なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

気の毒な血糖測定

2012年10月08日 | Weblog

 胃癌、癌性胸膜炎・腹膜炎で入院している84歳女性はもともと糖尿病があった。HbA1cは6%台で経過していたが、今回入院時は7%台となっていた。癌が全身に進展したためもあるだろうが、主には胃癌が直接膵臓の体尾部に浸潤して内分泌機能が半減したことによると思われる。今日は血糖が400台となってしまった。

 これまでの経口血糖降下剤では間に合わないのでインスリン注射が必要になる。少なくとも1日3回は血糖を測定して、点滴に混合するインスリン以外にインスリン皮下注射を追加投与するしかない。血糖を測定するためには、手指を刺さなければならない。予後は1ケ月と予想される段階で、毎日3回指を刺すのは気の毒だが、やむを得ない。

 糖尿病がなければ、もちろんそんなことをする必要はない。癌末期の患者さんには、できるだけ検査をしないようにしているが、糖尿病で血糖が無視できないくらい高値になる患者さんでは、亡くなる数日前まで、痛い血糖測定が継続される。酸素飽和度のように、指にはさんだだけで血糖が測定できるようになればいいのだが、まだまだ先の話だ。

コメント
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