伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

介護職・介護家族に役立つやさしい医学知識

2017-09-06 19:40:54 | 実用書・ビジネス書
 介護を要する人(高齢者・障害者)の介護をするスタッフや家族が知っておきたい医学知識を説明した本。
 高齢者では認知症も想定し、障害によってコミュニケーションがうまくいかないことを想定して、本人の訴えに頼らずに対応できるように考慮されているところが売りかなと思いました。
 すぐに病院へ連れて行くべき判断基準として、①(普段歩ける人が)苦しくて歩けないとき、②数時間のうちに病状がどんどん悪くなるとき、③肛門からの出血が疑われるとき、④「意識」や「体の一部の動き」に異常があるとき、⑤嘔吐が続くとき(2回以上)、⑥食べられないとき(1日以上)の6項目を「基本の6項目」としているのが目からうろこです。病名を判断する必要もない、体温や血圧を測定する必要もない、第三者が観察でわかることだけで判断できるところが優れています。
 また、感染症等の予防のために手洗い(掌だけでなく、手の甲、指の間、親指と掌を合わせてねじるように、指先と爪の間、手首と6段階の入念な手洗い)が基本ということも強調されています。う~ん・・・
 その後各論的に様々な病気ごとの対応と病気についての知識が順次説明されています。読んでいると、それぞれの患者ごとに様々な配慮が必要とされ、介護職って本当にたいへんだなぁと思います。ここに書かれていることをきちんと実践しようとしたら、かなり職員配置に余裕が必要だろうけど、現実には1人のスタッフで何人の要介護者をケアしているかを考えると、とても無理そうと思います。介護スタッフの労働環境の改善の必要性も考えさせられました。


和田忠志 技術評論社 2017年3月7日発行
コメント
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