daichanの小部屋

ある平凡な将棋指しの日常

昇級記

2007-03-07 11:13:30 | 将棋
たくさんのコメントありがとうございます。ようやく念願の初昇級を決めました。
3年目の今期は開幕からずっと、上がって当然という気持ちでここまで指して来ました。いまでも当然だったと思っていますが、当然の結果を出すのは本当に難しいと、実感した1年でもありました。特に年明けの3局はいずれも厳しい戦いで、何度ももうこれまでかと覚悟しましたが、最後まで気持ちが切れずに指せたのが良かったのかなと思います。
順位戦は本当に長い戦いでしたが、こうして1年間頑張ったことの結果が出て、感無量です。しばらく休んで、来期からまた大いに頑張りたいと思います。


昨日の将棋は先手で相掛かり。予定通りの立ち上がりでしたが、あまり経験のない形になりさっそく知識不足を露呈。まだ日の高い時間に馬を詰まされ、ボナンザもびっくりの純粋角金交換(図)
正直言って泣きたくなりましたが、これが案外難しかったのは幸運でした。

そしてこの頃まずキャンセル待ち2番手の佐々木君が勝ち。
続いて夕休前には同じく1番手の上野さんが勝ち。これで純粋に勝つしか昇級できなくなりました。勝てば上がり、負ければまた一から、という状況は実は初めてで、プレッシャーは対局前以上に高まりました。おまけに展開は最悪に近い状況です。しかしそれとは裏腹に、夜戦に入ってからは徐々に気持ちが落ち着いてきました。

僕は対局中他の将棋をちょくちょく見ることが多いのですが、昇級の懸かった昨日も、普段通りそうしていました。たしか8時頃広瀬君が勝ち、昇級決定。この日は早い終局が多い一日でした。昇級候補は下位から順番に勝っていくという展開だったので、次は自分の番だと集中力を高めていき、ラストの2時間で引き離しました。ずっと駒損の上に攻められているのに、形勢は意外に難しいという、変わった将棋でした。振り返って見ると、ミスもありましたが全体的にはよく読めていたように思います。
なおこの一番は、椎名さんの観戦記で毎日夕刊に取り上げられる予定です。

10時過ぎに終局。感想戦や昇級者インタビュー撮りなどをやって、12時前に帰宅。帰ってネットで村田ー村山戦を中継で見ていましたが、これがすごい将棋、まさにフィナーレにふさわしい激闘でした。二人ともこれだけの将棋を指しても届かないのか、と勝負の厳しさを感じました。
これで僕自身は1位通過になりましたが、同年同期の村田とは一緒に上がりたいと思っていたので、ちょっと複雑な心境です。

C1はC2に比べるとかなり厳しいクラスですが、昨年あたりがピークだったのではないかと個人的には感じています。なんせ竜王もいましたからね。一方C2のレベルはこれから数年は上がる一方でしょう。その意味では、いい時期に脱出できたかなと思っています。この幸運を生かしたいですね