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踏み込み温床の作り方

2015-12-28 04:50:55 | 自給

 踏み込み温床は毎年12月初めに作る。まず落ち葉を集めるところからである。踏み込み温床に関しては、草堆肥ではなく落ち葉堆肥にしている。それの方が温度が長く持つようである。落ち葉集めをするのは、12月初めと決めている。最近は12月でも葉が落ち切っていないことがあって、もう少し遅らせるかなど毎年考える。暮れが迫ってからではせわしい気がして、12月に入るとやる気になる。自給仕事はやる気になった時にやらなければできない。落ち葉を集めているのを人に見られると、笑われるような事が気がする。それくらい農家の人はやらないことになった。踏み込み温床を笑う人はいつか大きな見落としに気づくのではないだろうか。踏み込み温床はそれくらい大切な作業だとおもっている。3つの価値がある。ビニールハウスの状態がよくなる。温床で育てた苗は丈夫である。出来た堆肥を苗土に混ぜると、とても有効である。

まずは落ち葉を集める場所の目星である。最近集める人がいくらか増えたとはいえ、到底集めきれないほど山にはよい場所がある。落ち葉が堆肥化している場所を探すことだ。ここ数年の落ち葉が溜まっているような場所を探しておく。落葉樹の林が条件。そして、吹き溜まりのような窪地を見つける。誰かの山なのだとは思うので、道の隅などで取ることにしている。但し車のめったに通らない道である。そんな場所が舟原から車で10分以内に10か所はある。今年はあそこかと行けば、わくわくするほどの宝庫がある。たぶん釣りをやる人の気持ちと同じだろう。これほど貴重なものを自然から頂けるという喜びである。落ち葉堆肥ほど素晴らしいものはないと思う。軽トラに一杯積み込む。800リットルの袋に、12,3袋である。完全に堆肥化したところから、今年落ちた枯葉まで混ざっている。重さにして、40キロ詰めぐらいだろうか。500キロにはなるから、軽トラの積載量違反である。と言っても、さしたる量ではない、一坪の場所に空けるのだが、1メートルにはならない。

作り方は簡単である。回りに枠を置いて、その中に、落ち葉と蕎麦の糠とを交互に入れてゆく。落ち葉が乾いていたなら、水を足しながらやる。最初に積み込むときは、踏み込み温床と言っても、踏み込まない。ただ積み上げておくだけである。これで1週間もすれば結構暖かくなる。そのまま1か月ぐらいは置いておく。1月の後半あたりで、再度積みなおす。この時は、しっかりと踏みつけながら、もう一度そばぬかと、落ち葉を足してゆく。水も加えてしっかりと踏み込む。そして1週間もすれば熱が出てくるので、その上に苗箱を並べる。種の芽が出るまではビニールをかぶせておく。熱は2か月くらいは保てる。このやり方は、鶏の育雛にも使う。雛を踏み込み温床の上で育てる。この場合、雛の上から側面からも熱が来るように、全体を落ち葉堆肥で囲ってやるようにする。ガスが出て雛がおかしくなるようなことは一度もない。

踏み込み温床は熱と2酸化炭素が出る。これが冬の間のハウスの植物の少しの足しになる。そして、春になったら又落ち葉を足して積みなおし、苗床にする。こうして作った苗は丈夫なのだ。トマトや、ナスのような温度のいる苗も加温なしに結構できる。むしろ陽射しで苗がやられたことがある。また放射冷却で外より寒くなると言われることもあるが、石の壁の蓄熱の為か、ハウス全体でも5度より下がることはない。踏み込み温床の中は、15度以下にはならないと思う。中には、熱帯性の植物や、柑橘類が置いてあるが、弱ることはあるが枯れることはない。年によってだが、トマトは越冬もする。今年は暖冬の成果、桃太郎が元気に実を赤くしている。

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