伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

ChatGPTの衝撃 AIが教えるAIの使い方

2023-07-01 11:31:15 | 実用書・ビジネス書
 ChatGPTで何がどの程度できるか、ChatGPTをどう使うかについて書いた本。
 著者自身が、この本の大半はChatGPTに書かせたと述べています(はしがき3ページ、あとがき189ページ)。
 それを読んだ感想としては、ありがちなパンフレットの説明文、文章力やオリジナリティに欠けるあまりできのよくないビジネス書という印象です。下手とは言えなくても、平板で熱意に欠ける興味を惹かれない文章で、平易であるにもかかわらず眠気を誘われました。話題ばかり聞いて実物に触れていなかった私には、率直にいえば、何だこの程度のものかというところです。
 著者は、ChatGPTを使いこなすべきというのですが、ChatGPTの作成した文書を元に修正するというのは、私にはあまり魅力を感じません。そのまま使うのなら労力の節約になりますが、それははっきり手抜きですし、そのまま使うクラスの文書なら自分で書いてももともと大した手間でもないと思います。他人が作ったテキストの修正というのは、実はけっこう手間がかかり、下手な元原稿ならない方がましということもありますし、一応完成した原稿があるとその原稿にどこか縛られてしまいます。きちんとした文書を作るつもりなら、私は最初から自分で書いた方がいい物ができると思っています。ChatGPTが下書きした原稿を元に自分のオリジナリティを加えていい文章を作れる人は、すごく強い意志とかなりの能力がある人に限られるのではないかと思います。大半の人は、ChatGPTに下書きをさせるなら、結局はChatGPTに使われるというか、面倒になってそのまま使い手抜きしつづけることになると予測します。
 ChatGPTが苦手なことに「倫理的・法律的な問題への対応」が含まれるそうです(26ページ)。そうだとすると、私たち法律家業界は安泰ということになりますし、契約書の作成とレビューをやらせているところ(113~119ページ)をみると、弁護士の目からは使い物にならないなとは思います。そこは今後の改良や使う側のやり方にもよるのでしょうけれども、先ほどの文書作成の場合と同じように、私は仕事に使いたいとは思えないですね。


矢内東紀 実業之日本社 2023年6月5日発行

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