伊東良徳の超乱読読書日記

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検査なんか嫌いだ

2017-09-07 00:01:21 | 実用書・ビジネス書
 自分自身検査は苦手だという医師の著者が、検査は嫌だけど役に立つという医師としての認識の下で、微妙な立ち位置で検査について論じた本。
 著者自身は、検査は人を幸せにしない(大抵は何か問題が見つかり医師から何らかの制限を受けたり小言を食らうし、医師に言われなくても「異常」値があると憂鬱)、医療は人を幸せにするものでありたいという立場で、あまり痛い思いをさせるような検査や検査結果が出ても無意味な検査(疑い通りの結果が出ても手術等の治療が選択されないときなど)を避けるとしています。しかし、個別の検査についての説明では、検査をして助かったケースも出てくるので検査の有効性を一概には否定しにくく、歯切れの悪いところが多くなっています。
 最後に、検査嫌いの人が実践すべき健康法として、①体重を測ろう、②血圧を測ろう、③食生活を見直し、「ま・ご・わ・や・さ・し・い」(豆、胡麻:穀物・種子類、わかめ・海藻類、野菜類、魚介類、椎茸・キノコ類、芋類)を食べよう、④骨と筋肉を鍛えよう、⑤世のため人のために生きようを挙げています。最後の点は、生きがいを持つことが長寿・健康を促進する傾向があり、高齢者の生きがいとしては「他人のために役に立つ」ということが高く評価されていることからです。
 「検査なんか嫌いだ」というタイトルの割には、医師の視点から穏健な書きぶりで、手に取ったときの予想/期待からは優柔不断な印象ですが、検査について考えるためのわかりやすい入門書としてふさわしい読み物かと思いました。


鎌田實 集英社 2017年2月28日発行
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