★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

あまりん辞任他

2016-01-30 18:13:42 | ニュース


・「私以外私じゃないの 当たり前だけどね だ・か・ら マイナンバーカード!」

……わたくしが独裁者であったなら、これを言った人物に対する何らかの司令を出してしまいそうな気がする。あっ、あまりんだったのか、これ。まさかあまりんはアメリカにやられたんじゃないだろうな……

・ナイスの会というのがあって、安倍首相とか、あまりんの後釜である石原伸晃などが入っていたらしい。

……わたくしが独裁者であったなら、この会の名前をつけた人物に対する何らかの司令を出してしまいそうな気がする。TPPがあまりにヤヴァイしろものなので、あまりんは逃げた可能性があるとわたくしは思うのであるが、どうであろう。TPP爆弾を渡された石原も必死で自分のスキャンダルを探しているに違いない……なわけないか。政治の世界は大変だな……まあ、大学でも妙なグループ作っているひとたちは沢山いるわな。

・ベッキーがテレビに映ると「不倫を肯定するのか」というクレームの電話が来たりするらしい。

……もう、どうでもいいけど、えーとえーと……「命短し恋せよ乙女っ」!

・スマップってどうなった?

……スマップに夢中になっているおばさんたちは不倫してないというのか?わしなら不倫と見做すけど?

・昔はダイアン・キートンが好きだったが、いまは松岡×優……

・水曜日の『朝日新聞』に片山杜秀が書いてたけど……。

……産褥の女が嬰児を絞め殺している絵馬のことを、柳田国男が書いてたんだが、こういう事件と貧困問題って今どのくらい関係あるんだろう。片山の文章読んでて思ったんだけど、もう時代はとっくに近代文学の時代に戻ってるんだよね……別の意味で「時代はかわった」とかいう脅し文句をよく聞くんだけど、確かに。

・高橋源一郎と鷲田清一が鶴見俊輔を褒めてた。

……哲学者や文学者は、もっと人を馬鹿にして欲しいなあ……ああ、つまんねええ

・昨日は公開講座などで脳が弱っていたので、テレビでダウンタウンが「冬なのにさまーず」というのがどういう意味なのか分からなかった……。もうだめだ。

おれの眼は、二十年間きれいな雪景色を見て来た眼なんだ

2016-01-30 14:58:20 | 文学
木曽の雪の写真を見ると、太宰治の下の文章を思い出す。


「でも、あのお話だけは本当よ。あたしは、あれだけは信じたいの、だから、ね、あたしの眼を見てよ。あたしはいま、とっても美しい雪景色をたくさんたくさん見て来たんだから。ね、あたしの眼を見て。きっと、雪のように肌の綺麗な赤ちゃんが生れてよ。」
 お嫂さんは、かなしそうな顔をして、黙って私の顔を見つめていました。
「おい。」
 とその時、隣りの六畳間から兄さんが出て来て、「しゅん子(私の名前)のそんなつまらない眼を見るよりは、おれの眼を見たほうが百倍も効果があらあ。」
「なぜ? なぜ?」
 ぶってやりたいくらい兄さんを憎く思いました。
「兄さんの眼なんか見ていると、お嫂さんは、胸がわるくなるって言っていらしたわ。」
「そうでもなかろう。おれの眼は、二十年間きれいな雪景色を見て来た眼なんだ。おれは、はたちの頃まで山形にいたんだ。しゅん子なんて、物心地のつかないうちに、もう東京へ来て山形の見事な雪景色を知らないから、こんな東京のちゃちな雪景色を見て騒いでいやがる。おれの眼なんかは、もっと見事な雪景色を、百倍も千倍もいやになるくらいどっさり見て来ているんだからね、何と言ったって、しゅん子の眼よりは上等さ。」
 私はくやしくて泣いてやろうかしらと思いました。その時、お嫂さんが私を助けて下さった。お嫂さんは微笑んで静かにおっしゃいました。
「でも、とうさんのお眼は、綺麗な景色を百倍も千倍も見て来たかわりに、きたないものも百倍も千倍も見て来られたお眼ですものね。」

――太宰治「雪の夜の話」