なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

間質性肺炎の急性増悪、子宮付属器炎

2013年12月11日 | Weblog

 昨日の午後に73歳男性が内科医院から肺炎で紹介になった。両側肺野にびまん性に陰影が広がっていて、通常の細菌性肺炎ではないと思った。2004年と2007年に当院呼吸器科(今はないが当時はあった)を受診した既往があった。健診で胸部異常影を指摘されたもので、胸膜直下にのみ間質性陰影があり、経過観察となっていた。胸部CTでは明らかに間質性陰影(網状陰影)がびまん性に広がっていた。白血球数1100でCRPが10だった。LDHも上昇していた。聴診では両側肺にVelcroラ音が聴取した。間質性肺炎の急性増悪だった。

 基幹病院呼吸器科に連絡した。当時当院にいた呼吸器科医で、この患者さんが受診した時に診察していた。午後5時前で、「ええー、今からー」と言われたが、1週間前からの息切れで、一昨日から症状が強くなって発熱もあり、1日待つのもはばかられる。以前診ていることを強調して何とかお願した。軽快したものの、すぐに自宅に退院できない呼吸器疾患(間質性肺炎、非結核性抗酸菌症、肺癌)の患者さんを当院が、というか私が下請け的に引き取っている。この方もうまく急性期を乗り切れば、当院にステロイド漸減・リハビリ目的で戻ってくると思われる。室内気で酸素飽和度が82%と下がっていたが、酸素吸入3L/分で飽和度が94%まで上昇した。すぐに人工呼吸器管理というほどではないので、ステロイドパルスで治療を開始するのだろうと思いながら、救急搬送した。

 搬送しようとしている時に、42歳女性が「けいれんがする」と内科外来(実際は午後はやってないが)に飛び込んできた。けいれんではなくて、悪寒(戦慄というほどではない)だった。バイタルは問題なかった。普段から生理痛がひどく、生理出血の1週間後まで左下腹部痛と帯下が続くが、今回は2週間近く続いているという。肺炎や尿路感染はなく、子宮付属器炎~骨盤腹膜炎が疑われた。腹部造影CTでは巨大な子宮筋腫があって、左卵巣嚢腫?もあった。PIDとしての所見はわからなかったが、少なくとも腸管や泌尿器の問題ではない。点滴して検査をしているうちに症状は落ち着いた。子供のことがあるので、すぐには入院できないという。すでに時間外になっていて、当番の産婦人医は医師会の講演会に行って戻ってくるまで時間がかかるという事情もあり、抗菌薬の点滴を行っていったん帰宅とした(知り合いの当院看護師もいっしょだった)。今日産婦人科を受診して、子宮付属器炎で入院になった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする