「たぬきせんべい」の山ある記

ニフティの「山のフォーラム」が消滅したのでブログを始めてみました

【裏妙義】鶴峯山から風穴尾根

2006-10-29 21:06:57 | 道不明瞭
                通り過ぎて下から見た風穴

天野さんのページ、Team にこちゃんのブログ及び常吉さんのページをじっくり研究して、鶴峯山から風穴尾根を歩くことができました。これらの記録がなかったら無理だったでしょう。全コース、目印は皆無で踏みあともほんの一部だけでした。行ったり来たり、ルーファンに時間と体力を取られました。丈夫そうに見える木が簡単に折れたり、掴んだ岩がボロッと取れたりするので、無理な登りは出来ません。極力、安全なルートを探すことが肝要だと思います。なお、紅葉にはまだ早すぎました。

【日 程】2006年10月29日(日)日帰り
【山 域】妙義山
【山 名】鶴峯山、風穴尾根ノ頭
【メンバ】単独
【天 候】晴れ
【参 考】天野さんのホームページほか
【コース】横川駅(7:30)→国民宿舎(8:55)→鶴峯山(11:45)→風穴尾根ノ頭(14:15)→三方境→国民宿舎(15:30)→横川駅(16:40)

早朝、暗いうちに家を出たが、なんと雨が降っていた。しかし天気予報から見て妙義の方は晴れるのではないかとの期待を持って出かけた。高崎から先で霧が深かったが、日がさしてきて横川駅につく頃は青空が広がる。駅から国民宿舎まで歩くのだが、出だしでちょっとルートミス。線路をくぐるところを見過ごして行き過ぎてしまった。車どおりも少ない静かな道を妙義湖を経由して国民宿舎へ。鶴峯山と隣のジャンクションピークの眺めが絵になる。ここの東屋で少し休憩してから出発する。籠沢コースを少し歩くと標識があり、その脇の木に黄色のペンキで巡視道と書かれている。矢印に沿って入ったとたんに沢がある。この沢が登路となる。記録では涸沢のはずが、昨夜の雨で少ないながら水流がある。

沢に入ってすぐに二俣がある。「常吉」さんたちはここで右に入ったのだろうか?しかしこの二俣は別れて行かず、全体で一つの沢を成している感じ。とにかくなるべく左寄りに登って行く。支沢らしい支沢は無いようなのだが、かなり登ったと思うのになかなか4段の滝が出てこない。もしかして「常吉」さんと同様に途中で間違えて支沢に入ってしまったかと不安になった。そこで左の尾根に上がって隣の沢の様子を伺う。左の沢が正しいという確証もないので、「間違えたか」という疑念を持ちながら、「まぁ今回は下見と言うことになってもしょうがない」と思いながら行けるところまで行こうと登りやすいこの尾根に沿って登る。途中、崩壊しているところもあったが、概ね快適に登ることができ、やがて大岩壁に到達する。けっきょく、4段の滝が出てきてから登るはずの左の尾根に、しびれを切らして早々と登ってしまったということらしい。

大岩壁から右に道のように見える歩きやすい所に沿って行き、元の沢の源頭部に達する。沢に沿って登りジャンクションピークとのコルに達する。コルから左へ少し登ると尾根に出る。この藪をかき分けながら登ると岩場にぶつかって比較的はっきりした踏みあとに従い、左へ巻いていく。左手は先ほどの大岩壁らしく、藪になっているものの落ちたら止まらないだろう。慎重に登って標識も無い藪の中の頂上へ着く。しかしすぐ近くの展望台からの眺めは素晴らしい。ここでお昼としゆっくりするが、この展望台もすぐ下は何も無く、何か落ち着かない。

風穴尾根へ向かうのに、鶴峯山の細長い頂上が長く続く方向へ引き込まれたが、突端まで行って、風穴尾根ノ頭が違う方向に見えて間違いに気づく。頂上に戻って、今来た道とは直角に曲がって下る。一つ先のピークを登り返すと前方が開ける。このピークからは少し下って次のピークへ向かうのだが、両側ともスッパリ切れ落ちた細いルートを通るしかない。しかもそのルートは藪に隠れてどうなっているのか見えないし、誰かが通った形跡もない。さらに、先を眺めると向こうには険しいピークが威嚇するように連なっている。ここから来た道を戻るのはまだ問題ないが、この先に踏み込むと戻るリスクは急に大きくなりそう。前に進むか、ここから戻ってしまおうかと思わず迷ってしまった。

意を決して・・というわけではなく、とりあえず様子を・・という気持ちで先へ進んだ。この先では下がスッパリ切れている岩場を短い距離ではあるがトラバースしなくてはならなかった。それほど困難ではないはずだが万一足を滑らせたらそれまでなので緊張する。危ないところを通過するたびに、もし行き詰まったら今のところを戻らなければならないというプレッシャーが累積する。また、まるで作られたような歩きやすい巻き道になっていると思い、喜んで辿っていくと行き詰って戻らなければならなかったりする。行ったり来たり、それでも少しずつ進んで行く。

巻いている途中で風穴に出たときは、やっと来たという気持ちと間違っていなかったという気持ちでほっとした。風穴の先は左斜面がなだらかなので、これ幸いとどんどん巻き続ける。やがてちょっとコル状になっているところで稜線に上がると、岩峰はすべて終わっていた。ここから先は危険な所は無く、ひたすら藪尾根を登ることになるが、この登りもけっこうきつかった。風穴尾根ノ頭からは三方境を経由して国民宿舎に向かう。最後は中木川を飛び石伝いに慎重に渡って林道へ上がる。国民宿舎で買った缶ビール片手に横川駅までの長い道のりを歩いた。


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