みちのくの山野草

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賢治関連七不思議(花巻農学校の辞め方、#1)

2017-07-14 10:00:00 | 賢治に関する不思議
《驥北の野》(平成29年7月17日撮影)
 今にして振り返って見れば、賢治の花巻農学校の辞め方も不思議なことの一つだということを覚る。

 まずは、大正15年1月~3月の賢治の動向を『新校本年譜』を基にして簡単に並べてみると、
1月15日 国民高等学校開校式が行われる(賢治嘱託兼務、「農民芸術」受け持つ)
1月中旬 下根子桜の別宅の改造を始めた(伊藤忠一の日記より)
1月30日 岩手国民高等学校で農民芸術論を講義(第一回)
     (1/30~3/23まで計11回講義(伊藤清一の講義ノートによる))
2月 9日 国民高等学校第二回講義
2月18日 国民高等学校第三回講義
2月19日 国民高等学校第四回講義
2月24日 国民高等学校第五回講義
2月27日 国民高等学校第六回講義
3月 1日 国民高等学校第七回講義
3月 5日 国民高等学校第八回講義 
3月20日 国民高等学校第九回講義
3月22日 国民高等学校第十回講義
3月23日 国民高等学校第十一回講義
3月24日 花巻農学校五回生卒業式
     ベートーベン百年祭(夜6時半~)
3月27日 国民高等学校終了式
3月31日 三級俸(130円)を支給され、花巻農学校依願退職
ということになる。

 するとあれっ、賢治の花巻農学校教諭の退任式は行われていなかったのではなかろうかという疑問が湧いてくる。同年譜にはこのことに関する記載が一切ないからである。さりながらこの年度末には同僚の白藤慈秀も一緒に辞めていたわけだし、離・退任式はある意味では在校生達にとって卒業式以上の重い意味を持っていると思われるだけに、賢治のそれがなかったとは到底思えないから単に『新校本年譜』には記載されていないだけなのだろうか。それじゃということで、賢治の花巻農学校赴任式も『新校本年譜』には記載されていないのだろうかと思うのだが、念のために同年譜を調べてみると、大正10年12月23日の項の中に、
 養蚕室で赴任式があり、校長に紹介され「ただ今ご紹介いただいた宮沢です」といって礼をし、段を下りた。丸坊主に洋服である。
             <『新校本年譜』228p>
という記載があるから、ますますこれは不思議なことだということに気付く。『新校本年譜』においては、賢治の赴任式については結構具体的に書かれているというのに、退任式についての記載は一切ないからである。かといって、他の「賢治年譜」を渉猟してみても賢治の花巻農学校退任式についての記載は何一つ見つからない。不思議だ……。

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