なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

今日は訳あり外来

2016年12月13日 | Weblog

 内科再来は月曜日と水曜日だが、火曜日は新患として診た後のフオロー(close follow up)と、患者さんには失礼だが、様々な事情で手のかかる患者さんの外来にしている。自分では訳あり外来と称していて、消化器科の先生も同じような外来をつくっている。

 73歳男性は、もともと東京に住んでいて、当地に越してきた。首都圏のクリニックに継続して通院していた。大学で偉かった先生が開業していて、元教授なのかもしれない。免疫抑制剤やステロイドで糖尿病が一気に悪化して、当院内科を受診した。その後、当院の神経内科外来(大学病院からの応援医担当)に紹介してもらった。プレドニン10mg/日(隔日)を内服している。今はDPP4阻害薬のみでHbA1c7.3%だった。もう少し下げたいが、メトホルミンは初期量(500mg/日)で副作用(嘔気・倦怠感)が出た。ずっと家庭血圧は130/80と言って、降圧薬をいやがっていた。病院ではいつも高い。ふだんの血圧も150~160と高いことをやっと認めた。アルコール多飲も困るが、減らす気はないという。

 非代償性肝硬変で腹水大量の79歳男性は、前回予約外で受診したが、入院は拒否した。入院時に使用したとはいえ、外来でサムスカ再開という危ない治療になった。今日診ると、腹水はそれほど変わらないが、浮腫は軽快していた。食欲はあって、血清アンモニアの悪化もなかった。年末年始は自宅で過ごせると言いが、悪化時は諦めて入院と連れてきた娘さんに伝えた(介護タクシーでの受診)。

 85歳男性は、夏に自宅で熱中症になって救急搬入された。ひどい貧血があって、腹部CTで大腸癌と判断される腫瘍が2か所にあった。検査も治療も拒否して、家族(息子)も本人がそういうなら仕方ないという。入院して輸血したが、その後は鉄剤内服で貧血は中等度で推移していた。この方も年末年始は自宅で過ごせるといいが。

 88歳男性は、路上で転倒して救急搬入された。リウマチ性多発筋痛症と診断して、プレドニン15mg/日から開始した。予想より、症状改善と検査値改善が遅かったが、途中から良くなった。今日は炎症反応陰性で、プレドニンを12.5mgから10mg/日に減量した。10mg/日からは1mgずつ減量するが、かかりつけの近医を希望しているので、漸減法を具体的に記載して紹介する予定だ。

 73歳男性は多発性脳梗塞(小脳を含む)で血管性認知症だった。糖尿病腎症があり、神経内科と内科の外来に通院している。火曜日は神経内科の外来日に内科が合わせたもの。糖尿病の治療はBOTでHbA1c7%前後。食後血糖が高いので、本当はインスリン強化療法にしたいが、自己注射は奥さんがしていた、奥さんもいまいちの方で、1日1回の注射で勘弁して下さいと言われる。近い将来腎不全が進行した時に透析導入できるのだろうか。4時間の透析中にじっとしているのが難しい人だから。

 先週、気管支喘息発作で救急搬入された28歳男性は、今日来なかった。入院したくないと、外来治療で帰っていた。内科クリニックに通院(断続的?)しているが、ほとんど発作時のβ吸入薬になっていた。ICS/LABAを吸入していたが、意味がわからなかったらしい。外来で簡単に治療の概要を説明したが、わかっただろうか。電話したが、仕事に行った本人にはつながらず、自宅の母親に連絡した。症状軽快していて、まだICS/LABAはあるので、それを継続して来週受診してもらうことにした。

 このくらいなら、まだまだ訳ありとまではいかないかもしれない。病棟から絶対に入院させないでと言われる人格障害の方も、訳あり外来に通院していて、受診すると外来看護師さんに、今日来てたんですねといわれる。

 

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