なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

増悪と新患と

2012年05月02日 | Weblog

 70歳台半ばの女性。膠原病の専門医がいたころにシェーグレン症候群と原発性胆汁性肝硬変と診断されていた。内科医師が退職するたびに外来主治医が変わって、私の外来に回ってきていた。デカドロン0.5mgを隔日という処方が出されていて、適切なのかどうか判断がつかないが、やめる根拠もなく継続していた。間質性肺炎もあり、呼吸器科外来(大学病院から週1回)に紹介して、定期的に経過をみていた。喀痰検査で非結核性抗酸菌症もあったが、これも経過観察となっていた。2週間前から咳が続いていたが、今朝発熱があり、外来を受診した。胸部X線で両側下肺野に陰影が増加していて、胸部CTで見ると右肺の陰影は間質性のように見え、左肺の陰影は細菌性肺炎の浸潤影に見えた。間質性肺炎の急性増悪なのか、細菌性肺炎の併発なのかわからなかった。炎症反応は上昇していたが、LDHの上昇はないのは間質性ではないということか。KL-6は外注なのですぐにはわからない。幸いSpO2は室内気で93~94%あり、救急車で搬送というほどではかった。基幹病院の呼吸器科医師に連絡したところ、引き受けてくれたので、紹介状と胸部X線・CTを持って家族の車で行ってもらった。

 80歳台前半の男性。妻が亡くなってから一人暮らし。息子は遠方にいる。1か月前から両側下肢がむくんで、内科クリニックを受診した。利尿剤(ラシックス)が処方されたが、むくみは変わらず、脱力も加わって今日当院を受診した。なぜか整形外科を受診して(足の動きが悪いから?)、そこから脱力ということで神経外科に回された。低カリウム血症による脱力と診断されて、内科に回ってきた。発熱はないが、炎症反応が中等度に上昇していた。明らかな熱感はなく両側だが、蜂窩織炎も疑われた。胸部X線で肺気腫があるが心不全はない。軽度の低蛋白血症で尿蛋白陽性だが、ネフローぜとも言い難い。肝機能と甲状腺機能は正常域だった。当初から本人の強い入院希望があり、カリウムの補正をしながら蜂窩織炎に準じて抗菌薬を投与して経過をみることにした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする