なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

心房粗動

2015年02月20日 | Weblog

 昨夕に86歳男性が当院を受診した。前立腺癌で県立がんセンター泌尿器科に通院していて、3か月に1回のホルモン療法を受けていた。通院も大変とのことで、昨日受診した際に、今後は院泌尿器科に通院する様に言われて、紹介状を持たされた。ところが、診療が終わってがんセンターの駐車場にいた時に、ふらふらとして倒れてしまった。いつからかはわからないが、下肢の軽度浮腫と動悸があった。がんセンターに戻ると、かかりつけの病院を聞かれて、当院の受診歴があると答えると、そのまま当院を受診するようにと指示された。

 当院の内科外来に飛び込みの形で受診した。がんセンターから電話で連絡をもらうか、それに関する紹介状があればよかったが、直接行って受診するようにという指示だけだったので、最初に診た若い内科の先生もちょっと困っていた。

 心電図では規則的な頻拍で180/分だった。12誘導心電図で鋸歯状波があるように見える。心房粗動なのかと思ったが、診てくれた循環器科医も言い切れないという。ワソラン1A静注で、明らかな鋸歯状波だった。心房粗動の2:1伝導から4:1伝導まで不規則に出現して、その後に洞調律になった。ただ、P波の形がそれぞれ違うので、洞結節から心房のさまざまな部位からの刺激によるらしい。

 胸部X線・CTでは両側胸水があるが、軽度よりの中等度どいうところ(どんな量だ)。肺うっ血~肺水腫は目立たない。室内気でも酸素飽和度は下がっていない。発熱があって、他の原因もなさそうなので、気道感染症によるものと判断される。現在は禁煙しているが、喫煙歴が長く、両側肺に明らかな気腫性変化を認める。もともと肺性心があるのかもしれないが、心房粗動による心不全症状としていいようだ。

 不整脈が治まってしまったので、内科で入院となった。セフトリアキソン点滴静注で経過をみることにした。循環器科処方として、メインテート(0.625mg)2錠・ダイアート(30mg)1錠・イグザレルト(10mg)1錠が出た。今朝また頻拍が目立ち、ワソラン1Aが点滴静注された。内服にワソラン2錠分2を追加して、それでも頻拍になる時にワソラン注追加とした。(循環器科の病棟に入院させていた)

 結局、1)COPD+気道感染症、2)心房粗動+うっ血性心不全、3)前立腺癌となる。

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