なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

そっと帰ってもらう患者さん

2012年10月27日 | Weblog

 一昨日、当直は大学の応援医師だった。大学からすぐには病院に来れないので、午後7時まで常勤医が遅番として残っていた。その日は循環器科の若い先生だった。救急隊から受け入れ依頼があって、中年男性が酒に酔って倒れているという。まあ、外来で点滴をして家族に迎えに来てもらえばいいかと思って、受け入れた。ところが、搬入されて点滴をいるうちに元気になってというか、暴れだしたそうだ。

 この患者さんは、隣の県で同じように酒に酔って倒れているところを発見されて、病院に救急搬入された。病院で治療を受けているうちに暴れだして警察に連れて行かれた。警察で電車代をもらって、当市にたどり着いたが、また酒を飲んで倒れたいう経過だった。

 当院でも結局警察に連絡して連れて行ってもらったという。もともとの住所は当市ではないので、また警察で電車代をもらって、そちらに向かってもらうことになるらしい。

 このような他の地域から流れてくる患者さん(病気なのかというと、問題はあるが)が年にひとりくらい病院に運ばれてくる。今回の人は暴れたので警察の扱いになったが、お金もなく飲み食いできないで倒れたり、お金がなくなると自分で具合が悪いと救急車を呼んで病院に連れて行ってもらう人たちがいる。病院で治療をしても、通常はかかった費用は病院の持ち出しになる。病院で食事を出して、体調が良くなったところで、自宅までの電車代を渡してそっと帰ってもらうしかない。

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