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【長期金利また低下、日銀の本気を疑う市場】日銀の「外債購入論」を排す④

2016-10-01 00:03:33 | 日本

前回からの続き)

 前回、日銀による外債すなわち米国債の購入には、最終的には激しいインフレ(円貨の価値暴落)を引き起こしかねない危険性があることを指摘しました。

 そもそも日銀は、自国の法律等で資産であることが明確に規定されているもの以外のものに紐付けて円貨を発行するべきではないと考えています。ドルユーロといった外貨や当該通貨建ての外国債は、その通貨発行国の都合で突如、無価値になったり、価額が切り下げられたりするケースが想定されます。これはその国の法令改正等にともなう変更だから、日本としては如何ともし難く、その価値の減少にともなう損失を甘んじて受け入れる以外にありません。このとき日銀の純資産は当該損失分だけ毀損するから、政府は日銀に対して多額の出資をする羽目になり、最悪の場合、円まで強制的に切り下げざるを得なくなるかもしれません・・・(?)

 とまあ、やや極端ながら、外債保有とこれに裏打ちされた通貨発行にはそんなリスクが考えられるから、日銀は外債を含む外国由来の資産の購入を増やすべきではなく、日本国の中銀として物価と金融システムの安定そして自らの資産の健全性を保つべく、これまでのとおり日本国債をベースとした通貨管理を維持していただきたいと願う次第です。そしてどうしてもマネタリーベースを拡大したいのなら、日銀にはぜひ「」(ゴールド)の購入を増やしてもらいたいものです。金は純粋な資産で、外貨や外債につきまとう価値の暴落とかデフォルトのリスクとは無縁ですからね・・・

 日銀が「長短金利操作付き量的質的金融緩和」導入を発表した21日にはゼロ%付近にまで「瞬間的に」上がった長期金利ですが、足元ではふたたびマイナス圏に下がってきています。一時(9/29)はマイナス0.09%前後と、同発表前の値にまで下がってきました(10年物国債の価格は上昇してきました)・・・って、あれ?ここいらで日銀は長期金利がゼロになるように誘導するんじゃなかったっけ?・・・って、何だかアヤシイ感じがしますね・・・

 ・・・個人的推測ですが、日銀は円高(つまり株安)になるのをおそれ、「やる」といった利上げ操作をネグる気なのではないか・・・? そしてそんな日銀の立場を見透かした投資家が「ゼロ金利なんて言いながら結局、日銀は以前と同じ規模の買いオペを続けるしかないだろう」と判断して国債の買いに回ったために長期金利が下がっているのでしょう、おそらく(?)。ということはいっぽうで「なんだ、これでは金融機関の経営環境は良くならないではないか」ということになって近々、銀行株は再び下がってしまうかもよ・・・(?)

 ・・・なんて心配(?)していたら30日、日銀は国債の買い入れオペ予定額を前回(26日)の4300億円から同4100億円に減らしました。このなかには長期金利の対象となる10年物国債も入っています。ということは日銀は、直前まで下がり続けていた長期金利(値上がり続けていた国債価格)を見て、このあたりが頃合い、と利上げ誘導に入ったということか・・・? 実際、その後(9/30)の長期金利はマイナス0.08%と前日よりほんのちょっぴりだけ上がりました・・・

 今回の金融緩和は操作の対象が「量から金利へ」と変化したもの、なんて評する声があるけれど、このオペと長期金利の動きを見ていても分かるとおり、金利は量で調整し、量は金利によって変えることになるから、その導入前後で日銀のスタンスにはあまり変化がなさそうです。それでも日銀が同日、わずかとはいえ国債の買いを減らした、つまり金融引き締めに動いた(!?)、ということはけっこう重大な意味を持つ・・・と思いたい。これって、日本窮乏化政策」以外の何ものでもない(と個人的には考えている)「異次元緩和」の幕引き(テーパリング)に向けた第一歩となり得る・・・かもしれないからです(?)。

続く

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