なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

乳癌の治療をお願いします

2024年05月17日 | 悪性腫瘍

 5月16日(木)に地域の基幹病院整形外科から、大腿骨骨折術後の81歳女性が当院回復期リハビリ病棟に転院してきた。

 回復期リハビリ病棟のほとんどは整形外科手術の術後なので、担当は整形外科になる。数が多すぎることと、内科的な処方調整が必要になるので、処方は内科で分担して担当することになっている。

 今回の患者さんは乳癌術後で術後のホルモン療法・抗がん薬治療をしているので、地域医療連携室では当方に担当するようにいってきた。といって特に癌治療に詳しいわけではない。外科常勤医はいないが、外科外来に週1回乳癌治療をされている先生が来るので、相談して治療できると思って引き受けた。(当院入院中に外来を受診させてもよいとあったが、それだと全部当院持ち出しになる。患者さんも介護タクシー使用になってしまう。)

 

 手術は昨年6月に乳房切除術+腋窩リンパ節郭清でStageⅢB(ER陽性、PgR陽性、HER2陰性)が行われた。術後化学療法としてアナストロゾール(1mg)とS-1が投与されていた。S-1は今回骨折したことと、軽度だが白血球減少があったので休止していたが、転院後に再開して下さいということだった。

 

 ホルモン療法は、閉経前だと卵巣のエストロゲン産生を抑制するGnRHアゴニスト抗エストロゲン薬(閉経後も)になり、閉経後だと副腎皮質のアンドロゲンのエストロゲン変換を抑制するアロマターゼ阻害薬になる。

 当院外科では閉経後の高齢者が多いので、アロマターゼ阻害薬の標準治療薬アナストロゾール(アリミデックス)が使用されていた。一部の患者さんで抗エストロゲン薬のタモキシフェン(ノルバデックス)が出ていた。

 もしHER2陽性だと抗HER2療法が行われる。抗HER2抗体薬のトラスツズマブ(ハーセプチン)が使用されていた。新規薬の分子標的薬が出ていてよくわからない。

 年齢的には術後の治療はホルモン療法だけになるようだが、CEA軽度上昇があるので抗癌薬も使用している、ということだった。

 

 抗癌薬の選択はわからないが、白血球数と全身状態をみて、ご指示通りの治療を行うことにした。CEA軽度上昇が続いていることから、抗癌薬を使用したいと記載されていた。当院の院内にはアナストロゾールもS-1もないので、どちらもお取り寄せ(臨時薬購入)になる。

 

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