先日、石原産業のフェロシルト事件についての投稿に九州の人からコメントがあった。
「・・石炭灰は微量の重金属を含み、それが流れ出すことを町民は危惧しています。熊本県が認可しましたが、町民からの訴えで、29日に現地調査に入ることになりました・・」
2006.3.8 ◆フェロシルト 知事の姿勢 撤去期限変えないが、告発はせず。
フェロシルトと同様の懸念、との趣旨。
さもありなん・・
少し情報を見てみた。
九州電力、間組、・・ほか
「・・熊本県苓北町は県の産業廃棄物最終処分場の候補に・・『絶対に作らせない』といった申し入れをして凍結・・
もう1点は、火力発電所から排出される石炭灰・・を埋め立てている。石炭灰そのものが重金属を多く含んでいるのに、それを固めたら害が出ないというのはおかしい・・説明会の際に、『もしも有害物質が流れ出て被害が出たらどうするのか』と質問したら、『被害が出たら取りやめる』といった答え・・」
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● 熊本大学と熊本県 ゼロ・エミッション(zero emission)とは
熊本大学と熊本県の担当者による協議会を8回にわたり開催し、県内で排出される廃棄物を再資源材料として使用したリサイクル建設資材について、解決すべき課題の抽出、課題解決方策とリサイクル資材利用促進方法の検討を行った。
・・ (5)火力発電所で発生する石炭灰の地盤改良材への適用
● 熊本県環境保全協議会「会員紹介」 から引用
九州電力株式会社 【ホームページアドレス】 九州電力株式会社
苓北発電所
【所在地】熊本県天草郡苓北町大字年柄字苓陽1091番地
【会社概要】
苓北町は,天草の中でも一番大きい天草下島の西北端に位置し,島から斧のように突き出た富岡半島をはさんで西は天草灘から東シナ海をのぞみ,北から東に有明海,さらに対岸に島原半島と雲仙普賢岳を見ることができ,周辺は自然に恵まれた地域です。
苓北発電所は海外炭を燃料とする石炭専焼の火力発電所として,平成7年の1号機営業運転開始以降,天草の自然環境を守っていくために万全の環境保全対策を講じています。
営業運転開始;1号機:1995年12月(出力 70万kW),
2号機:2003年6月(出力 70万kW)
● 間組 事業報告 から引用
■石炭灰を有効利用した路盤・人工地盤材『アッシュクリート TypeⅡ(AC-Ⅱ)』 Enterprise report 2005 15
-熊本県苓北町に石炭灰のリサイクルプラントが完成-
石炭火力発電所から産出する石炭灰は、資源有効利用促進法(リサイクル法)においても指定副産物に定められており、再生資源としての有効利用
拡大が急務となっています。その様な背景の下、当社ではこれまで種々の石炭灰有効利用技術を開発してまいりました。その中の一つ、アッシュクリートTypeⅡ(AC-Ⅱ)は、外部振動で石炭灰を安全かつ高品質に固め、路盤材や盛土材に適用する技術で、財団法人建材試験センターの環境主張建設資材適合証明を取得しています。このたび、熊本県の苓北町において、AC-Ⅱの製造プラントが完成しました。
これは、現地のリサイクル会社((株)エコアッシュ)が所有する中間処理施設で、当社との技術提携の下、AC-Ⅱを大量に製造・供給することが可能です。平成17年2月からは、苓北町、エコアッシュ、当社が共同で実証工事を行っており、今後の工事拡大に向け、着々と実績を積み上げています。当社は、今後も、石炭灰や焼却灰のリサイクル事業に積極的に参画してまいります。
熊本県苓北町に石炭灰のリサイクルプラントが完成
石炭灰のリサイクル技術「アッシュクリートTypeⅡ(AC-Ⅱ)」を開発しました。これは、外部振動で石炭灰を安全かつ高品質に固め、路盤材や盛土材に適用する技術で、(財)建材試験センターの環境主張建設資材適合証明を取得しています。
2004年9月に、当社と熊本県苓北町のリサイクル会社((株)エコアッシュ)との技術提携の下、AC-Ⅱの製造プラントが完成しました。2005年2月からは、現地で実証工事(打込み量約15,000m3)を行っており、今後の事業拡大に向け実績を重ねています。
現場密着型技術の紹介
農業分野への石炭灰の有効利用技術に関する研究
-農業分野への有効利用をめざして,石炭灰の研究を行っています。 -
当社廃棄物の中でもとりわけ多い約8割(45万トン/年)を占めるのが,石炭火力発電所から出る石炭灰です。当社の石炭灰リサイクル目標は90%以上で,その数値は達成できています。しかし,うち6割を占めるセメント原料へのリサイクルには高額な処理費用がかかっているのが現状です。また,景気の低迷などによりセメント生産量そのものが低下傾向にあるため,今後,セメント原料として安定的にリサイクルすることは難しくなってきており,石炭灰の用途拡大が急務となっています。
そのような中,石炭灰の新たな有効利用先のひとつとして考えられるのが農業分野です。石炭灰は,農地の土作りに大きく貢献できる可能性があることを過去の研究などから知り,これを目標として本研究に取り組むことにしました。
高流動フライアッシュコンクリートを使用した海岸ブロックの開発
● 市民運動サイド
第8回火電問題全国交流集会・総会討議資料
2.火力発電所問題をめぐる動き
(3)石炭灰の有効利用!?
今までは、石炭灰は廃棄物処理法により規制されるものでしたが、循環型社会推進基本法、資源有効利用促進法、グリーン購入法により、積極的に利用を推進する時代に入っています。
報告書「石炭灰有効利用技術について一循環型社会を目指して一」
http://www.jsce.or.jp/commitee/enedobo/report20040214.html
(1)苓北町以外では石炭灰についてどのような方針を持っているのですか
国資源有効利用促進法では、石炭灰は再生資瀬としての利用促進が求められている。グリーン購入法でも、環境負荷を低減させる製品として石炭灰を利用した製品が指定されている。
熊本県 熊本県グリーン購入方針に、石炭灰が入っている。
苓北町 町の振興計画に石炭灰の有効利用を図るという一文がある
(5)石炭灰の活用用途はどのようなものですか
・人工地盤の構築
町として、耕作放棄地となっているイグ林において、人工地盤を構築し、公園、新規農業技術開発用途として活用していく計画です。人工地盤では、トンネル状の地下空洞の構築が可能。人工気象による新規奨励作物の栽培実験等への活用が考えられます。
・海底山脈の造成
人工海底山脈の造成により、漁獲量が増加することが、水産庁などによる他県での実証から明らかになっています。
・消波ブロックの製造
石炭灰を用いることにより安価に製造。
2005年7月9、10日 第22回 天草環境会議プログラム
・・
▼アピール:「苓北火力発電が抱える問題」(松本繁喜)
産廃処理場、石炭灰の捨て場………子供たちのために逃げない
天草環境会議発足のきっかけとなった火力発電所問題の現状について
反火力発電ということで運動を始めることとなった。第1回目は、日本環境会議との共催であった。天草の火力発電所の1号機ができてから10年、2号機ができて2年が経ちますが、140万KWの電気を供給している。今、町は固定資産税を25億円ほどもらいますので、県内では裕福な町だと言われているが、住んでいる私達にとっては税金が安くなったわけではないですし、今の町長になってからは借金も、町民1人当り、倍近くなってしまった。建物だけは都会並みに立派になったが、その内容は例えば漁業関係を見てみると、漁獲も以前は15億あったのが現在では3分の1と、そういった現状である。
平成16年度より、苓北町は県の産業廃棄物最終処分場の候補になっている。これを検討するために平成16年3月に、区長、各種団体代表者を集めて「県の産業廃棄物最終処分場候補地検討委員会」を立ち上げた。「表は火電、内海は産廃場ではたまらない」と、殆どが反対意見であった。最終的には、4地区の代表が「絶対に作らせない」といった申し入れをして凍結といった状況である。その後の動きはなく、町長は「処分場を作ることをやめた」とは言わない。
もう1点は、火力発電所から排出される石炭灰の問題。町内のあちこちに石炭灰を埋め立てている。石炭灰そのものが重金属を多く含んでいるのに、それを固めたら害が出ないというのはおかしいのではないかと議員さんが気付いた。地質調査で1,000万円予算がついた。埋め立て予定地は、火力発電所の上流。下流域には水田や畑がある。説明会の際に、「もしも有害物質が流れ出て被害が出たらどうするのか」と質問したら、「被害が出たら取りやめる」といった答えであった。「我々をモルモット代わりにするのか」と、地区の人からの声があった。しかし、町長と九電とある株式会社との密約があったとされている。平成16年の6月には、議会にかけないで協定書を結んであった。契約の内容は、「通常は九電が1トン当り5,000円で引き取ってもらうところを、苓北町は逆に1トン500円で買って埋め立てる」というめちゃくちゃなことをしていた。しかも、この協定書には「もしも問題があった場合は、苓北町とこの株式会社で責任を負う」といった内容のことが書かれており、九電は我関せずであった。現在、このように「強いものに巻かれろ」といった状況が続いている。
安全報告委員会を作り、物を言わない人々(各種団体代表、町長)を集めて安全を宣言させている。この安全報告委員会にこられる学者の方は「2~3年後は大丈夫だろう。何十年後にどうなるかは分からない。しかし、分からないのを良いと思ってしなければつまらん」と、こういった説明をする。私達としては、こういったことを許すわけにはいきません。私達はここから逃げるわけにはいきませんので。やっぱり農業や漁業を子ども達にもしてもらうには、自分達でできる範囲で守っていかなくてはいけないと思っています。
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詳細なレポート、本当にありがとうございます。
29日の熊本県の現地調査が、事前にマスコミなどに漏れたこともあり、27日の朝、熊本県から「今日、調査に入ります」という連絡が地元の町民に入りました。
抜き打ち調査です。地元では参加できる町民に連絡して、自分たちの目の前で検体の採取をして欲しい、すべての埋め立て箇所を調査してくれと求めました。埋め立て業者は「立ち入りを禁止する」と県の調査を拒否。
結局熊本県(廃棄物対策課)は、何もせずに帰ったそうです。
昨日、地元に行き、実際の埋め立て地を見学してきました。想像以上の量、劣化現象です。
フライアッシュの中にセメントを10パーセント入れ込んで、製品化。それを盛り土材として埋め込み、その上に土壌をかぶせて見栄えをよくしています。しかし、埋立地横では、路盤材としての使われ方をして
いるのですが、それにクラックが何本も入り、シャープペンで擦ると、ボロボロとはがれてくるのです。
壮大な実験場に苓北町がなっています。
有明海では広範な地域に赤潮が発生。
魚は勿論、アサリ貝の大量死がニュースで
報じられています。諫早の締め切り、干拓事業で
海が死につつあります。
魚(イオ)が死ぬ、と地元の漁師が話しています。
寺町さん。コメント心から感謝します。
>埋め立て業者は「立ち入りを禁止する」と県の調査を拒否。
⇒なんとまぁ、強気な業者。
>結局熊本県(廃棄物対策課)は、何もせずに帰ったそうです。
⇒なんとまぁ、弱気な役人。
>壮大な実験場に苓北町がなっています。
⇒どうして、ここまで・・という気持ちです。
>魚は勿論、アサリ貝の大量死がニュースで
⇒今朝のテレビでも放送していましたね。
いろんな分野で、利権や職の確保のために事業をするようなところが、こういう悲惨なことを生むのですよね。
昨夜、北海道の人から、行政がらみの不法投棄の話しが入ってきました・・
みんな、しっかりしなくちゃ。
安全報告委員会なるものをつくり、ほんとに安全なものなのかどうか確認しているのであれば評価されるのでは?
ダイオキシンだって、あれだけ騒がれましたが、リスク評価のあり方としては、一生涯摂取し続けたとして10万人に一人が発ガンする確率を基準に論じられており、サリンなんかと同レベルで論じることによって、市民への暴露危険性の認識が必要以上に拡張されたのは事実です。
石炭灰は既に多くの場所で利用されており、石炭灰そのものは有害なものを含んでいても、加工することによって、国とかで定めている基準値を満たしているのであれば問題ないのでは。
鉛の環境基準だって今は0.01mg/Lですが、前は0.05.何故かって?水道管に鉛が使用されていたため、水道水そのものが0.01をクリアーできなかったからですよ。これも、上記の観点でリスク評価したからです。
それよりも、町に新たな産業ができ、雇用等が生まれるのであれば、もっと歓迎しても良いかと思うが。
町が高齢者のみになって、過疎化して、税収がなく、町が倒産し、図書館もない、文化会館もない、町役場も地震ですぐ倒壊するようなもの、そんな町になってしまっても良いのですか?発電所があるからこそ、今の町の施設があるのではないでしょうか。
もっと冷静に大きな視点で議論すべきです。
発電所がなかったら、町はどうなっていたでしょうね。今より静かな町が残されたかもしれない。でも、その見返りに町には何もない、若者はどんどん出て行ってしまう、そんな町になったのでは?
前段の二つの論点
>ほんとに安全なものなのかどうか確認
>リスク評価のあり方としては
について、おっしゃることは、極めて主観的な「ひとつ」の考えと受け止めます。
そもそも、暮らしや環境についてはみんな主観の受け止めで生きているわけですから、最後は、各自がどう納得して生きていくかだと思います。
>そんな町になってしまっても良いのですか
その点について、一番は当事者がどの道を選ぶか、ですね。