なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

困った患者さん

2016年09月06日 | Weblog

 医師会報に、大学病院の医療安全の先生が「困った患者さん」と題して寄稿していた。退院して外来治療と言われても入院継続を主張する患者さん、癌終末期で根治不能だが根治させろという患者さん、治療に協力せず暴言を吐く患者さんなど。医療安全管理者の仕事ではないが、困っていると訴えられると相談を受けてきたという。

 関連部署の当事者や責任者を集めて相談することが大事で、一つの部署に全責任を負わせないように、病院全体・多職種で対処するのがこつだという。その通りだと思う。

 今日外来受診(再来)した75歳男性は、自宅をごみ屋敷状態にして、周囲とトラブルを起こすことから、市役所の地域包括ケアセンターが介入していた。買い物にも行かず食べないで過ごしていたところを病院に連れて来られたりした。市役所は、困ると病院に送り込んでくる傾向がある。年末に市役所が休みになるので、病院に連れて来た。病棟内を徘徊して、夜中でもいろいろ要求するので、夜勤の看護師さんが何もできなくなる(他の患者さんを見る余裕がなくなる)。高額な所持金を持っていて、生活保護には全然ならないが、公共料金を払わないので電気水道を止められたりする。

 小規模な施設に入所させたが、そこでもトラブル続出で、対応に苦慮していた。そこへ自分の車で行くというので(ちゃんと運転できるか怪い)、市役所の車2台がその前後を挟んで慎重に送っていったそうだ。すぐにそこを飛び出してしまったが、また病院入院経由で、仕方なく戻った。

 最近は職員に対する暴言(これは前から)・暴力(職員が軽いけが)があり、警察に来てもらったそうだ。今日は施設の責任者が精神科病院への紹介状を希望された。(以前別の精神科病院を受診したことがあるが、どうなるものでもなかった)精神病かというと、たぶんそうではない。人格障害のどこかに入るのだろう。絶縁状態の遠方の親族が以前来たことがあり(市役所に呼ばれた)、野垂れ死にしてもけっこうですということだった。この方は重度の逆流性食道炎があり、消化器科で食道狭窄に対するバルーン拡張術を行った。PPI倍量でも良くならなかったが、幸いなことにタケキャブが出て、コントロールできるようになった。

 骨髄腫で医療センター血液内科で治療を受けていて、腎障害をきたして治療中止となった60歳代女性が当院内科に紹介されて通院していた。血圧上昇などから急性心不全となり、数日前に循環器科に入院した。入院後はすみやかに症状改善したが、本人とその家族の看護師さんに対する暴言がひどく、早期に退院となった。この方も人格的な問題と思われ、対処法はないのだった。

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