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てらまち・ねっと



 原子力安全・保安院が、原発事故処理労働に関して、「福島事故は別枠で・作業員被ばく・上限緩和要請」と新聞に大きな見出しが出たのは一昨日。
 保安院の実態が見えたと思った人は多いだろう。

 昨日は、賛成意見を誘導する要請を中部電力に、と公表された。
 公表した中部電力は
  「特定の意見を表明するよう依頼することはコンプライアンス上の問題があるため、保安院からの依頼には応じられないとの結論に至り、その旨を保安院に報告した」との調査結果を発表し、「当社のコンプライアンスが機能した」と自賛。さらに、「社員や関連企業への参加呼びかけは議論を誘導する意思があったとの誤解を招く」とも記している。(産経)
 という。

 ここまでくると滑稽。中電はこの集会の参加者の1/3は社員らで固めたらしい。

 ともかく、保安院は、この問題で「調査はしない」とした。
 調査すれば、ポロポロと全国の実態が明らかになることが間違いないからだろう。
 
 実際、中部電力だけでなく、四国電力でも、「やらせ」要請していたことが明らかになった。

 この問題は、しばらくは、新たな事実がてでくると思うので、今時点で、記録しておく。

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●保安院「福島事故は別枠で」 作業員被ばく 上限緩和要請
            東京 2011年7月28日 朝刊
 経済産業省原子力安全・保安院が、福島第一原発の事故収束に当たる作業員の被ばく線量について、上限値を大幅に緩和するよう厚生労働省に働き掛けていたことが二十七日、分かった。保安院は原発や作業員の安全を守るのが主な役割だが、これに逆行する行為ともいえ、批判を浴びそうだ。 

 保安院の説明では、寺坂信昭院長が四月一日、厚労省の労働基準局長と面談し、今後、収束作業で作業員が被ばくしていくと、現在の作業員の被ばく線量のルールでは、やがて人手不足になる恐れがあると説明。

 既に政府は、福島第一の事故の収束作業に限って、被ばく線量の上限を二五〇ミリシーベルト(通常の上限は、年間五〇ミリシーベルト、五年間で計一〇〇ミリシーベルトまで)まで緩和していたが、寺坂院長は、福島第一での被ばく量は、通常時の上限値に含めないよう緩和を求めた。

 この通り緩和されると、仮に福島第一で二五〇ミリシーベルトを被ばくしても、別の原発に移ってしまえば、「五年間で一〇〇ミリシーベルト」の枠が残ることになる。最悪の場合、二年間で三五〇ミリシーベルトまでの被ばくが認められることになる。

 面談に先立ち保安院は、東京電力に対して今後の収束作業で五〇ミリシーベルト以上の被ばくをする作業員が何人くらい出るか予測するよう指示。東電が協力企業などから予測値を集めた結果、約二千人という数字が出た。

 保安院側はこの数字を面談の席で厚労省側に示し、大幅緩和を求めたという。

 厚労省は福島第一での被ばく量を別枠扱いにすることは拒否した。代わりに、福島第一での被ばく量が五〇ミリシーベルトを超えても、これまでなら一年間、他の原発で働けなくなるところを、五年間で一〇〇ミリシーベルトを超えない範囲なら作業を続けてもよいと認めた。四月二十五日付で保安院に伝えた。

 保安院の森山善範原子力災害対策監は「一義的には作業員の被ばく管理が保安院の役割。一方、事故収束も大切で、緩和を求めた。東電の懸念を踏まえた対応だが、東電から正式に要望されたことはない」と述べた。被ばく予測については「(事故当初は)今後の見通しが立っていないことから、大まかな概算しかできなかった」と、根拠が薄いことも認めた。

●【原発】保安院、厚労省に被ばく線量限度緩和要請(07/28 16:05)
  テレ朝 (07/28 16:05)
 全国の原子力発電所で働く作業員の被ばく線量限度について、原子力安全・保安院は、福島第一、第二原発で浴びた線量を含めないよう求める文書を厚生労働省に提出していたことが分かりました。

 現在、福島第一、第二原発に限り、作業員の被ばく線量限度を緊急時の特例として250ミリシーベルトに引き上げていますが、一方で、平常時では5年間で100ミリシーベルト以内、うち1年間で50ミリシーベルト以内という規制があります。4月1日までに東京電力や東芝、日立などがまとめた試算によりますと、福島第一原発では今後、100ミリシーベルトを超える作業員がおよそ320人、50ミリシーベルトを超える作業員は1600人に上るとされています。このため、全国の原発で熟練技術者が1000人から2000人前後不足する事態となるとして、原子力安全・保安院は、福島第一原発の作業で受けた被ばく線量は平常時の枠外で扱うべきとする文書を厚生労働省に提出していました。しかし、原子力安全・保安院は、東京電力などが出した人数を精査していませんでした。また、安全性については、生涯線量1シーベルト(1000ミリシーベルト)を守るとしていますが、被ばく線量の管理をめぐって大きな問題となる可能性があります。

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●保安院がやらせ依頼 浜岡原発07年シンポ、中電側は拒否
           (中日新聞)2011年7月29日 13時50分
 中部電力は29日、2007年8月に静岡県御前崎市で開かれた国主催の「プルサーマルシンポジウム」に関し、プルサーマル政策を推進する経済産業省原子力安全・保安院から開催前、質問がプルサーマル反対派のみにならないよう、地元住民に賛成か中立の立場での質問を要請するよう口頭で求められていたことを明らかにした。

 中電の寺田修一法務部長が29日、本店で会見し説明した。保安院からは、会場に空席が目立たないよう参加者集めの依頼もあったという。

 中電側は依頼を受け、本店原子力部門の社員が地元住民に依頼する発言の文案をいったん作成したものの、社内で検討した結果、「特定の意見を表明するように依頼することはコンプライアンス(法令順守)上、問題がある」と最終的に依頼を拒否した。保安院は「これ以上、国としては言えない」と受け入れたという。

 これらの経緯を踏まえ、寺田部長は「特定の意見を表明するよう依頼することは行っていない」と説明。シンポでは、参加者による質疑で12人が発言したが、すべて原発の安全性やプルサーマルに否定的な考えで、「当社が事前に作成した文案と類似する発言はなかった」と否定した。

 一方、シンポへの参加依頼に対し、中電は「自社のプルサーマルに関するシンポジウムの会場に空席が目立つのは適切でない」と判断。浜岡原発の関連部署に勤務する社員約700人にメールや口頭で求めたほか、協力会社36社や地元住民にも幹部が訪問するなどしていた。シンポには全体で約500人の参加があり、中電からは150人程度が出たという。協力会社などからの参加人数は「把握していない」と明言を避けた。

 寺田部長は「任意での参加呼び掛けで、強制的な方法はとっていなかった」と強調する一方、「誤解を招く行為だと反省している。今後は動員についても慎重に判断したい」と陳謝した。

 九州電力の「やらせメール」問題を受け、国は他の電力会社に対し、国主催のシンポジウムで社員らへの参加要請などをしていなかったかを調べ、29日までに報告するよう指示。これを受けて中電は社内調査を進め、報告書を同日提出した。

 プルサーマルは、原発の使用済み燃料からプルトニウムを取り出し、ウランを混ぜた混合酸化物(MOX)燃料に加工して再利用する発電方式。御前崎市でのシンポは、浜岡原発4号機でのプルサーマル計画を国が07年7月に許可したのを受け、理解を求めるために開かれた。

●原子力安全・保安院:やらせ要請 保安院長が陳謝 内部調査の実施否定
          毎日新聞 2011年7月30日 東京朝刊
 「やらせ」問題を受け、保安院の寺坂信昭院長は29日午後9時半から緊急会見し、「(やらせが)指摘されたこと自体、中立、公正な判断を旨とする保安院にとって深刻な事態。事実なら国民の皆さまに大変申し訳ないと思う」と陳謝した。進退や責任問題については「第三者委員会の調査結果を踏まえて判断する」と述べ、明言を避けた。

 保安院は当初、海江田万里経産相が第三者委員会設置を説明したのを踏まえ、「それ以上の話はない」として、寺坂院長の会見を拒んだ。しかし、中部電力が「やらせ」を要請した保安院職員を特定しているため、報道陣から寺坂院長の説明を求める要望が相次いだ。一転して会見した理由を、寺坂院長は「批判を受け、改めて検討した」と釈明した。

 一方、「第三者委員会の調査には全面的に協力する」とし、内部調査の実施については「第三者委員会で一元的に調査するのが望ましい」として否定。「いま一度、原点に立ち返り使命感を持って職務に精励することが大切だ」と述べた。指摘された中部電力と四国電力の両原発でのやらせについて、「記憶を呼び起こしているが、そのようなことが行われたという認識はない」と強調した。【比嘉洋】


●四国電の原発シンポでも保安院から要請 参加や発言など関連
           2011年7月29日15時49分
四国電力(高松市)は29日、2006年6月に愛媛県伊方町で国が主催した伊方原発3号機のプルサーマル発電に関するシンポジウムで、伊方原発や関連企業3社の従業員10人と地域住民19人の計29人にプルサーマル関連の質問や意見をするよう例文を示した上で依頼していたと発表した。原子力安全・保安院から「多くの参加者を募り、質問や意見が多く出るようにしてほしい」との要請を受けたという。

 シンポの会場では15人が質問したが、そのうち10人が四電が依頼した人だった。内訳は社員2人、関連会社員3人、そのほかの住民が5人だった。

 例文では、「プルサーマルは燃料のリサイクルであり、資源が乏しい日本は、再利用できる有益な資源は積極的に活用すべきではないか」「プルサーマルはプルトニウムの特性や性質をきちんと把握して行うとのことなので安心した」などで、10人中7人が例文に近い発言をしたという。(島脇健史)

●中国電力も説明会へ参加要請…保安院指示はなし
       (2011年7月29日18時19分 読売新聞)
 中国電力(広島市)は29日、松江市内で2009年1月に開催された島根原発2号機(松江市)のプルサーマル計画と耐震安全性についての説明会と、島根原発1、2号機の点検漏れ問題を受け、10年9月に同市内で3回行われた説明会で、社員や関連会社員らに参加を呼びかけ、計約260人が参加していた、と発表した。


 原子力安全・保安院から動員要請などの指示はなかった、としている。

 中国電によると、プルサーマル計画の説明会では、同社側が事前に計画賛成派の住民ら約10人に、質問や要望などの発言をするよう依頼。実際に発言した約30人のうち、6人が要請を受けた住民だったという。この説明会は、松江市が同計画を了解するかどうかを判断する直前の段階で開かれており、松浦正敬市長も出席していた。


●中電シンポやらせ質問 「まったく聞いたことがない」 保安院の森山善範・原子力災害対策監
         産経 2011.7.29 12:49
 シンポジウムの質問が反対派のみとならないように、地元住民に質問するよう保安院から依頼があったとする中部電力の調査結果について、経済産業省原子力安全・保安院の森山善範原子力災害対策監は29日の記者会見で、「中部電力の報告を確認していない。内容を把握した上で対応したい」と述べた。

 森山対策監も当時、原子力発電安全審査課長として同シンポジウムに出席していたといい、プルサーマルの安全評価についての説明を行ったという。

 森山対策監は「質問をお願いしていたという話はまったく聞いたことがない」と説明。その上で「当時は新潟中越沖地震直後で、参加者からは地震の耐震性に関して、非常に厳しい意見が多かった記憶がある」と述べた。

 シンポジウムには、保安院からほかにも佐藤均氏=当時、審議官(原子力安全基盤担当)=が参加。推進側の代表としては、経産省資源エネルギー庁の中西宏典氏=当時、原子力立地・核燃料サイクル産業課長=が、「プルサーマルのエネルギー政策上の必要性について」というテーマで説明をしている。

●石原市長、保安院の“やらせ”依頼を非難 静岡
            産経 2011.7.30 02:16
 原子力安全・保安院が中部電力に「やらせ質問」を依頼したとされる問題で、御前崎市の石原茂雄市長は29日、「国民の信頼を失墜させかねない。襟をただしてほしい」と非難するコメントを出した。「開催案内や動員はある程度理解できる」とした石原市長も質問依頼には、「強い違和感を覚える。チェック機能を持つ保安院のあり方も問われる」と不快感を示した。

 一方、中部電は「特定の意見を表明するよう依頼することはコンプライアンス上の問題があるため、保安院からの依頼には応じられないとの結論に至り、その旨を保安院に報告した」との調査結果を発表し、「当社のコンプライアンスが機能した」と自賛。さらに、「社員や関連企業への参加呼びかけは議論を誘導する意思があったとの誤解を招く」とも記している。

●社説:保安院もやらせ 信頼の底が抜けた
         毎日新聞 2011年7月30日 2時30分
 これでは、泥棒を捕まえてみればお巡りさんだった、ということではないか。

 中部電力と四国電力が、プルサーマル計画に関し、国が過去に主催したシンポジウムをめぐり、経済産業省原子力安全・保安院から、参加者の動員や「やらせ質問」を依頼されていたことを発表した。質問が反対派に偏るのを避けるため、計画に肯定的な質問をしてもらうのが目的だったという。

 原発の構造や設備などを審査し、安全を確保する役目の保安院が、プルサーマル計画推進のために、世論を誘導しようとしたのであれば、極めて罪深い。国民の信頼を取り戻すには、事実関係を徹底的に調査し、保安院のあり方を早急に見直すしかない。

 発端は九州電力が、関連会社に対し、玄海原発(佐賀県玄海町)の再稼働を支持する電子メールを投稿するよう依頼した「やらせメール」問題だった。事態を重く見た経産省が、同様の問題がなかったかどうか、電力各社に調査を指示したところ、今回の「やらせ依頼」が判明した。民意を軽視するのが、「原子力ムラ」の体質なのだろうか。国民の不信感は深まるばかりだ。

 安全性への疑問が付いて回る原発には、賛否両論がある。プルトニウムを混ぜた燃料を通常の原子炉で燃やすプルサーマル計画も激しい論争を呼んだ。だからこそ、立地自治体の住民の声を真摯(しんし)に聞き、民主的な意思決定を目指したのではなかったか。保安院の「やらせ依頼」は、そうしたプロセスに期待してきた国民の信頼を踏みにじるものだ。

 もともと、原発推進にアクセルを踏む資源エネルギー庁と、安全確保のためにブレーキを踏む役目の保安院が、経産省内で併存していることに無理があった。実際、政策の意思決定に関わる幹部職員は、数年のサイクルで本省、エネ庁、保安院間を異動する。これでは、保安院が厳格な独立性を保つのは難しいはずだ。

 東京電力福島第1原発の事故で、電力会社、政府双方に対する国民の視線は厳しさを増すばかりだ。点検を終えた原発も再稼働できない事態が続いている。今回の問題で、再稼働へのハードルはさらに高まったといえるだろう。

 九電のやらせメール問題を厳しく批判し、社長の辞任を求めていた海江田万里経産相は、足元から噴出した問題を深刻に受け止めなければなるまい。第三者委員会を作って、事実関係を徹底的に調査する意向を表明したが、当然だ。福島の事故前から私たちが主張してきた保安院の分離独立も含め、再発防止、信頼回復への取り組みを急ぐべきだ。


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