アル中で女好きのエジンバラ市環境衛生局のレストラン監視官ダニー・スキナーとゲームオタクで熱心な新入り監視官ブライアン・キビーが繰り広げる愛憎劇と、父親を知らないダニーの父親探しを絡めたストーリーの小説。
ダニーがまじめな新入りブライアンを激しく憎み、自分の体に受けた傷害やアルコール・ドラッグなどのダメージを翌朝にはすべてブライアンの体が引き受けるという呪いが実現してしまうということが重要な材料となって話が展開しています。これを楽しめるか、これでしらけるかで評価がだいぶ変わりそうです。
スコットランドの地理・社会がわからないとついて行きにくい、本が分厚い、訳が日本語としてこなれていない、という事情で読み通すのがちょっとつらく思えました。最初の100頁あたりまではいつぶん投げようかと思いながら読んでいた感じ。ダニーの調子のよさとブライアンの悲惨さが対照的で、多くの章で語り手がダニーとブライアンの切り替わりなもんで、快・不快が揺れてやや居心地が悪い。
ダニーの父親探しが、それほどこだわる価値があるのかなという思いも残りますが、エンディングは展開にスピード感があり、やや鮮やか。
原題:THE BEDROOM SECRETS OF THE MASTER CHEFS
アーヴィン・ウェルシュ 訳:田内志文
エクスナレッジ 2008年3月26日発行 (原書は2006年)
ダニーがまじめな新入りブライアンを激しく憎み、自分の体に受けた傷害やアルコール・ドラッグなどのダメージを翌朝にはすべてブライアンの体が引き受けるという呪いが実現してしまうということが重要な材料となって話が展開しています。これを楽しめるか、これでしらけるかで評価がだいぶ変わりそうです。
スコットランドの地理・社会がわからないとついて行きにくい、本が分厚い、訳が日本語としてこなれていない、という事情で読み通すのがちょっとつらく思えました。最初の100頁あたりまではいつぶん投げようかと思いながら読んでいた感じ。ダニーの調子のよさとブライアンの悲惨さが対照的で、多くの章で語り手がダニーとブライアンの切り替わりなもんで、快・不快が揺れてやや居心地が悪い。
ダニーの父親探しが、それほどこだわる価値があるのかなという思いも残りますが、エンディングは展開にスピード感があり、やや鮮やか。
原題:THE BEDROOM SECRETS OF THE MASTER CHEFS
アーヴィン・ウェルシュ 訳:田内志文
エクスナレッジ 2008年3月26日発行 (原書は2006年)