散歩者goo 

タイトルのgooは、同名のHPやブログと区別の為付けてます。HPの「散歩者」はこのブログ筆者の私とは全く無関係です。

作られたギリシャ美術の美

2012年07月01日 23時27分26秒 | 美術・工芸・デザイン・建築
今日見た、NHKスペシャルの「古代ギリシャ」白い文明の真実(http://www.nhk.or.jp/britishmuseum/lineup/greece.html)は、衝撃的であった。
美術のデッサンの教材に使われる、真っ白なギリシャ彫刻が、実は色彩に彩られていたというのだ。
白い彫刻は、人間の肌には、肌色が塗られ目も描かれていたという。

しかもそのことが、科学的に実証されているという。
この事実は250年前までは知られていたという。
しかしドイツの美術史家の本の影響で、当時産業革命の影響もあり、他の文明より優れたヨーロッパ文明の源流のギリシャ文明が、独自に生まれ、純粋な白い美を生み出したという本の内容が広く流布したという。

番組によると始めに、エジプト文明やアッシリア文明が栄えていた、紀元前750年より前まではギリシャは非常に貧しい国で、目立った文明文化も無く、多くの若者が傭兵として、エジプトに雇われたという。
当時エジプトは、アッシリアやヌビアやリビアとも戦い劣勢に立たされていた。
(紀元前730年にはヌビア王がエジプトを征服する。)
紀元前750年頃に、多くの傭兵がギリシャに帰国するようになった。

ギリシャに帰国したギリシャ人傭兵たちは各地で見た当時各国の最先端の技術、美術を吸収して、ギリシャに持ち帰った。
それと同じ時期の紀元前750年頃からギリシャ文明は、突然花開くようになる。
彫刻や建物も、エジプト文明の影響を受けていたようだ。
当時のエジプト文明は、建物や彫刻も美しい色彩で彩られていた。
そのような視点で、現在残されているギリシャ彫刻や建物を科学的に、最新技術で検査すると、美しい色彩が塗られていたことがわかった。
(神殿やレリーフやその周囲の彫刻にも、鮮やかな色が施されていた事が、確認されCG化されている。)

紀元前750年頃から急に花開くギリシャ文明は、傭兵たちの帰国を機にエジプトや西アジアの文明から非常に大きな影響を受けて、始めて開花したのであった。


産業革命から第一次世界大戦まで、西洋=白人優越論の考えが世界の常識であった。
その西洋文明の源流は、孤高のギリシャ文明と考えられていた。
産業革命当時伏せられていた?その西洋文明の源流の本質は、ギリシャ文明が、エジプト文明や西アジア文明まで遡り影響を受けていたことになる。
(多分当時の西洋人にとっては、彼らの文明の源流が遡ると植民地にあるということは、屈辱的で非常に都合の悪いことだったのかもしれない。)

参考
「である」ことと「であってほしい」こと―古代ギリシャ彫刻の色をめぐって (藍色手帖BLOG)


自選ブログ集・新規掲載
散歩者gooのトップページへ、 http://blog.goo.ne.jp/sksoo
コメント    この記事についてブログを書く
« 昨日ニュース考・スクラップ1... | トップ | 7月1日(日)のつぶやき »

コメントを投稿