加したが、提訴の話は一切なく、6月10日の次回会合までに撤去の作業計画を示すよう求めたばかり。会議後、提訴を知った地元の菱野自治会フェロシルト対策特別委員会委員長の伊藤明さんは「ほかでは撤去に応じているのに、ここだけ撤去しないというのは、納得できない。話し合いは何だったんだ」と怒りをあらわにした。
 今月15日に撤去期限が過ぎた同市北丘地区では、同社が今月になって、土砂を含むフェロシルト約8万トンについて、現場に隣接する民間処分場に運び込む計画を県などに示した。しかし、その処理場は工事中で、9月ごろまで持ち込めないため、県は撤去期間が長すぎるとして拒否。地元自治会の伊藤佳宏・前会長は「石原産業は信用できない。北丘で同じようなことにならないよう、同社に撤去を強く求めていく」と話した。
期限内の撤去は困難
 東海3県では、岐阜県の6か所で計約4万トンが残され、撤去の見通しは立たないままとなっている。三重県では、10万トンを超える現場2か所が手つかずの状態。石原産業は8月末までに撤去するとしているが、10万トンを運ぶには10トントラックを1日に100台以上走らせなくてはならず、期限までに撤去するのは困難な状況だ。  5月22日 読売新聞


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コメント
 
 
 
提訴の狙いは心理的な効果 (よろずや)
2006-05-22 13:46:10
よろずやです



てらまちさん

>提訴の真意は、結局は、「瀬戸市の撤去・搬出はもうイヤ」、なんだろう



吉川さん

>愛知県は、馬鹿にされている



兼松さん

>愛知県の対応が、石原産業に提訴の理由を与えたと現時点では考える



よろずやは心理的な効果と思います



1.愛知県を揺さぶる狙い

2.あわよくば金が浮く

3.消費者との直接の接点がない企業だから影響が小さい



だとすると



1.愛知県がブレると思うつぼ。ブレるな!

2.いつもの先送り、結局高くつく

3.塗料メーカーなど取引先の動向が鍵
 
 
 
リンクさせて頂きました (みつこ)
2006-05-22 17:02:14
みつこです。

昨日からあわただしい時間を過ごしています。



愛知県への公開質問状の回答をブログに載せる間もなく、新たな展開です。



新聞のスキャン手抜きで、てらまちさんのブログへリンクさせていただきました。よろしくお願いします。
 
 
 
真意 (●てらまち)
2006-05-22 18:27:48
★よろずやさん、こんにちは。

 ご無沙汰しました。

 かなりな期間、ブログの更新が無かったので、BOOKMARKからずらしてしまいました(笑)



>心理的な効果と思います

1.愛知県を揺さぶる狙い



⇒そんなことで揺さぶられる愛知県ではないでしょう。

 ただ、不確定要因として瀬戸市の動向。



>2.あわよくば金が浮く



⇒不法投棄しておいて、そんな算段するのが信じられないですよね。



>3.消費者との直接の接点がない企業だから影響が小さい



⇒それは、いえますね。



>だとすると

1.愛知県がブレると思うつぼ。ブレるな!

2.いつもの先送り、結局高くつく

3.塗料メーカーなど取引先の動向が鍵



⇒しかり。

 この時期の提訴は、株主というか株価対策にあるのは間違いないですね。



★みつこさん、こんにちは。



>・・愛知県への公開質問状の回答をブログに載せる間もなく、新たな展開です。



⇒ご苦労様です。

 誰も、100人中100人が予想もしなかったウルトラ?ですね。



>新聞のスキャン手抜きで、てらまちさんのブログへリンクさせていただきました。



⇒ありがとうございます。

 こちらも、先ほど、瀬戸市の検討委員会の傍聴記へのリンクを文中に追加しました。
 
 
 
Unknown (Yoshi)
2006-05-22 23:02:53
わけがわからないこの展開。

全く予想していませんでした。

一般の消費者に直接関係のある製品を作っていたら、

絶対にこんなことしてませんよね。

やっと撤去までこぎつけたのに、また振り出し。

とても、残念。

 
 
 
展開は? (●てらまち)
2006-05-23 08:15:44
★Yoshiさん、おはようございます。



>わけがわからないこの展開。

全く予想していませんでした。



⇒ほんとに驚きで予想外。



>一般の消費者に直接関係のある製品を作っていたら、絶対にこんなことしてませんよね。



⇒製造だからでしょうか、株主優先ですね。



>やっと撤去までこぎつけたのに、また振り出し。とても、残念。



⇒紆余曲折が続きますね。

 もともと、会社の不正行為の塗り重ねが原因。発見が遅れれば、もっと多大な出費を社会的に要求されたのにね。
 
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