なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

利尿薬大量投与

2017年06月29日 | Weblog

 今月初めに糖尿病腎症・ネフローゼ症候群の40歳代後半の男性が、全身浮腫(主に下半身)で入院した。血清クレアチニンは2.2~2.6mg/dlで、まだ透析になる値ではない。血清総蛋白4.9~5.5mg/dl・血清アルブミン1.3~1.5mg/dlと低いので利尿薬の効果が出ていない。

 以前、もうひとりの糖尿病腎症・ネフローせ症候群の40歳代男性も、著明な両側下肢浮腫で入院した。サムスカが出たころで、ラシックス・アルダクトンAに追加して、浮腫は改善した。そのころ血清クレアチニンが4mg/dl台だったが、その後さらに上がって、結局血液透析導入になった。それに比べて、浮腫の程度もひどく、サムスカの効果にも乏しく、より難治だった。

 外来処方は、ラシックス40mg/日・ダイアート60mg/日・アルダクトンA50mg/日・サムスカ7.5mg/日だ。前回も全身浮腫で入院したが、改善はわずかで、途中入院に飽きて退院していた。外来受診時に「再入院は」と聞くとずっと嫌がっていたが、動けなくなったので予約外で受診した。入院はと聞いても返事しなかったが、奥さんに何度も「入院するんでしょ」と言われてしぶしぶ承知した。

 腎臓内科(大学から外来に来ている)の指示で、ラシックス120mg/日に増量した。除水のための透析導入も考慮してもらっていた。1週間くらいほとんど変わらないかったが、2週間目に体重が10Kg(91Kgから81Kgへ)減少していた。下肢に少し皺が出てきていて、見かけでも改善がわかるようになった。その後の1週間でさらに10Kg体重が減少して、浮腫がかなり改善した。3週間で20Kg分の水が抜けたことになる。

 リハビリを開始して、何とか歩行できる見込みが出てきた。表情も少し明るくなった。血清クレアチニンの悪化はなく、むしろ若干改善している。

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