昨日の朝日新聞の記事を見て驚いた。
すでに原発を立地している町の町長の取材記事。
しっかりしたボリューム。
記事の意図を考えた。
「処分場は02年から公募中で・・反対運動で未定のまま。
応募すれば、原発を抱える自治体では初めてになる。」
日本では、原発から出る高レベル放射性廃棄物を最終的には地下深く埋めるという方向でモノゴトが進んでいる。
岐阜県の東濃地方も以前から候補地のひとつ。
地元も金が落ちるからか好意的。
国は、全国に候補地になることを打診している。
手を挙げただけで、「調査」にかこつけて多額の公金をバラマく。
結果「不適」でも構わないとする。
まず、「どこかで調査したという実績=既成事実」を作りたい国。
実際に、決定したら、莫大なお金が降り続ける。
各地で、首長らが手を挙げ、住民の反対で断念、そんな構図が続いている。
ところで、アメリカではオバマ政権下で、ネバダ州ヤッカマウンテンの高レベル放射性廃棄物最終処分場の「埋設計画が断念されるか」との方向を、9日の朝日新聞が報道したばかり。
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●「原発のごみ」最終処分場、福島・楢葉町が誘致検討
朝日 2009年3月15日3時0分
東京電力の福島第二原子力発電所が立地する福島県楢葉(ならは)町の草野孝町長が、原発から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場誘致を検討していることがわかった。朝日新聞記者の取材に明らかにした。処分場は02年から公募中で、これまで高知県東洋町など約10の自治体で誘致の動きが起きたが、反対運動で未定のまま。応募すれば、原発を抱える自治体では初めてになる。
草野町長によると、処分場を公募している経済産業省の認可法人「原子力発電環境整備機構(NUMO)」の担当者を来月にも町内に招き、誘致に向けた勉強会を町議や住民代表と開くことを考えている。草野町長は「福島県には原発が10基あり、原発との共生は町の課題。安全性が確保されれば、住民の理解を得て処分場の受け入れを考えていきたい」と話している。
福島県内の自治体幹部によると、草野町長は昨年12月にも、原発のある近隣3町の町長や議長らとの原子力政策の勉強会で、処分場の候補地選びが難航している現状を踏まえ、「町が考えてもいい」と受け入れに前向きな発言をしたという。
処分場の候補地としての適切さを調べる第1段階の「文献調査」に応募すると、年10億円の交付金が入る。建設が決まると、累計約1600億円の税収や約1.7兆円の経済波及効果が見込まれる。
楢葉町は07年度決算の歳入が61億円。福島第二原発1、2号機があり、東電からの豊富な原発関連の税収で地方交付税の不交付団体だ。それでも処分場誘致を検討することに草野町長は「原発の税収は今後、徐々に減っていく。財政力が豊かな今のうちに地域振興策の一つとして冷静に議論したい」と話す。複数の町議も誘致について前向きな考えを示している。
これまで誘致の動きがあったのは、いずれも原発がなく、財政力も小さな自治体ばかり。原子力自体への警戒感から住民による反対運動が起き、未定となっている。このため政府や電力業界には「原発の立地地域の方が理解を得られやすい」との期待がある。ただ、楢葉町は既に多額の原発マネーを得てきただけに、近隣自治体から「地域の原発依存が強まりすぎる」との反発も起きそうだ。
草野町長は現在5期目。昨年4月の町長選でも原発との共生を掲げ、新顔2人を破った。 ◇
〈高レベル放射性廃棄物の最終処分場〉 原発の使用済み核燃料からウランなどを再処理工場で取り出すと、放射能レベルの高い廃液が出る。いわば「原発のごみ」で、これをガラス原料と一緒に固めたものが高レベル放射性廃棄物。最終処分場は地下300メートルより深い地中の岩盤に建設する。慎重な地質調査が必要なため、候補地応募から操業まで30年以上かかる。
●だから原発ごみ最終処分場を誘致したい 福島・楢葉町長
朝日 2009年3月15日7時28分
福島県楢葉町の草野孝町長が、原発から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場誘致を検討する意向を示した。楢葉町を含む東京電力の原発が立地する4町は1月、福島第一原発3号機(大熊町)でのプルサーマル導入を求めたばかり。財政が豊かな町がなぜ今、誘致を考えるのか。複数回にわたって朝日新聞記者の取材に応じた町長との主なやりとりは以下の通り。(中川透)
――なぜ、原発の最終処分場の誘致を考えたのか。
「処分場の候補地はなかなか決まらないが、どこかに作る必要がある。原発を抱え、使用済み燃料を出し続けている立地地域として無視できない課題だ」
「使用済み燃料の再処理工場や中間貯蔵施設は青森県にできた。ただ、何でもかんでも青森に持っていけばいいというものではない。福島県内には10基の原発がある。あの施設はよくて、この施設はだめ、と言うのはよくない。立地地域の使命として、前向きに考える必要があると思う」
――誘致に向けて、いつごろから動き出す考えか。
「来月以降に臨時議会を開くなどして、議員のみなさんへ正式に相談してみようと考えている。そのうえで、原子力発電環境整備機構(NUMO)の担当者を町内に招き、議員や町民代表のみなさんと一緒に勉強会を開きたい」
――議会や町民の理解は得られると考えているのか。
「町長が独断で決めるのはよくない。町民の意見をよく聞き、しっかりと合意形成を図っていきたい。議会にもこれから相談するが、一部の議員からは賛同を得られそうな感触を得ている。原発と末永く共生し、地域づくりにも貢献できる施設ならば、町民の理解を得られるはずだ」
――最終処分場は、安全性に対する不安も根強い。
「その点は、NUMOや経済産業省の担当者が、説得力のある説明をしてほしい。ただ、原発が既に建てられた地域だけに、岩盤など地層について大きな問題はないと思う。国から住民に対し、説得力のある分かりやすい資料を出してもらい、きちんとした説明をしてほしい。そのうえで、町民の間でしっかりと議論して結論を出したい」
――地方交付税の不交付団体で、財政は豊かなはずだが……。
「原発からの固定資産税収は徐々に減っている。町内にある公共施設の維持管理にも今後、安定した財源が必要になる。ただ、財政難から交付金目当てに処分場の候補地に応募したと言われないよう、まだ財政が豊かな今だからこそ、今後の町の振興策として冷静に議論したい」
――町づくりとの関連では、どんな考えなのか。
「町の発展には優れた人材が不可欠だが、町内には高等教育機関がない。このため、人材育成センターをつくりたいと考えている。原発があって多くの雇用先があるのに、地元からの採用は少ない。特に、管理職になれるような人材が少ない現状に、人材育成の必要性を感じている」
――住民から反対運動が起きる可能性もあると思うが。
「反対がゼロということはないと思うが、賛同者も出てくると考えている。若者が減り、お年寄りが増える一方なのが町の現状だ。安全性が確保されたうえで、これからの末永い地域振興にも貢献できる施設ならば、町民の理解を得られるはずだ」
◇
日本は、一度使った原発の使用済み燃料からウランやプルトニウムなどを取り出す核燃料サイクル政策をとっている。取り出す役割は青森県六ケ所村の再処理工場が担っており、その過程で生まれるのが高レベル放射性廃棄物だ。
青森県にはこのほか、再処理する前の使用済み燃料を保管する中間貯蔵施設も作られている。「原発のごみ」に関する施設が集積する一方、青森県は国との間で「青森を最終処分地にしない」との約束を確認し続けている。
このため、最終処分場は青森県以外に作る必要がある。処分場の候補地は02年に公募し始めたが今も未定。使用済み燃料をもう一度原発で使うプルサーマル計画とともに、国の核燃料サイクル政策の遅れにつながっている。
(朝日新聞 3月15日記事、 ↑ ここまで)
国の宣伝をするつもりでなく ●国の言い分を引用すると
↓ 現在はこのように中間的に保管している。
いつかは最終処分時が来る。
だから、地下処分=地層処分をしたいと候補地探しをしているところ。↓
高レベル放射性廃棄物とは
使用済燃料を再処理することにより有用なウランとプルトニウムを分離した後、放射能レベルが高い核分裂生成物が残ります。この放射能レベルの高い核分裂生成物を高レベル放射性廃棄物といいます。これらは、溶融炉の中で溶かしたガラス原料と混ぜ合わせ、キャニスター(ステンレス製容器)に入れ冷やし固めます(ガラス固化体)。安定な形態に固化した後、30年から50年間冷却するための貯蔵を行い、その後、地下の深い地層中に処分することを基本的な方針としています。
●高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター
高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター
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ともかく、どういう意図で書かれた記事なのか、すこし気になったので調べてみた・・・・・
●米の原発ごみ処分場、断念の可能性 オバマ政権予算縮小
朝日 2009年3月9日15時0分
【ワシントン=勝田敏彦】米ネバダ州ヤッカマウンテンの高レベル放射性廃棄物最終処分場計画が、オバマ政権で事業断念に追い込まれる可能性が出てきた。10年度の予算は最小限にとどめられ、議会にも反対が強まっている。フィンランドに次いで具体化した世界2番目の最終処分場計画は、大きく後退しそうだ。
この処分場には、全米104基の原発から出る使用済み核燃料や、核兵器関連の高レベル放射性廃棄物の計7万トンが搬入、埋設されることになっている。計画は80年代からあったが、地元ネバダ州の反対などのため、やっと昨年6月、ブッシュ前政権のエネルギー省(DOE)が20年ごろの事業開始を目指して事業許可を申請。原子力規制委員会(NRC)が審査している。
しかし、オバマ大統領は選挙期間中から処分場の安全性に疑問を投げかけ、事業に反対してきた。2月26日発表の10年度予算教書でDOEの関連予算を「NRCからの問い合わせに答えるための経費にまで縮小する」と明記した。地元ネバダ州選出のリード民主党上院院内総務も強く反対している。4日付ワシントン・ポストは「最終処分場を巡る長年の議論は、オバマ政権で終止符が打たれるかも知れない」と報じた。
NRCの審査結果は3、4年後に出るが、オバマ政権下で着工できる可能性は低い。原発のごみは当面、敷地でキャスクと呼ばれる特別な容器に入れて中間貯蔵を続ける。一方でオバマ氏は「客観的・科学的分析に基づく安全かつ長期的な解決策」を探すとしており、最終処分の技術開発や新たな候補地探しをすることになりそうだ。
米、仏に次いで原発が多い日本では調査地を公募しているが、自治体から応募の動きがあっても住民の反対で立ち消えになるケースが相次いでいる。
●3月20日 新潟県柏崎 チラシ
講演集会とデモ
不安だらけの運転再開、STOP! 7号機県民集会
•日時:2009年3月20日(祝)14:00~16:30
•場所:柏崎産業文化会館大ホール
(柏崎市駅前2-2-45 電0257-24-7633、地図)
•内容:問題提起(地盤・地震問題、設備・機器問題)、
地元からの現状報告、集会後、デモ行進
講演
井野博満さん(東京大学名誉教授・金属材料学)
石橋克彦さん(神戸大学名誉教授・地震学)
•参加費:無料
07年7月16日に新潟県・柏崎刈羽原発をM6.8の地震が襲い、原発震災が現実のものとなりました。その後、柏崎刈羽原発は停止していましたが、東京電力は運転再開にむけて大きく動きだしています。運転再開への動きに対して、新潟平和運動センターなどが緊急に県民集会を開催します。どなたも参加できます。
•主催:原発からいのちとふるさとを守る会(県民共闘・地元三団体・平和センター・原水禁・市民団体などで構成)
•問い合わせ:新潟平和運動センター(電:025-281-8100)
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