竹取翁と万葉集のお勉強

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後撰和歌集 巻14 歌番号1044から1048まで

2024年03月19日 | 後撰和歌集 現代語訳 巻14
歌番号一〇四四
原文 飛止尓徒可者之个留
読下 人につかはしける

原文 加為世无保宇之
読下 戒仙法師

原文 安佐己止尓川由者遠个止毛飛止己不留和可己止乃者々以呂毛加八良寸
和歌 あさことに つゆはおけとも ひとこふる わかことのはは いろもかはらす
読下 朝ごとに露は置けども人恋ふる我が言の葉は色も変らず
解釈 後朝の別れの、その朝毎に、すぐに消えて行く露は置きますが、貴女を恋焦がれる私の言葉は、心変わりもせず、消えることはありません。

歌番号一〇四五
原文 幾天毛乃以比个留比止乃於保可多者武川万之加利
个礼止知可宇者衣安良寸之天
読下 来て物言ひける人の、おほかたはむつましかり
けれど、近うはえあらずして

原文 与美比止之良寸
読下 詠み人知らず

原文 満知可久天川良幾遠三留者宇个礼止毛宇幾者毛乃可者己日之幾与利八
和歌 まちかくて つらきをみるは うけれとも うきはものかは こひしきよりは
読下 間近くてつらきを見るは憂けれども憂きは物かは恋しきよりは
解釈 男女の関係がより間近になって、その後の別れなどで辛いことに出合うことは心配ですが、でも、本当の辛さは、このように貴方を恋慕うことより他にありません。

歌番号一〇四六
原文 於无奈乃毛止尓川可八之个留
読下 女のもとにつかはしける

原文 布知八良乃左祢多々
読下 藤原さねたた(藤原真忠)

原文 徒久之奈留於毛日曽女可者和多利奈八美川也万佐良无与止武止幾奈久
和歌 つくしなる おもひそめかは わたりなは みつやまさらむ よとむときなく
読下 筑紫なる思ひ染河渡りなば水やまさらん淀む時なく
解釈 筑紫にあると言う恋焦がれて水を染めるとの名を持つ染河を渡るように、貴女との男女の関係の一線を越えて渡ったなら、水の言葉ではありませんが、きっと、「見つ(共寝のこと)」の関係は増えて行くでしょう、私の訪れが滞ることなく。

歌番号一〇四七
原文 可部之
読下 返し

原文 与美比止之良寸
読下 詠み人知らず

原文 和多利天者安多尓奈留天不曾女可者乃己々呂川久之尓奈利毛己曽寸礼
和歌 わたりては あたになるてふ そめかはの こころつくしに なりもこそすれ
読下 渡りてはあだになるてふ染河の心つくしになりもこそすれ
解釈 渡って見ると大したことがないとの評判の筑紫の染河ではありませんが、あれこれと心配することなく貴方との男女の関係の一線を越えてしまえば、もっと、互いの愛情も深まるのでしょうね、

歌番号一〇四八
原文 於止己乃毛止与利者奈左可利尓己武止以比天己左利个礼八
読下 男のもとより「花盛りに来む」と言ひて、来ざりければ

原文 与美比止之良寸
読下 詠み人知らず

原文 者奈左可利寸久之々飛止者徒良个礼止己止乃波遠左部加久之也八世无
和歌 はなさかり すくししひとは つらけれと ことのはをさへ かくしやはせむ
読下 花盛り過ぐしし人はつらけれど言の葉をさへかくしやはせん
解釈 約束を違えて花の盛りを来ずに過ごした貴方のことは憎いけれど、でも、私に語った愛の言葉も、訪問の約束を違えたように、偽りではないですよね。

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