スミダマンのほのぼの奮戦記

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錦小路通-Ⅱ

2021-03-20 06:51:07 | 旅 ~京都

江戸時代中期に京都で活躍した絵師・伊藤若冲(1716年~1800年)は

錦市場の青物問屋の生まれです。

錦市場の西の入り口、高倉通の所に生家跡を示すモニュメントがある。

「野菜湟槃図」をはじめ若冲の描く絵画のなかには青物問屋の息子の為か、

蕪、大根、レンコン、茄子、カボチャ、柘榴、密柑、桃といった果物までが題材として登場します。

錦小路のアーケードの出入口の所には

ご覧のような若沖の作品の垂れ幕が何ヶ所もぶら下がっていた。

伊藤若冲は写実と想像を融合させた独自の作風から”奇想の画家”などとも称されている。

ドギツイまでの濃彩、極小の細部にまでこだわった緻密な描写。

空前絶後と言ってもよい独創的な表現で他の絵師には見られない独自の世界を生み出しました。

自らの表現を追求し続けた結果、個性的で魅力的な作品を数々残しています。

奇抜な構図、卓越した技巧、見る人の心を射抜くような色彩の作品で知られる伊藤若冲。

近年、日本にとどまらず欧米でも知名度と人気を高めています。

錦市場では店のシャッターをはじめ各所でその絵を見ることができます。

パートⅡは西端の若冲誕生の地から寺町通りに向かって紹介いたします。

錦市場を西の入口から入るとすぐの煎餅と団子の店「寺子屋本舗 錦店」。

豆腐の販売と豆腐料理のレストランを営んでいる「錦そや」。

オリジナルのごくうま豆腐(絹)はコクがあって豆の味が強い焦がし豆腐です。

レストランの一押しは豆乳鍋セットだそうだ。

大正10年の創業ですから約100年になる生牡蠣の専門店「錦・だいやす」。

生牡蠣の他に新鮮な魚介のお造り、おばんざい、天ぷらなどのメニューもある。

築200年の建物の奥に進むと飲食スペースがあり、そこからの裏庭の眺めが素敵です。

現在の錦市場の地で創業し、現在も営業を続ける錦市場内店舗のうち、

(すし)伊豫又、鮮魚木村、(鮮魚)津乃利、津之喜酒舗、

湯波吉(創業順)に続き6番目に古い「田辺屋商店」。

1830年創業の京都老舗乾物店です。

昭和25年に先代が開業した鮮魚店「錦 大丸」。

ブリ、鯛、鰆・・・季節ごとに変わる旬の鮮魚は

50年間市場に通ってきたご主人の目利きで選んだ新鮮なものばかり。

イワシ、サジは生姜で炊き、白身魚は程よく味付けをし、店の奥で調理している。

大正元年(1912年)創業の100年以上続く和菓子屋さん「畑野軒老舗」。

京都の生菓子は庶民のお菓子なので、

”この季節になるとあれがあるかなぁ”と思ってもらえるよう、

季節を感じるような商品をいろいろつくっている。

カウンターのみ店員5人という肉寿司の立ち食い店「牛兵衛」。

肉は近江牛、しかもA5ランク(最上位)のものを使用。

とろけるような美味しさにタメ息が漏れる。

錦市場に店を構えて約90年。

親子ふたりで切り盛りする家庭的なお店の「鳥豊」。

鶏肉と川魚を中心に扱うお店。

鮎の甘露煮、モコロ醤油煮などの自家製のものと合鴨が人気商品。

辛い物好きにはたまらない唐辛子の専門店「おちゃのこさいさい錦店」。

なかでも激辛好きを虜にしているのが「舞妓はんひぃ~ひぃ~」シリーズ。

その他にも風味にこだわった「柚子七味」や「黒七味」、

ごはんが止まらなくなる「京らー油ふりかけ」など唐辛子専門店のこだわり商品がいっぱいです。

「誠実」「信頼」「信用」江戸中期に西京極で営んでいた酒造業の屋号を

今に受け継いでいる京漬物「桝俉本店」。

今の漬物屋さんになったのは昭和5年。

錦市場の中に3店舗を構えている。

毎日店の奥の作業場で漬け込んでいる。

店主は京都市伝総産業「未来の巨匠」に認定。

たゆまぬ研究と創意工夫に励み、新商品の開発に余念がない。

当店で買ったべったら漬けと千枚漬は絶品でした。

長いアーケードの天井のステンドグラス。

絵の内容は何を物語っているのだろう。

ここで錦市場での伊藤若冲のエピソードについて記してみよう。

明和8年(1771年)から安永3年(1774年)までの錦市場の動向を伝える「京都錦小路青物市場」によると

じつは若冲が錦市場の存続に関して積極的な活動をおこなっている。

そのころ錦市場の営業をめぐる争議が起こり、若冲は画業を中断して町年奇として解決に尽力。

その結果、錦市場は窮状を脱することになった。

若冲は錦市場の恩人であり、錦市場の「中興の祖」といっても過言ではないのです。

昼時にいつも行列ができている70年以上続くうどん屋さん。

長年地元のお客さまに支持をされてきたのは材料と手間を惜しまない姿勢で、

良い材料をふんだんに使って美味しいものを作り続けてきたから、

特に京都のうどんには良いおだしが大事。

店頭に並ぶ串焼きに思わず目が行きます。

こちらは昭和25年に先代が開業した鮮魚店「山庄」。

串焼きは子持ちヤリイカ、貝柱照り焼き、バター焼きなど。

やはり京都ですからくじ(甘鯛)が一押しで年中ある。

創業75年、現代では3代目の鮮魚塩干「畠中商店」。

「100年以上の店が多い錦市場では、まだまだ中堅です」と謙遜して語る。

現在は持ち帰りのできる加工品にチカラを入れている。

四季折々のお惣菜を毎朝一つひとつ丁寧に作り続けている創業100年を超える錦市場のお惣菜屋さん。

特に店頭で実演している鰹と昆布で煮だした出汁を使って

優しくて飽きのこない味に仕上げただし巻が当店の一番人気。

「漬物は生きています」昭和15年、京都・島原にて開業した「打田漬物 錦小路店」。

厳選された野菜を熟練の職人達が季節ごとに重石や塩を加減し漬け込んだ京つけもの。

看板商品は「京の里」の胡瓜のしば漬け、「おんぶ漬け」の大根の酢漬け。

SNOOPYファンの間ではもはや知らない人はいないほどの有名なお店。

SNOOPYファンにはまるでパラダイスなお店だ。

古い都の町家を改造したお店の1階にはさまざまなSNOOPYグッズが売られている。

2階はレストランでどら焼きやソフトクリームが人気。

柳馬場通りと錦小路の十字路角にある京錦箸や万作「猫まっしぐら」。

半分が箸の店で半分が猫の店という不思議な組合せ。

「箸や万作」という箸の店と「猫まっしぐら」という猫をテーマにした和雑貨の店。

「日本のカルチャーを世界へ」。

そんな願いを込めて、かの北斎に名を借りたという傘の専門店「京錦 北斎グラフィック」。

オリジナルなデザインや仕様の傘が店内を飾ります。

その数はなんと約200種類以上。

私にとっては傘は嗜好品。

目移りする程素敵な傘が並んで、その誘惑に負けて雨も降っていないのに1本買ってしまいました

 

昭和22年創業の「丸常蒲鉾店」。

すり身は今でも頑なに石臼を使っている。

かつて錦市場に数件あったという練り物と揚げ物の製造販売店もいまはこの店だけとなった。

おでん種や本格蒲鉾だけでなく創作揚げ物まで揃います。

錦市場の長い長い歴史の中では幾多の危機があった。

前述した1771年の奉行所からの営業停止命令、1883年の三店魚問屋の特権廃止、

1927年全国初の京都中央卸売市場開設、一時錦の命、錦の水地下水が枯れかけたこと。

錦市場の隣に大手デベが地上げをし組合で即買い取ったことなど。

このように多くの苦難を乗り越えて今日の錦市場があり、

その結束力はただものではないものがある。

今回の新型コロナの危機もおそらく錦市場は乗り越えていくにちがいない。

錦市場、いや京都にはそのパワーと歴史がある。